今日も高雄のホテルから一日が始まる。5月4日、まだ連休はあると思えば有るというべき一日。今日も一日、高雄で過ごす。そして行動の大半は妻のリクエストに拠る。
 まずは朝食。ホテルの朝食はセットで付いてくるのだが、折角なので台湾らしい朝食を頂きたいと昨日いただいたようだ湯包を志す。正確にいうと昨日行った店の隣。こちらも行列が出来ていたのである。
 8時過ぎに動き出す。

 このあたりはすっかり馴染んだ感がある。その道を少し歩くと人だかりの出来た店が一つ、もう一つ。昨日の店と今日の目的地だ。昨日の店は相変わらずの行列だが、隣の店も結構な行列が出来ている。
 行列に並びつつ食べるものを選んでお会計。テーブルは少ないので相席となる。まぁ何も問題は無し。

 肉まんに豆乳スープ。よくありそうな台湾の朝食。肉まんは12元だから昨日のものより安いぐらい。豆乳スープ共々美味しく頂く。
 昨日の店も美味しいけど今日はパスして一旦ホテルに戻る。ホテルの朝食は今日は9時からのお約束。一応は食べるだけ食べておく。

 昨日と若干メンバーが違う朝食を簡単に頂くと一旦部屋に戻る。身支度だけ済ませると改めて出掛ける事になる。最初の目的地は地下鉄の紅線でアプローチとなる。美麗島の駅まで歩こうかと思う。

 街中の歩道は日差しを避けられるようにはなっているが、暑いものは暑い。昼間はあまり観光には向いていないねぇと思いつつも美麗島の駅まで到着。

 ここの駅、広いターミナルがステンドグラスに覆われている。実に美しい空間で何かイベントが行われている。ステンドグラスには似つかわしくない、まぁ仕方ないのかもしれない。
 美麗島の駅から南へ。獅甲駅で降りる。

 ここから歩いて少々。街中と違って建屋の軒先を歩くわけにはいかないので木陰を選んで歩く事になるけど、やっぱり暑い。
 そんな調子で向かった先にあるのは

 コストコ
 世界各国のコストコを渡り歩くコストコワールドツアーの4か国目は台湾。台北にも何店舗かあるらしいけど、公共交通機関で訪れようとすると高雄の方が便利、と言う事で本日の訪問となった次第。

 同じ通りにはイケアの看板も見える。これだけ見ると日本と変わらないねぇと思いつつ、多少なりとも変わった部分を期待しての入店。勿論、日本で作った会員証がそのまま使える。
 街中の店舗らしく少々手狭な店内。一階と地下一階からの構成であり、若干お金が掛かっていそうな店構えだ。店内は日本で扱っているような売り物が大半。一部は地場のものだったりする。日本の物がそのまま売っていたりもするのだが、

 赤玉スイートワインの1.8Lパックなんて日本でも見たことがない品物がどんと置いていたりする。
 自分はお土産になりそうなお菓子のまとめ買いを。妻は日本のコストコには無いというマンゴー味のマフィンをお買い上げ。普段よりは相当控えめな買い物で退散する。
 地元民がスクーター二人乗りで大荷物を抱えて店を立ち去るのを?横目に、こちらはちょっとした荷物だけを手にして地下鉄駅へ戻る。少なくとも電車で買い物に来ている人はいなさそうな台湾のコストコであったがところ変われば買い物スタイルもまぁまぁ変わる。

 さて獅甲駅に戻る。荷物が大きくなるようだとホテルに一度戻る事を考えなくてはならないが、もうちょっと増えても大丈夫そうなのでそのまま買い物続行となる。今度は地下鉄駅から少々距離のあるところ。バスで直行できないかとか調べてみたが旨いバスがないので、地下鉄に一駅だけ乗る。さらに


