2021-08-08

 心がけて5時前には起きだした。移動中の秋田駅前、ホテルで迎える朝。

 既に日が差している。秋田市街の向こうに太平山が姿を見せている。
 今日も始発列車で動く。当然ホテルの朝食は無理。身支度を済ませるとチェックアウトする。駅に向かう途中のローソンで多少の買い物。ついでに朝食好適品を手に入れる。
 駅に赴く。

 なぜか今回は顔はめを見る度に写真を撮ってしまう。秋田駅改札口にあるのは、秋田のアイコン、なまはげ

 午前6時前。既に奥羽北線と男鹿線の始発は動いた後。この後、羽越本線、奥羽南線の始発があって、秋田新幹線も6:09に出発を控えている。
 駅前でおにぎりを買ったのだが、この時間、駅弁の販売が始まっていた。そちらにすれば良かったかなぁと反省少々。
 ホームに降りる。

 お馴染み、701系が停まっている。4両繋がっているように見えるが、前2両が始発の新庄ゆき。後ろ2両は切り離されていて、次発の湯沢ゆきになる様子。
 この701系、車内の一部がボックス席に改装されている。一昨日のいわて銀河鉄道では何編成かみたけど、秋田地区にもいたのか、改装車。
 ボックス席は先客で埋まっていたのでロングシートに座り、ひとまず朝食。

 こんな東北スペシャルなおにぎりを頂く。
 焼そばバゴーンそばめしおにぎりは何ともジャンキーな味。
 味どうらくの里仕立ての鮭入り焼おにぎりは想像以上に優しい味わい。
 列車は出発する。

 この辺りの奥羽南線。秋田新幹線の開業に伴い、片方の線路は標準軌に改軌。片方は狭軌のままとなった。単線並列という珍しい配線。
 この単線並列、

 峰吉川を出た所で標準軌の方だけが複線になる。秋田新幹線の列車同士がすれ違いできるように、という配慮でこうなっている。
 その単線複線並列、というのが正しい言葉なのかどうか知らないけど、その区間

 赤くて長い鼻先がちらっと姿を見せた。秋田を15分遅れの6:09に出て来た始発の新幹線、こまち6号だ。
 こちらも駅間で速度は出ているが、じわじわと差を詰められる。

 ゆっくり、確実に差が詰まって、

 捕まった。相手はZ19編成。しばらくこんな調子で並走したが、最後に刺されて、こちらは停車のために減速。置いて行かれる。
 列車は大曲へと着く直前、先程抜かれたこまちが方向を変えて出発してゆく。微妙に乗り換え不成立。
 大曲で半分ぐらい降りてゆく。がら空きになった。先頭のボックス席が空いたので移る。

 足元ゆったり。でも姿勢正しく座らないと腰に来る椅子。結局は広いボックス席で1人、姿勢正して座ることになる。
 列車は横手平野を行く。田んぼの向こうに

 秀麗無比なる鳥海山が見えてくる。気難しいこの山が山頂までしっかり見える事は珍しい。この山、秋田市内からも条件が良ければ見えるが、年に数日、それも5月が多かったと思う。
 後三年の駅で下り列車と待ち合わせとなる。

 やって来たのは快速列車。通勤通学の時間帯に50系客車を連ねた快速列車が走っていた事を思い出す。

 横手まで1時間15分程で到着。ここまでワンマンで来たけど、横手から新庄までは車掌が乗務する。お客さんも少し増えた。

 向かいにやって来た電車の側面に春日部名誉市民の姿。なぜ秋田で企画展?と思うが答えも出ていた。

 「とーちゃんの故郷、秋田」
 そうだったのか。知らなかった。
 列車は奥羽本線を南に。奥羽本線が秋田と東京を結ぶ動脈だった頃には何度も乗ったが、久しく乗っていない区間である。もしかして21せいきになって初めてか?と思う。

 鳥海山は相変わらず惜し気もなく姿を見せている。谷筋のように白く見えるのは残雪?だろうか。特急鳥海のヘッドマークは青空バツクに残雪光る鳥海山と言うものだった。実際には山頂が雲に隠れる事が多い山。デザイン通りの鳥海山なんて見た試しが無い。
 増えたお客さんも湯沢までにあらかた減る。雄物川の作る平野も狭まって来て山が迫ると院内の駅。この先、雄勝峠で県境越えとなる。乗客は10人まで減った。秋田から乗り通している人は少々する様子。

 この区間は複線電化。列車の影が薄く、行き交う人も少なくなったかつての幹線。先日来、ちらほら出ている
 https://news.yahoo.co.jp/articles/500afa3e1de4cef5dab3ef8ec624a7e93194670f
 こんなニュースを思い出す。思い入れを抜きにすれば、GV-E400系で十分だとは思うけど、ね。
 山形県側に抜ける。鳥海山が徐々に遠ざかり列車は山を下る。
 その途中、釜淵で下り列車待ち合わせのため停車。

