JD1184 JA8568 MMB→HND

 本当に最後の最後にセキュリティチェックを受けて搭乗待合室に進む。団体客らしい人たちで待合室は溢れている。定刻なら日曜日の17時すぎに羽田着。観光して帰るにはちょうどよい時間だ。
 羽田からの便が遅れていたようで定刻15時30分発の羽田行きは10分遅れて15時40分発となる。30分ごろから搭乗開始。長蛇の列が出来上がった。
 キャンセル待ちだったけど出てきた座席は窓側だった。元々が前方でそれが後方になったからなのか、「申し訳ございません」と言われてしまったけど一向に構わない。同行している二人とは近いけどバラバラ。どこかなと思って見ると二列前。ジャンプシートの隣だ。うわぁ、特等席じゃん。あっちの方が良かったかも(笑)
 15:39、Doorclose。15:40、Pushbuck。隣に何時の間にかMD-87が来ている。JA8280。案内が入る。羽田までの飛行時間は1時間15分とのこと。上昇と下降時には揺れが予想されるとのこと。まぁこの天気だしねぇ。
 15:45、Taixing。滑走路に全日空機が滑り込む。何気に女満別のラッシュ時らしい。こちらは滑走路端へと向かう。心なしか少しスピードが出ているような。
 15:49、Takeoff、RWy36。空港が斜めになるとすぐに雲に突っ込む。雲はぶ厚い。中々切れない。そのうちに揺れだす。15:57、操縦席から案内が入った。釧路の東方30kmを高度10,500m、対地速度800km/hに向けて順調に飛行中とのこと。釧路の東方30kmというと機体右側には昨日今日と雨に濡れながらたどったちほく線が見えるに違いない。昨夜、陸別で聞いたエンジン音を思い出す。
 この後、4〜5分後に帯広上空を、三沢、仙台、土浦上空を経由して羽田へ向かうとの事。羽田到着は17時25分を予定しているそうだ。シートベルト着用サインは5分ほどで消えるとの事。
 16:05、ベルト着用サインが消灯する。外は一面の雲。赤みを帯びてきた斜光線がウィングレッドを照らしている。
 16:35、雲が切れてきた。だんだんと地上が見えてくる。リアス式海岸だ。三陸上空を飛行中の様子。何度か北海道路線にも乗っているけど三陸海岸を眺めたのは初めてだと思う。あと10分でベルト着用サインが点灯する予定です、と案内。16:40、ちょっと早いなぁと思う。今見えていた海岸線、本当に三陸海岸だったのかなぁとも考えるけど、他にリアス式海岸が続くところ、ちょっと思いつかない。
 気が付くと海岸線は緩やかな弧を描いている。さっきのが南三陸だとしたら今のは福島の海岸通りか宮城県南部。そのうちに原子力発電所のようなものが遠望出来るようになり福島の海岸通りである事が分かる。機体は阿武隈山地の上空かな。時刻は16:52。
 16:55、遥か前方に鹿島灘が見えてくる。大子上空か。地上はそろそろ夕暮れ時。街明かりが眩しいのは水戸の街らしい。大きな大きな霞ヶ浦を望む。東京に帰ってきたなぁと言う気分になってくる。17:06、ベルト着用サイン点灯。左旋回を始めた辺りから少し揺れだした。左に傾くと地上が目の前に迫り、右に傾くと天空が青黒く広がる。少しずつ元に戻ってゆき、窓の外には東京湾の夕景、その向こうには富士山のシルエット。羽田着陸の最終態勢だ。ゴトンと動作音。Geardown、17:16。飛行機は高度をうんと下げる。大井のコンテナが一つ一つはっきりと分かる。
 17:18、Touchdown、RWy16L。着地と同時にリバース。うんと減速して誘導路へ。
 第一ターミナル側へと回り込む。すっかり夜の帳が降りた羽田空港。富士山のシルエットとほんのり赤く染まった西の空。ちょうどA300が飛び立ってゆく。藍色の空にJASのロゴが吸い込まれていった。
 Spotinは17:22。2番スポット。お乗り継ぎのお客様は〜と案内が入る。伊丹、小松、福岡、高松、熊本。結構多いなぁ。機材は18:30の出雲ゆきになる。