 バスに乗継。歩いて歩けない距離ではないようだが、日差しが強くてきついのと、ICカードでバスが免費になるのと、両方が手伝ってバスに乗車となる。
 バスで数分。ここと言われて降りたところにちょっとした行列。何かの賞を受賞したパン屋さんだそうだ。並ばせているのは店内にいるお客さんを一定人数以下に抑えるためらしい。目茶苦茶混んでいる訳でもないけど、あるところからは入場制限を掛けている。
 妻がパンを選んでいる間に、自分はバスの時間を調べておく。さすがにホテルに戻って荷物を仕舞いたいのだが、バス、地下鉄、そして美麗島でまた地下鉄乗り換えと細かく刻んでゆくのは体力を消耗する。それよりはバスで直行できない?といろいろ少々調べてみた。台湾語は理解していないが、グーグルマップで現在地と行先を入力するとバスのルートを返してくれるのである。
 直通のバス系統がある事は分かったが、40分に1本の運転でだいぶ間が空く。仕方ないので第二案。バスで橘線の駅に出ようかと思う。乗換はあるが美麗島での地下鉄同士の乗換がない分、多少は楽である。

 乗るバスは先程と同じ系統だった。街中を走る事しばし、橘線の信義國小駅がある交差点となる。バス停と駅の間、ちょっと距離があったがこのぐらいは仕方がない。

 途中、日本航空の営業所を見かける。一日一便の運航でもこうやって事務所を構えるんだと感心する。どれだけ営業所経由で航空券が売れるのか。チケットはネットで買うのが常の人間にじゃ良く分からないところである。

 新しい地下鉄らしく妙なオブジェが駅を飾るのを横目にホームへ。橙線は座れる程度の混雑で、涼みながら二駅揺られる。最後のホテルまで歩く道で暑さと日差しにやられたけど。
 先程、コストコとパン屋での買い物をホテルに仕舞いこむと、午後の行程へと移る。暑い盛りだし、外は動き回りたくなく、できるだけ屋内で、屋内でという予定で動こう。
 まずは高雄車站へ向かうが、地下鉄では無くてバスを志す。どうせ何かあるだろと思ったら地下鉄駅より近い所にバス停があってそこから車站まで直通の系統があった。勿論ICカード払いで免費となる。乗って来る人を見ていると半分ぐらいは免費になっているようだ。これで経営大丈夫?と思わなくはない。
 高雄車站まで運ばれる。ここの駅、現役の物は味気も何も無い建物なのだが、


 こちらは開業当時の駅舎である。ここが記念館として開放されているのでちょっとだけ見学してゆく。中は展示施設になっていて、鉄道地下化の進捗なんかを紹介している。
 資料を見ているとボランティアらしい説明員が声を掛けてくる。この立派な駅舎は190 年に日本の手に寄って建てられたものですよ、という意味の事を英語で説明してくれたのちで、片言の日本語で「ありがとう」と仰る。まぁ植民地支配の産物ではあるから、ありがとうと言われるのは若干戸惑いは覚えるが、「どういたしまして」と答える事になる。ますますもって訳が分からないが。
 経緯はどうであれ日本が整備したインフラが1945年以降の台湾で役に立ってきたと言うのは事実なのだろう。逆にいうと当時のインフラを大事に使って来た台湾に敬意を払わないといけないかも知れない。
 説明し足りない風のボランティアに礼を言って街に戻る。この後は昼食を頂こう。今日も14時を過ぎてしまったが、昨日の違って街中にいるので食事できるところは何とかなる。
 ちょっと路地に入るとインドネシアの店が並んでいる。ナシゴレンとか看板が見えたが、さすがに高雄で食べるのは気が引けるので普通の店を探す。

 結局牛肉麺の店に入る。伝票に丸を付けて店の人に渡すスタイル。漢字である程度はメニューの想像がつくので楽である。

 中華圏ではどこに行っても見かける空芯菜。先日は北京で頂いたが今度は高雄で喰らう事になる。日本であまり見かけないのが残念な逸品だ。


 麺は牛肉麺と酸辣麺を。浦舟町に元祖スーラーメンの店と言うのがあるけど、台湾料理だったのかと思う。
 美味しかったが体力持って行かれる系かも知れない。日本なら冷たい料理というのがあるけど、こちらには無いからねぇ。
 さて買い物再開。バスに乗って百貨店に行く。