 2両編成の普通列車がやって来る。これが新庄から秋田に向かう始発というから驚いた。山形県内、秋田県内だけなら早朝から列車があるけど、県境を越える列車が少ない現実を改めて知る。
 真室川からは地元のお客さんがそこそこ増え始める。新庄には8:44の到着。秋田から3時間弱が経っている。


 新庄で乗り継ぎ時間に30分以上の間が空く。一旦改札の外へ。この時間、駅併設の地元物産館が開店していて土産物を売っている。そちらを覗いたりして時間を潰す。
 改札開始の案内があって、駅構内に戻る。

 東京行きの新幹線と並ぶ701系は福島-新庄間専用の標準軌仕様の5500番台。今回廻る範囲からして仕方ないが、今回の東北ゆきはどこまでも701系が付いて回る。4日目にして少々腰に違和感を感じる。

 先程、秋田からやって来た701系が側線に移って、ドアを開けたり、締めたり。乗務員の訓練が行われているようだ。 
 新幹線が先に出発。しばらく待って山形行きの普通列車も出発となる。席がさらっと埋まる程度の乗り具合。秋田や湯沢から乗り通している人も明らかにいる。
 奥羽山脈側に雲が目立ち、日本海側は晴れている今日の最上川沿い。列車は南下する。2両編成だが、車掌が乗務している。切符の販売やら何やらで時折巡回。徐々に混んでくるので、車掌が乗務している意味があるかも知れない。
 ショッピングモール最寄の天童南で大量下車。最近はショッピングモールが近くにある駅が賑わう、という光景、どこの地方でも見るようになっている。
 山形市内近郊。乗り降りを繰り返して終着山形到着。秋田を出発してから5時間が経っている。


 列車はそのまま米沢ゆきに化ける。引き続き乗車。新庄からと同じ席に腰かけ出発を待つ。
 部活帰りらしい高校生なんかが増えてきて出発時刻。列車は奥羽本線を南下する。途中。かみのやま温泉を出た後、場違いのタワーマンションが目を引いた。何だろうなぁと思ったら
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9f219f9afa0c014e472a7eb6fffc050df12ddcf
 後日記事になっているのを見た。日本一安価なタワーマンション、か。
 40分程で米沢到着。3番線に着く。跨線橋を渡った1番線に駅弁売り場が二つ見える。その片方の売り子が居住まいを正してこちらへ視線を向ける。
 秋田から米沢まで、比較的順調に進んできたが、この先は板谷峠越え。普通列車の数も減る。そして今日は板谷峠には向かわずに、米坂線で山越えをする。
 米坂線、次の出発は12:16。案外と接続が良い。その持ち時間で一度改札の外へ。

 米沢牛の像がでんと構えている。そろそろお昼時。駅弁売り場もあったし、お昼は駅弁にしようかと思う。改めて駅構内へ。駅弁屋が2軒構えているのは昨今では珍しい。

 どちらの店も有名店だが、呼び込み熱心だった方でお買い上げ。それも東京でも買える標準品ではなく、米沢でしか売っていない味付けの牛めしを買い求める。

 改めて列車に。今度はキハ110の2連。今回は701系キハ100系のシリーズか、本当にどちらかだ。
 列車は空いている。ボックス席も埋まるか埋まらないか程度なので1両に10人いない程度。こんなものかと思いつつ発車を待つ。
 席が埋まらぬまま定刻出発。米沢の駅は市街地の外れ。米坂線は市街地を廻り込むように走る。その途中の南米沢、西米沢と早くも降りる人がいる。代わりに乗る人もいるから、本数の少ない米坂線でも器用に使いこなす人はいるもの。
 いずれにせよ空席多数のまま。そこで先程買い求めた駅弁を頂く。

【今日の駅弁】牛肉どまん中 しお ¥1,250 有限会社新杵屋


 そんな訳で有名駅弁。東京駅でも売っているからあえて買わなくて良いのだけど、その亜種というべき塩味を頂く。

 普通の醤油仕立てとは色合いから違う塩味牛めし

 牛丼なら七味唐辛子だろうけど塩味だと胡椒になる。
 この通りに変わり種なのだが、昔から存在したかのようにしっかりまとまっている。全く違和感なく頂けた。
 列車は置賜盆地の西の縁を北上してゆく。

 窓外には曇り空。太平洋側は台風の影響で天候が悪いらしい。8月に東北で台風の影響を受けるとは運が悪い。米坂線が雨でダメになる前に何とか坂町まで抜けたいもの。
 少しずつ「降り」と繰り返して列車は今泉に到着。しばらく停車との事で運転士も駅舎の方へと引き上げていった。

