2019-06-16

 胃が痛くて目が覚めた。昨日はどうやら食べ過ぎたのか、飲み過ぎたらしい。持ち歩いている胃薬を飲んでもう少し寝るが、結局、5時過ぎに目が覚める。旅先は福島市のホテルで迎えるこれからの朝。

 雨音が部屋の中まで容赦なくやって来る福島の朝。「梅雨の嵐」なんて聞いた事がない言葉が数日前のネットニュースにあったけど、その梅雨の嵐を迎えた東北の朝である。
 目が覚めたので適当に京王線恥辱の続きを書きながら時間が過ぎるのを待つ。6時半になって朝食を食べに行こうかと思い部屋を出る。


 福島の郷土料理なんてコーナーがあったりして、なかなか楽しいバイキング。適当に選んで朝食を済ませ、コーヒーを頂くと7時過ぎ。一旦部屋に戻る。

 何時の間にか外の雨は上がっている。回復傾向なのだろうか。それならありがたいけど。
 今日は8時の電車に乗る事にしている。それに合わせてホテルをチェックアウト。駅に向かう。雨が止んでいる、と思いきや降って来た。やっぱり先行きが思いやられる。駅まで傘を差して向かう。
 今日はJRの福島駅では無くて、

 こちらの福島駅から出発となる。何か時代掛かった駅頭。久しぶりに切符を買い求める。辺りに居たグループが駅員に「米沢に行くには」「奥羽本線」なんてやり取りが聞こえる。その訛りに何となく心が癒えるのは関西弁が心に突き刺さるからだろうか。

 駅構内へ。JR線の構内からは「大雨の影響で運転見合わせ」なんて案内が聞こえてくる。どうやら福島から白石に掛けて、降雨量の影響で通れないらしい。次の仙台行きは福島で運転見合わせだそうだ。
 一方でこちらのホームは平常通り。

 福島交通の電車がやって来る。ここの路線は元東急7000系が活躍していたけど、何時の間にか代替わり。この顔は知らないが、サイドビューから元東急1000系と知れる。

 温泉地の飯坂温泉まで足を延ばす列車にはこんな遊び心が添えられている。昨晩は飯坂に停まっても良かったのか、と今更思う。
 飯坂線電車の出発を見送ったのち、阿武隈急行の列車を迎える。

 同じく2両の電車がやって来る。今度は鋼製。1988年製なので先程の元東急1000系と同年代か。

 案外とたくさんの人が降りてくる。この電車が折り返し8:00の槻木ゆきになる。JR東北本線宮城県境で運転見合わせだが、阿武隈急行宮城県の槻木まで平常運行中。
 見た目は新しい雰囲気の車両だが、


 車内は直角背もたれのボックスシートが並んでいる。もはや懐かしの雰囲気。
 お休みの日、朝の郊外行き。空いている条件がそろっている電車だが、ボックスがさらりと埋まる。案外と乗るなぁという印象と共に列車は動く。
 阿武隈急行線、久しぶりに乗車となる。前は何時だっただろうと思ったが、具体的な日取りは思い出せなかった。乗っているには違いないのだけど。電車は東北本線の線路を走ったのちに分かれる。元々が東北本線のバイパス線として計画されただけに線路は立派でよくスピードが出る。明治時代に作られた本線よりも雨に強いのは分かる気がする。

 途中、福島行きの電車とすれ違ったが、結構な乗りだった。阿武隈川沿いのこの辺りは開けた盆地で、住んでいる人も多そうだ。何度も比較になるが、福島から山際を攻める東北本線よりも、沿線の人は多そうである。

 社名の由来でもある阿武隈川を渡り、列車は福島県を北上してゆく。福島からのお客さんは降りる一方だが、乗って来る人もいて、2両編成の先頭車は案外と空かない。

 福島県最後の主要駅、梁川は阿武隈急行の運転拠点。新車の姿も見える。全線開業以来使ってきた8100系も代替の時期が来ているそうだ。
 梁川で乗務員が交代。今までは車掌もいる二人体制が運転士のみのワンマン運転になる。この先のお客さんは少ないよ、と言いたげな扱い。列車は福島と宮城の県境へ。

 阿武隈川の流れも狭く急になる。
 お客さんは案外と乗ったまま宮城県へと抜けてゆく。これは仙台の引力、なんですかねぇ、と感心していると平地が広がって宮城県側の丸森に着く。国鉄時代、丸森線だった頃の終着駅である。結構な数のお客さんが乗って来る。
 宮城県側はまたお客さんが増えてゆく構図。車掌がいても良かったんじゃない?と思える程。