 また免費です。これだけバスに乗っておけばデポジット代取り戻さなくても十分に元を取れたような気がしてきた。

 バスは繁華街に差し掛かりその途中で降りる。大統百貨店というのが妻の目的地。

 ニトリなんかが入店しているんだ。4階だったかどこかのフロアを半分ぐらい占拠していた。
 ここでは上の階にある書店によって書籍と文具の物色。そして地階にある食品売り場でも探し物を。地階に食品売り場だったり二階や三階は衣類だったり、百貨店の売り場の並べ方は日本と台湾、瓜二つだ。
 荷物が増えたので再びホテルに戻る。先程からその繰り返しだ。そして今回もホテルに戻る時だけはなぜか地下鉄のお世話になる。今度は地下鉄を降りてホテルに戻る途中、コンビニに寄り道。ビールを買っておいた。
 さすがに疲れたのでベットにばたんと行きたい所だが、まだ寝るには早い時間。もう一度出かけよう。今度はもう一店、百貨店を志す。漢神百貨という店。日本の阪神百貨店の協力で開業したそうで、読み方はHANSINで良いそうだ。
 漢神百貨店は名前はHANSINだが電車では直接行くことが出来ず、バスに頼る事になる。ホテルから直接バスで行ってしまおうと遠回りだけど乗り換えなしで行けるバスを選ぶ。愛河を渡って戻る遠回りのバス路線だったが、それでも地下鉄二路線乗り継いでゆくよりは早い筈だ。

 ここの店では地下三階の食品売り場へ。日本の百貨店と同様にあちこちの専門店が出店している。その中からお土産用の菓子を物色して貰う。この百貨店、同じ食品のフロアに書店が出店しているのがちょっと日本にはないパターン。そして飲食店もいろいろ並ぶのだが、あの寿がきやが出店しているのは驚きだった。
 外に出るとさすがに日が沈んでいる。この後は完全なノープランなのでどうしようかと思いつつ、ひとまず先程バスで渡った愛河の畔を目指してみた。

 ライトアップされた教会を撮ろうとしたら、目の前に家族三人乗りのスクーターが停まる。こっちの方が被写体としては良いかも知れん。

 愛河にたどり着く。橋のたもとに日本風の居酒屋があって欧米人中心に賑わっている。クルーズ船の船着き場も近いらしいが、それはあまり食指が湧かない。愛河の橋の上でどうしようかなと悩んでいたら妻が行きたい店を捻り出してきたので、そこに行くことにする。
 グーグルマップで現在地と目的地。それでお勧めされたのはこんな乗り物であった。

 ミニバス。まるで香港で走っていそうなバスだが、高雄でもちらちら見かけてはいた。乗るのは初めてだ。大きなバスとおなじようにICカードをタッチすると運賃を引かれるピッというタッチ音が鳴る。このバスが免費だったのかどうかまでは良く分からない。

 ひとまず走り出す。結構荒い運転で飛ばしてゆく。目的地最寄りらしいバス停で降ろしてもらい後は少し歩く。
 人だかりが出来ている店があって、目的地と知れる。

 高雄阿婆仔冰というかき氷屋さん。この時間なのに人だかり、なのかこの時間だから人だかり、なのか良く分からないがとにかく混んでいる。その中で空席を見つけて注文。1つを2人で分け合う。

 フルーツが大盛りに盛られたかき氷。これだけいろいろ盛れば美味しいに決まっているけど誰でも真似出来る。でもここのかき氷、氷のきめ細かさが一つ鍵になっているのかも知れない。
 ひとまず美味しく頂いたからホテルに戻る。地下鉄に乗ってもよかったが、ホテルの方に向かうバスが居たから乗ってしまう。バス停に停まっているのに駆け乗ったのに、何故か何故だか10分近く動かずにいたのは閉口したけど、走り出せばホテルの近くまで運ばれる。
 一度荷物を仕舞いこむ。ついでに荷造りも少々。部屋の中が落ちついた所で夕食を考える。六合夜市が手っ取り早いが三日続けて同じ方向に行くのは芸がない。今日は最初から方向を変えてみた。
 21時近く高雄の街、案外と開いている店がなく、あっても火鍋だったり、焼き肉だったり、食指が湧かない。結局入ったのは鴨肉の店。もう店じまいなのか店の人の家族が賄いを食べているようなところに??入り込む事になる。丼がメインらしいのだが、ご飯が既にないらしい。そんな訳で


 鴨肉の汁無し麺に、鴨肉の照焼を単体で。肉は温かければもう少し美味しかったかもなぁと思いつつ。

 帰り道は結局、六合夜市の方に行ったけど何にもせずにコンビニに寄り道。雑貨屋にも寄ったけど結局見るだけでおしまい。
 ホテルに戻って再び荷造り。明日は帰国日となる。