X Dayが来た

 朝までぐっすりだった。日曜日の午前9時。ひとまず世の中の状況をチェックする。電車の運転状況。停電の状況。南関東に関しては、まあ一応は平常に戻りつつある、と言っていいのだろうか。より震源に近い北関東はまだまだ大変な様子だ。ちょっと考えたけど、なにもなければ京王を撮りに行こうかとも考えている。地震当日のダイヤ改定後の様子も見てみたい。
 一発、余震というには震源がズレすぎているが、揺れきたが大したことは無かったので動く。南太田の駅。ふつうの営業しており電車も走っている。若干遅れ気味なのは先ほどの地震速報の影響かも知れない。

 67運用825編成で横浜へ。さらに遅れていた東横急行に間に合う。電車は空いている。世の中全般どこかに出かけようと言う気分になれないのだろうとは思う。今日はどこに行こうか。去就がどうなったものやらの6722Fが気になるから高幡不動直行も有りだろうが、南武線のダイヤが乱れている。武蔵小杉でだいぶ迷ったのだけど結局そのまま渋谷まで乗り通す。となると、ひとまず調布かなあ。

 京王線もダイヤは平常に戻っていて次は準特急の北野行き。すれ違う列車。追い越す列車に違和感。各停が10両なのだ。でもこれは今週からの日常か。7727Fなんてのが各停で使われていて、せっかく急行系メインになったのに数ヶ月で元の各停運用かと妙な同情をする。
 調布。人が多い。何かあるなあと思う。係員まで出てきてどうやらX Dayらしい事を知る。前回とダイヤがだいぶ異なるがどうやらそういう事らしい。どんどん人が集まってきてそしてやってきたのは

 6722F。601Fを従えているあたりで行き先がそれと無く知れる。最後の送り込みだ。
 たくさん集まった人たちは6722Fだけ撮ると相線の各停で若葉台へと急ぐ。自分は何か、一緒に動こうと言う気分になれずその場に残る。そして

 やってきた601F+6722Fを調布で見送った。一枚この写真を撮った後、遠ざかる6000系6722Fをじっと見つめる。受験の下見で調布を訪れた朝。6000系の通勤快速に乗って降り立ったまさにこの場所から京王線地獄は始まったのだ。この場に立ちすくみ、直角に曲がってゆく電車を感嘆の思いで眺めたその日を思い出す。それから18年。調布も京王も自分もすっかり変わってしまった。そんなに経ったつもりはないのだが、いつの間にか往事は遠ざかっている。
 何人か写真を撮っていた人たちも次の快速で若葉台へと向かうと調布は日常に戻る。自分は、もうしばらく撮影したら自宅に帰ろうかと思う。あまり遅くまで外に出るのは、やはり控えた方が良いだろう。