 途中すれ違った電車は丸森ゆきだった。それなりにそれなりに使われている感のある阿武隈急行宮城県側。
 東北本線はダイヤ乱れらしいが、阿武隈急行は定時に走って槻木到着。切符は運転士に渡すと

 代わりに精算済証を貰える。
 精算済証は槻木駅の改札で渡し、改めてSuicaで入場。次の目的地に向かう。この時間の槻木駅、電車を待つ人が目立つ。9:00の仙台行きがまだ来ていないようだ。この電車、福島から来る電車。雨の影響で遅れているのだった。その前に白石始発の電車が定刻に来るようだ。

 遅れている福島方面ゆきの電車を見送ると定刻の白石発がやって来る。

 槻木では座れる程度の乗り具合だったが、一駅毎に混んでくる。仙台空港線合流の名取で少々渋滞し遅れ出す。ダイヤが乱れがちなのかも知れない。立客も目立つようになった。
 速度が緩んで東北の雄都、仙台へ到着する。向かいにはディーゼルエンジンの音も高らかに現代的な気動車列車が??やって来た。

 次に乗るのはこの列車。HYBRIDの文字が目立つ気動車は仙石東北ラインの石巻行き。
 湘南新宿ラインとか、上野東京ラインとか、最近目立つようになった複合名称+ラインの路線名。名が示す通り、仙石線東北線の直通列車なのだが、仙石線東北線を接続するための新しいレールを引いての開業であり、本来はもっと早く乗りに来るべき路線であった。この接続線、扱いとしては東北本線の枝線で距離は0.3㎞、らしい。

 ひとまず乗り込む。車内、席がさらっと埋まる程度の乗車。東北線塩釜までは各駅停車、その次が仙石線高城町と案内があり誤乗防止の注意喚起が告げられる。
 遅れた電車を待ちあわせたからか、定刻に少し遅れて出発。ディーゼルエンジン音が響き渡るのに、感触は電車の動き出し。何か違和感がある。
 塩釜まではあくまで東北線の列車。途中で降りる人もちらほらあって、必ずしも石巻へのお客さんばかりとは限らない様子。一緒のボックスの人もどこか途中で降りて行った。
 塩釜で改めて次は仙石線高城町と案内。列車は走り出す。ここから松島までの区間は距離も長く、東北線の列車は右手に日本三景の松島を眺める風光明媚な区間。海岸線までが近い所でもあり、仙石線が寄ってきて東北線と並んで走る。その途中で速度が緩む。

 東北線から分岐。ここが新線区間だ。
 間もなく仙石線の合流。すぐ先が高城町。速度が緩んだまま、

 到着となる。向かいには仙石線205系電車が停まっている。
 この先、石巻まで足を延ばすかどうしようか迷っていたが、結局、高城町から引き返す事にした。目の前の205系に乗って、さて、どこで降りようか。仙台近郊区間内なので一筆書きなら最短区間の運賃が適用になるが、仙台まで乗り通すと一筆書きが崩れて、ルール違反になる。

 東京でも見かけなくなった、関西にはもともと殆どいない205系の懐かしさを覚える座席に落ち着く。列車は逆方向に走り出す。日本三景を背に色々と調べると塩釜に気になる店を見つける。結局

 本塩釜で列車を降りる。目的の店は開店が11時半。30分程間がある。その間、少し港を歩いてみる。

駅から程なく、塩釜の港に着く。小学校の修学旅行が仙台松島で、塩釜から松島まで遊覧船に乗ったはずだが、あたりの景色は全く覚えていない。まぁ2011年の東日本大震災でだいぶ痛めつけられている筈なので、仕方ないかもしれない。
 これが松島の景色は何となく記憶にあるような気がするのだが、こちらは東北本線の車窓からも見ている。記憶が補間されているかも知れない。
 目的の店の開店時間が近づいたのでそちらに向かう。


 ほやラーメン、ほや唐揚げ。妙に攻めたメニューが目立つこちらの店。その名もほやほや屋
 震災以来禁輸処置によりだぶついているほやの消費拡大に取り組むお店だそうだ。牡蠣が苦手に人でもカキフライは食べるよね、と言われるとほやの唐揚げも何か説得力を増す。
 幟にあったほや塩ラーメンと唐揚げ。セットでホヤ飯。そうはいっても刺しも食べたい。メニューには無いが恐る恐る聞いてみると出来るそうだ。