 米坂線に乗るとだいたい今泉でphoto stopとなる。列車を撮って

 これから向かう線路を撮っていると山形鉄道の列車がやって来る。

 1両の軽快気動車がやって来る。多少お客さんが降りて来る。米坂線と乗り換える人はいなかった様子。
 山形鉄道の列車を見送る。米坂線の列車が出発するまでは、まだ多少時間がある。

 今泉の駅前を見ると、いつも時刻表昭和史を思い出す。今日は8月も8日。あと一週間で終戦記念日だ。眠るような今泉駅前でしばし76年前に思いを馳せる。
 まだ時間があるから

 山形鉄道のホームを見る。お金を掛けられないからか、一際古さが目立ち、それはそれで好ましい空間ではある。
 そろそろ列車に戻る。13時ちょうど、出発。

 置賜盆地の西の果てを列車は進む。窓外は北の空なのだが、こちらも曇り空。そろそろ台風の影響が出そうな今日の東北。そんなタイミングで米坂線、山越え区間へと入ってゆく。

 最上川水系荒川水系。どちらも日本海へと注ぐ川の分水嶺米坂線は越えてゆく。一応、山越えは雨の降り出さないうちに何とかなる、峠を下るとちょっとした街が現れる。小国の駅。少々停車となる。

 またphoto stopになる。反対側のホームに出て自分の乗って来た列車を撮り、改札口を出てみる。

 待合室にはツキノワグマの剥製が。剥製と言えども本物には違いなく、迫力がある。
 だいぶ時間があるので街を少し歩いてみる。

 眠るような街だが、その中にスーパーマーケットがあって少し覗いてみる。
 麩の売り場が広くて、品ぞろえも充実しているとか、秋田県民の味だと思っていた味どうらくの里が大量に売っていたりとか、案外と楽しめたが、見学だけ。さすがにそろそろ駅に戻る。

 改めて駅舎を。開業当時のものだろうか。古くても案外と立派な構えである。
 駅構内に戻る。長々停まっている列車。その理由は

 上り列車とのすれ違い。25分停車して、14:11の出発。今泉から1時間以上経っていたのか。
 列車は荒川沿いを下ってゆく。盆地の小国を出るところで渓谷に。

 水っぽい景色に水っぽい天気。何か雨がぽつぽつ落ちて来た。幸い、何とか渓谷を抜けて平野には出る。これで山形と新潟の県境に閉じ込められることはない。のだが

 ここで本降りの雨になる。視界が白くなる。駅で列車を待っていた人が駆け込んでくる。
 最後の最後に水を差された感じになったが、何とか何とか、定刻に坂町に到着となる。

 坂町の駅も雨に濡れている。ここから新潟に向かうのだが、少々待ち時間。ホームに屋根があるとはいえ、風が吹いて雨粒もホームを叩く。居心地が良くないのでちょうどやって来た下り列車でいったん避難することにした。
 見慣れぬ電車は新潟地区に入った新車、E129系。こちらに揺られて村上まで北上すると雨はやむ。


 羽越本線のジャンクション、村上駅に久しぶりに立つ。姿を見せる車両はすっかり代替わりしている。駅の様子が変わらないので、なんか不思議な気分だ。

 なぜか反射的に撮ってしまう顔は目を見てから、改めて新潟行きに乗車。この時間の羽越本線。山側には雨雲が沸き立ち、日本海側には晴れ間が覗く。そんな不思議な天気が続く。1時間少々、ボックスシートに揺られると都会風の景色になる。16時半前、新潟到着。

 高架工事が進む新潟の駅は記憶とだいぶ様子が異なる。今日はここからバスに乗るのだが、万代口のバス乗り場のイメージが強くちらつく。結局万代口の方から南口に廻って何とか何とか

 8分乗り継ぎが成立した。涼しいのに大汗をかいた。
 新潟空港は駅の北側。線路を跨いで北へと向かう。25分程で空港到着。

 この時間の新潟空港。伊丹ゆきがずらっと並んでいる。休みは明日までだけど、1日残して帰宅となる。元々明日まで出掛けるつもりで予約したけど、8月9日に職域接種って話があったもので。一旦予約をばらして4日間で取り直して、そしたら9日の職域接種がぶっ飛んで。色々振り回されて、予約を取り直す気力は無かった。
 搭乗手続きをして荷物を預ける。一旦展望デッキに出てみた。 


