実に良く寝た。目覚めてみると確か10時近く。昨日の昼間、京都から移動時間にがっつり寝たのに、更に出先の家でもびっくりするほど寝てしまった。
 週末の二日目。今日は名古屋市内に出る予定。朝食は昨日買った食材と冷凍庫の中のあり合わせで。身支度をするとあっという間に午前中が終わる。そろそろ出かけようかと思う。
 名古屋に出るなら名鉄が順当なのだが、今日はちょっと変わったルートを取ってみたくなる。向かったのは八草の駅。ここから名古屋市内へリニモに乗って向かってみる。
 愛知万博を契機に開業したリニモ。万博終了後は沿線に点在する大学の通勤の脚として活躍する見込みがうまくいかなくて、どうのこうのだの、桃花台の二の舞になるだのならないだの、色々耳には入ってくる。自分も普段乗る機会は無く、開業初年に乗って以来のご無沙汰である。
 リニモのホームに上がるとすでに電車が入っている。10分毎の運転である。このあたりの鉄道、名鉄が15分毎、愛環が20分毎だから結構頑張っている方である。

 一番後ろの席に並んで座る。前回は万博期間中であり、混雑した中での乗車でゆっくりと観察できる状況では無かったから、今日は貴重な機会である。
 車内は空席が目立つ程度の乗車。八草の駅は大学の最寄り駅なのだが、今は日曜日の昼下がり。学生らしいグループはいることはいるが、閑古鳥が啼いている、と断言していい状況。
 発車時間が来る。ドアが閉まるとふわりと浮き上がる感触。そして結構な加速度で速度を上げてゆく。何か引っ張られるような感じだ。

 走るのは山の中。正確に言えば愛知万博の会場跡なのだろうが、環境保全が理念の万博だったから、その跡地は森に復元することになっていた筈。確かにそれでは客は付かない。
 長久手市内に入ると住宅地となる。多少乗ってくる人が増えたかなぁというぐらいで、席が全部埋まるところまでは行かない。沿線に見えるスーパーには身の丈に合わないような大きな駐車場が併設されているのが見える。
 ずっと高架を走ってきた電車が地下に入ると終点の藤が丘。空港からのリムジンバスも発着する名古屋市内の拠点である。ドアの開く前に沈み込む感触があるかと思ったけど、分からなかった。
 ここから先は名古屋市交通局のお世話になる。土日は600円で一日乗車券が買えるから使うことにする。地下鉄に3回乗れば元が取れるが、まぁ大丈夫だろう。


 東山線名城線を乗り継いで目的地に向かう。4分毎の東山線は待たずに乗れるが、10分毎の名城線は少々待たされ感を覚える。もう少し走ってくれても良いと思うが、名城線の電車はさほどの混雑ではなく、やはりクルマ社会なんだろうなぁと思う。
 八事日赤の駅で降りる。ここから歩いて少々のところが今日の目的地。外に出て一本裏道に入ると、起伏の激しい住宅街。ひとつ山を越えたような感じになってまもなく、目的地に到着する。

 喫茶マウンテン。ここの食事がとんでもないのだそうだ。駐車場は満車。店の外にも行列が出来ていて、その行列に並ぶことになる。
 お客さんはカップルや家族連れが意外と多い。その家族連れが店員にこんな事を聞いていた
「カキ氷はどのぐらいの量ですか」
「めっちゃ多いです」
 そんな店でもある。どこかのテーブルに運ばれてゆくかき氷、確かにサラダボールよりも大きいかも知れない。

 味の想像が付かないような、そんなメニューを眺めることしばし、順番が回ってきて席に案内される。
 妻は喫茶マウンテンの定番、甘口抹茶小倉スパを、自分はピラフの欄からスパイス合衆国をいうメニューを注文する。それに各々飲み物を。

 まずはアイスコーヒーがやってくる。名古屋の喫茶店だから、コーヒーにはおまけも付く。
 そしてこちらが名物、

 甘口抹茶小倉スパ。抹茶が練りこまれた麺を彩る生クリームやら小倉餡やら。一口二口頂いてみたが、そのぐらいを食べる分には、字面で見るよりは美味しく頂ける。

 こちらが自分のオーダー、スパイス合衆国。自由軒のカレーみたいだ。一口含んでみると、後から厳しくなりそうな棘が見え隠れするカレー。もちろん普通に食べられる。
 スパイス合衆国は完食。甘口抹茶小倉スパを食べる妻は、時々こちらのスパイス合衆国に手を出しつつ、完食。味が単調で、飽きてくるから、変化をつけるためにカレーが必要なのだそうだ。確かにこのスパだけを頂き続けるはちょっと辛い。
 両方、完食。喫茶マウンテンの常連さんの間では「登頂成功」となるそうだ。隣のテーブルは二口三口食べて「下山したい」何て言っている。
 さて、移動。今度は鶴舞線いりなかに出る。漢字で書くと杁中。

 バス停と地下鉄の駅名で表記が異なる。ちなみに交差点の名前も漢字で杁中だった。
 今度は大須に向かう。地下鉄で一本。大須は観音があるところで 

 確かに目立つのだけど、観音に用事があるわけではない。何となく商店街を見てみたかった。

 買い物するわけでもないけど、愛知に住んで1年少々。名古屋の街を全く知らないのもどうかと思うもので。
 意外と観光客風情の人が歩いている。街自体は外国人が喜びそうな土産物の店がちらほら。普段使いの洋服の店とか、有名な質屋とか。
 最後にコーヒーで時間調整。

 やっぱり名古屋。当たり前のようにコーヒーにおまけが付いた。
 妻は夕方の新幹線で横浜に戻る。18時の新幹線、指定席を取っているので名古屋の駅まで送る。地下鉄で移動。これで3回。600円の元は取れた。妻を送ると改めて地下鉄の駅へ。こちらの家に戻る。
 新幹線は1時間20分ほどで新横浜まで走るが、こちらの移動も同じぐらいの時間。帰宅すると19時半である。結構掛かる。ここから今日は夕食と明日以降の食事の準備。普段より早い立ち上がりだった分、多少の余裕を持って終了。
 また明日から一週間が始まる。