 勢いでビールも注文。ハートランドを取り扱っていた。
 先にほや刺しが来る。

 醤油と塩も添えられたが、何もつけなくて良い。それだけで美味しい。最後に塩を試してみたが、それはそれで有りだった。

 ついで唐揚げ。これもアリだけど、個人的にはレアな方がいい。苦手な人向きでは無くなるけど。


 塩ラーメンはあり。ごはんは全く違和感無し。普通に美味しい。案外と温めてもいけるものなのね。
 結構な品数を頼んでお会計が気になったが、2300円であった。ラーメン800円。ご飯200円。唐揚げ400円。ビールは確か500円だったか。って事は刺身は400円って事か。安い。店ごと大津に持ち帰りたい。
 だいぶ頼んだが滞在30分程。

 12:07の仙石線には乗れる。今度は仙台方面。終点のあおば通まで。次いで乗るのは仙台地下鉄の東西線。こちらも2015年に開業以来、乗らずに放置していた路線。3月におおさか東線に乗って以来、乗らずに放置している路線が気になりだして、こんな事になっている。
 あおば通の駅から地下鉄の乗換改札はすぐ。ただ1987年開業の南北線よりも2015年開業の東西線は地下深くを通っている。結構な距離を歩く。

 東西線八木山動物公園ゆきに乗る。先日の横浜地下鉄グリーンライン同様に小さな車体のリニア地下鉄。狭い車内はそこそこ埋まっているが、一駅でたくさん降りて座れる。
 広瀬川を渡るところで地上に出る。6月の東北はまだまだ新緑。外がまぶしい。再び地下へ。この先は外が見えなくても分かる程に登り坂。駅名が青葉山に八木山。その名の通りの山岳地下鉄となる。

 また地上に出て地下鉄と思えない景色が広がると終着の八木山動物公園。東北人には八木山ベニーランドの方がお馴染みだろうか。小学校の時の修学旅行でもベニーランドは訪れた。
 地上に出てみたが、知っている所は全くない。雨もちらほら降っており、歩くのは見合わせ駅構内に戻る。

 再び地下鉄。残ったのは仙台駅から東の区間。荒井まで。東北大の学生らしいグループ客やらで賑やかになり仙台で一通り降りるとまた人が入れ替わる。海岸まで平野の続く東側は突然地上に出る、なんて事は無く淡々と進む。
 1路線13.9㎞でしかないから終着の洗いにはあっさりと到着。

 だいぶ海岸よりに来ている。この東側を通る仙台東道路が盾となり津波の浸水は免れた筈。
 相変わらずの雨で早々に引き返す。後になって駅の2階に震災の展示施設があった事を知る。見ておけばよかったけど、次の機会があれば。
 仙台駅に戻ると14時前だった。もう少し持ち時間があるけど、そろそろ空港に向かう。JRの構内に入ると

 空港行きの電車は概ね30分毎。もう少し頻度良く走っていると嬉しいけど、先日、1日5本だけのウラジオストク空港アクセス鉄道を見てきたばかりだと、30分毎ならまぁ、良いかと言う気になる。
 この時間の東北本線はダイヤが平常に戻っている。乱される事無くサッポロビールの工場が駅前に見える名取まで。ここから分岐して仙台空港鉄道に入ると

 15時前には仙台空港到着となる。フライトまでは3時間あるけど、ひとまず空港へ。

 東京への空路がない空港だが、割と賑やかなターミナル。JALのカウンタにJGCの優先窓口が無かったので一般に混じって搭乗手続き。クラスJのアップグレード、キャンセル待ちを入れて窓口を去ると、JALカードの勧誘が来る。
「マイルを溜めてらっしゃいますか」
「おかげさまで溜まっています」
 普段勧誘なんて受けないけど、むげに断るのも変なので、こんな返しになる。
 だいぶ時間がある。珍しくお土産をこまごまと買う。冷凍のずんだ餅。冷凍のほやなんてあったのでそちらも。
 まだ時間があるので展望デッキに出てみた。空港でのこんな時間の過ごし方は久しぶりだ。


 アイベックスエアラインズのCRJ700が器用に反転してスポットを離れてゆく。

 JALの伊丹行きはJ-AIR担当。ちょっと大きいERJ190が駐機している。

 国際線も来ている。この時間は中国国際航空。この後EVA Airも来るらしい。
 一通り眺めてから保安検査を受けて制限エリア内へ。出発まで2時間少々。仙台空港にはサクララウンジの設定があるのでそちらに居を構える。

