目覚ましを5時に鳴らした。

 バンコクは夜明けの時間。今日は一日、観光列車に乗る事にしている。のだが、妻の体調が思わしくない。お腹の調子が悪く夜中何度も目を覚ました上に、熱も出ているという。今日の予定は無理だ。5時過ぎの段階で諦める。一日休養にしなくてはいけない。
 休養で済めばいいのだが、熱を測ると40℃近い。病院に行きたいというので調べる。日本語の通じる病院、、と考えていたらふと、クレジットカードの保険が通用する状況だと言う事に思い至る。今度はクレジットカードの保険適用方法を調べ出す。
 調べてみると予め、日本の保険会社と連絡を取り、病院を紹介して貰うべき、と言う事に行き当たった。そこで日本に連絡。日本は、この時間8時過ぎだから、まぁ良いだろと。
 保険会社とやり取り少々。前もって調べていた病院を紹介して貰える事になった。病院は8時から開いているらしい。そこで7時過ぎに移動する。
 病院に行きたい、というぐらいなので歩くのも難儀で、有無を言わさずタクシー。

 スクンビットの方にある、日本語の通じるという病院まで向かう。日曜朝のバンコク市内。渋滞はしていないのでスムーズに病院まで行く。入口で妻は車いすに乗せられ、日本人専用という外来窓口まで運ばれる。流暢な日本語を話すタイ人スタッフが窓口。
 保険会社からの連絡は届いていて、話自体はスムーズに進む。いくつか書くべき書類があるのだ、ペンを握る気力がないと仰るので代筆をする。
 院内の移動は全て車いす。片言の日本語を話す医師の問診を受けた後に、血液検査と点滴。その間は待ちぼうけとなる。

 いつ終わるか分からないので待合室で待ち続ける。病院に着いて5時間近く。車いすに乗せられた妻とようやく再会。状況を知る事になる。どこかが炎症を起こしているようだが、原因不明なので入院を薦められたとのこと。とはいえ、帰国も控えているので入院は辞退したそうだ。
 最後に薬を貰う。保険が効いたので代金は払っていないが、これで15,000バーツ近いらしい。日本円で50,000円。高級病院なのだろうし、色々高く付くのだろうが、1,000バーツで10,000円ぐらいの感覚を持っているので、15,000バーツ。とんでもない大金。医者に診てもらう、というのは実はとんでもなく大変な事だったのだ。健康保険のありがたみが今更になって分かる。
 帰りもタクシー

 朝に比べると渋滞している。昨日出かけたスコータイホテルの前を通り、チョンノンシーからサパーンタクシーンへ。最後の最後にタクシーが道を間違える。ホテルの真ん前まで付けて貰えなかったのが、今日は辛い。
 何とか妻を自室に戻すと14時過ぎであった。

 外は極めつけに明るい。

 部屋から撮り鉄、なんてやってみるが、ひとまず腹が減る。朝から何も食べていないのだから仕方ない。妻は寝入っているので、ひとまず外に食べに行く。幸か不幸か、昨日のロビンソン百貨店探訪で、4階にフードコートがある事は知っている。そこに行ってみる。
 こちらのフードコート。バウチャーを買って精算するタイではよく見かけるタイプの店、

 少々の英語表記はあったが、タイ文字オンリーの店も多く、地元民向けのフードコートだ。

 適当に頼んだ食事は45バーツ。塩辛いだけであまり美味しくない。不味い、までは言わないが、何を食べても美味しいと思ったタイでは、一番の口に合わない食事であった。
 何も食べられない妻のためにはスポーツ飲料だけ買い求めて、部屋に戻る。食事は受け付けないが、ひとまず貰った薬だけは飲んでもらう。夜まで看病、というと大げさだが、自室で面倒を見つつ過ごす。
 夜になって、夕食を食べに行く。先程のフードコートはもういいが、同じロビンソン百貨店の地階にはタイスキのMKがあるけど、一人で行く店ではない。ペッパーランチ、なんて店も出来ていたが、これも選択肢には無い。
 百貨店の前に伸びる路地へ足を伸ばして、適当な店へ。

 思い切り地元民向けの店なのだが、ホテルが近くにあるからか、外国人の姿もちらほら。そのためか、英語メニューも用意があった。適当に選んで、注文。

 妻には悪いが、ビールを1本頂く。Beer、とお願いしたらLEOで良いかと聞かれてこちらが供された。冷蔵庫に1本しか見えなかったから、売れ残り、かもしれない。

 ワンタンが先に出てくる。

 それとチキンライスというので頼んでみたもの。上に載っているのは鴨肉らしい。タイ料理というより、中華料理の店、だったようだ。
 これだけ頂くと自室に戻る。明日は帰国日。今ある荷物をまとめなくてはならない。妻に代わって荷造りよ、なのだが、荷物をスーツケースに上手に詰めるのは妻の方が一枚も二枚も上手。どうしたら良いものかと悩みつつ、ひとまず、困らない程度にはまとめる。
 明日も早い。早めに就寝。