 J-AIRのJA225Jが離陸してゆく。

 先程の雨が嘘みたいな青空広がる新潟空港。台風の影響が出るかなぁとも思っていたけど、この調子なら普通に飛ぶのだろう。
 出発は19:00。だいぶ間がある。展望デッキをお暇してへぎ蕎麦の店に入ってみる。

 まずは新潟限定ビイル。本当なら新潟に一泊して、新潟限定ビイルを浴びたかったのだが、まぁ仕方ない。ひとまずつまみに栃尾揚げを頼み、新潟空港25周年というサービスメニューのセットでへぎ蕎麦を頂く。

 へぎ蕎麦の方が先に来て

 栃尾揚げは後。この半分で良かったけどなぁ、と思いつつビイルを追加して頂く。
 出発まであと1時間。

 先に出発する伊丹ゆきがJA217Jで出発してゆき、

 ついで搭乗機がやって来る。JA244J。そろそろ保安検査を受けて制限エリアの中へ。

JL2250 JA244J ERJ-190 KIJ→ITM


 19:00の出発までしばらく。機材は到着しているし、直前に何も無ければ出発できる状況。ひとまず準備が整うのを搭乗待合室で待つ。
 18:40頃、事前改札が始まり、次いで優先搭乗。今日は搭乗手続き時にクラスJに変えて貰っている。貰った席に落ち着く。

 18時半を過ぎて、新潟の空にも夕闇が迫っている。そんな様子を見ていると定刻よりもだいぶ早く、18:50にDoorclose。搭乗率は3割ぐらいだろうか。クラスJにも5席ぐらいは空席がある。
 18:54、Pushbuck。18:58、Taixing。飛行機は東側へと誘導路を進む。

 滑走路端。アイベックスの着陸機を通した後に滑走路へ。19:02、Takeoff RWy28。

 信濃川の河口、新潟港、新潟の中心市街を見下ろして、飛行機は日本海の上を上昇してゆく。

 今度は信濃川放水路が見えて、新潟市の郊外へ。高度を稼ぐと左に進路を変えて陸地へと入ってゆく。

 いつの間にか雲の上に出て19:10、ベルト着用サイン消灯。飛行機は南西へと向かってゆく。

 暗くなる中、沸き立つ雲の白さが不気味に光る。少々揺れそうな雰囲気だが、今のところは穏やかなフライト。
 飲み物のサービスが始まる。

 使われているカップはオリンピック仕様だが、来る時と

 また別のデザイン。まじまじと見ていたら、「オリンピック期間の特別デザインなんです♪」と声を掛けられる。

 この飛行機柄は自分でも可愛らしいと思ってしまう秀逸さ。普段からこれでいい。持ち帰りたくなる。
 19:27、操縦席から副操縦士が飛行状況の案内。現在、高度8,500m、対地速度790km/hで飛行中。まもなく名古屋上空。大台ケ原を経て伊丹に20:00の着陸を見込んでいるとの事。定刻より15分早く、定時運行への御協力、ありがとうございます、と添えられる。但し、伊丹着陸機混雑の影響により遅れる可能性もあるとの事。伊丹の天候は晴れ。気温は30℃との事。
 先程のカップは拭いて持ち帰る。すると「よかったらどうぞ」と来る時に見たピクトグラム柄のカップを貰う事になる。

 19:39、ベルト着用サイン点灯。機内減光。黒々とした山の中から、奈良盆地の灯りが見えて伊丹空港へのコースに乗っている事を知る。どうやらこのまま、伊丹に向かう様子。 右へとカーブすると伊丹空港への最終コース。

 大阪の街明かりを望みつつ高度を落としてゆく。

 どこまでも続く眩い光の中に見える暗がりは大阪城公園。そして太く続く暗がり、淀川を越えると19:52、Landing、RWy32L。19:54、Spot in SP26。
 20分早着との事。この遅い時間にはありがたい。
 バスで案内、という事で降機。

 タラップに屋根が無く、ついテンションが上がる。バスに乗ると間もなく発車しちゃったのが少し残念。
 バスに乗せられ、ターミナルへ。新潟で預けた荷物を受け取ると

 20:10を過ぎた所。他のフライト含めてだいたい早着だけど20分も早いフライトは他に無かった。
 これでリムジンバスに間に合えば立派だったが、ちょうど出た所。20分待ちであった。
 リムジンバスで40分少々。

 案外早く京都到着。21:16の新快速に乗れる勢い。まぁ石山の乗り継ぎが悪いので、膳所廻りになるのですが。

 結局、膳所から京阪電車に揺られて22時前に自宅。最後は若干グタグタとはいえ、帰宅。これで明日が仕事だと辛いけど、休みなので良しとする。

【サイトアップ アクセスカウンタ】

 サイトアップはお休み
 アクセスカウンタは機能せず
 万歩計は11,594