 こじんまりとしたサクララウンジに座る。小型機しかこない仙台空港のラウンジなのでこんなもの。

 ビールも缶ビールになる。4社揃うのは良いかもしれない。地元名取産のサッポロビール黒ラベルを頂く。
 ビールを飲みつつ京王線恥辱の続き。本当は昨日の分ぐらいまで進めたいが、滞貨にある程度の目星がつく所まで。その間にラウンジが大変混雑しております状態になる。伊丹、福岡、千歳と出発が重なると小型機ばかりでも結構タイトになる。
 出発ラッシュがひと段落した頃、ラウンジ係員がこちらに。クラスJはご予約のお客様で満席になった、とのこと。ラウンジで結果が分かるのは、まぁありがたい。

JL2212 JA241J ERJ-190-100 SDJ→ITM

 帰宅便は夕方17:55の出発。もう少し早く帰りたかったのだが、予約時点でこの便がお求めやすくなっていたので、まぁ仕方なくと言う所。

 先程展望デッキで伊丹行きを眺めてから2時間少々で3便、伊丹行きの設定があり、さらにもう1本後にもフライトがある。関西に居ても仙台の存在感は正直感じないのだが、結構流動があるようで、多頻度運航になっているJALの仙台-伊丹。

 待っているのは伊丹でお馴染みエンブラエルERJ190。一回り 


 だいぶ後方の普通席に落ち着く。90席ほどの機内、案外と混んでいて見た目には満席になり、17:59、Doorclose。前便遅れの影響で遅れている旨、お詫びがある。伊丹までの飛行時間は1時間15分と告げられた、気流の影響で揺れが予想され、揉み物は冷たい物のみになるかも知れないとのこと。

 18:01、Pushbuck。先程からメンバーが変わりピーチやタイガーエア台湾といったLCC勢が幅を利かせている。機体も大きい。18:05、Taixing。誘導路を海側へと向かうとそのまま滑走路へ。18:11、Takeoff RWy27。

 仙台南郊の田園地帯が眼下に広がり出すと飛行機は激しく揺れる。左に旋回せて180度向きを変え、

 阿武隈川を見落としてさらに揺れつつ無理矢理に上昇をしてゆくなかなかハードなフライト。

 地上が雲で見えなくなってきてさらに揺れる。雲の上に出ると揺れは落ち着くがそれでもまだなお。

 雲と揺れから逃れられないフライトも18:30、ベルト着用サイン消灯。ようやく落ち着いた。飲み物は冷たい物のみ、ジュースと麦茶だそうだ。麦茶ってあまり聞かないなぁと思っていたら、

 紙パックで配られた。これなら手早いし安全。なるほど、と思う。本体も見習っていいかもしれない。
 飛行機は栃木から群馬を経て八ヶ岳上空へと進む。関東地方ショートカットコース。18:43、ベルト着用サインが点灯し少々揺れ出す。暮れる空の下を軽く揺さぶられながら西へと急ぐ。
 19:04、ベルト着用サイン消灯。だいぶ西に来ていて、5分後には再点灯するそうだ。

 外もだいぶ暗くなってきた。19:09.ベルト着用サイン点灯。着陸態勢に入る旨、案内がある。
 雲の上だが、揺れも来ないまま、気が付いたら地上が見えるようになっている。生駒山を越えると 

 大阪市内へ最終コース。仙台から1時間強。まだ明るい大阪市内、高度を落とす。普段よりも高いなぁと思っていたら、19:18、Landing、RWy32Lへの着陸だった。速度を落とし、誘導路へ。大阪市内の空、着陸機の灯りが幾つも見えている。

 19:21、Spot in SP24 。到着遅れのお詫びがあって降機となる。

 乗継のお客さんがいて、鹿児島と宮崎だそうだ。これからまだ先がある人は大変だ。そして


 JA241Jはこの後、来た道を仙台へと戻る。もう一仕事待っているのだった。待合室は今から仙台へと帰る人で賑わっていた。 

 この時間の伊丹。各地からの最終便で賑わっている。その中の1つ。成田からの便に妻が乗っているで待つ。離陸ラッシュに巻き込まれたか、25分遅れてやってきて、制限エリアの外に出てきたのが20:20過ぎ。
 さすがに遅いので京都までリムジンバスにする。補助席まで埋まる混雑ぶりだが道は空いていて、40分少々で京都駅八条口まで運ばれる。思ったよりも1本早い東海道線に乗れたので、帰宅は22時をちょっと廻った所。でも出来れば、夕方には帰っておきたかった。
【サイトアップ アクセスカウンタ】
 サイトアップはお休み
 アクセスカウタは機能せず
 万歩計は11,650