大きな駅に停まっている。浜松だ。隣には定期のながら。東京を10分遅く出た臨時のながらが先に行く。
時々目覚めたようだが20分停車と案内された熱田の記憶があって名古屋は覚えていない。しっかり意識を取り戻したのは、もうすぐ大垣と言う所。5:55、定刻に大垣着
朝の6時の大垣に用事のある人などほとんどいないから、ここまで来た人達は先を争って、乗り継ぎ列車に殺到する。接続は6時丁度の姫路ゆき。殆んどの人は京都、大阪まで行く筈で、ながらもせめて京都ゆきなら便利なのだろうが、長い伝統としがらみの故に、大垣レースは今日も続く。
大垣レースに加わらない自分は改札の外へ。いや、やっぱり大垣に用事は無いのだが。
今日も乗り直し扱いの未乗路線に乗りに来た。まずは桑名-大垣-揖斐を結ぶ近鉄養老線改め養老鉄道。一昨日乗ったひたちなか海浜鉄道と同じように、私鉄が自治体の出資を受けた第三セクター鉄道。
※ってちょっと気になって調べて見たら、近畿日本鉄道の100%出資なんですねぇ。間違って覚えてました。
朝の6時、JR大垣駅横に構えるこじんまりとしたターミナルが今日のスタート地点。土日は使えるフリー切符を買い求め、まず向かうは北側の終点、揖斐。
車両は近鉄時代そのまま
志摩スペイン村のステッカーもそのまま
電車は空いている。列車は大垣の市街を出ると遠くに石灰の鉱山を眺めつつ、住宅の混じる田園を行く。線路が貧弱なだけで景色は大垣から西へと延びる大幹線東海道と変わらない。
次第に山が迫って来て、まだ行けるよねって辺りでここまでですとばかりに線路が途切れる。終着、揖斐。
列車は5分で引き返す。今度は各駅毎にお客さんが乗って来る。高校生が多いが通勤客も意外と多い。沿線、それなりには人家もあるし、この状況が一時のもので終らなければ、養老鉄道、持ちこたえるかも知れない。
大垣まで戻る。次の桑名ゆきまでは間があるので駅前のロッテリア。前に養老線乗りに来た時も同じように時間を潰した事を思い出す。
改めて桑名ゆきに乗り込む。やはり人の流れと逆に向かう列車。空いている。その少ないお客さんも少しづつ降りて行く。
相変わらず人家の混じる田園を行く鉄路が突然高架に上がる。田園地帯を見下ろすようになる。恐らく道路との立体交差なのだろう。鉄道に廻す予算は無いけど、道路が絡むと幾らでも予算がつくようになっている訳で、やっぱり歪だよなあ。
高架のおかげで火の見櫓に気が付いた。
山が迫って来ると線名の由来となった養老。駅舎を鈴なりの瓢箪が飾る。
乗客はいよいよ居なくなり、線路はまるで山の中に迷いこんだように。この辺り、濃尾平野の本当のなれの果てなのだろう。
鬱蒼と繁る木々が消えると車内が明るくなる。駒野からは乗って来る人が。桑名へ向かう人の流れだ。椅子の端が埋まり、真ん中が、隙間が埋まる。立つ事を選ぶお客さんも出ると、終点桑名。
桑名のホーム、近鉄との間に柵が出来ていて中間改札もある。ここで改めて近鉄の切符を買い求め、急行と普通を乗り継ぎ、伊賀神戸へ。今度乗るのは近鉄伊賀線改め伊賀鉄道。養老鉄道と同じ理由で第三セクターに移管されたローカル線だ。
近鉄線の急行、気持ち良く飛ばすし、トイレまである立派な車両だけど、時々特急に抜かれる。特急にのれば多少は早く着くようだが、結局は伊賀神戸からの電車は変わらない。
伊勢中川からは普通列車。養老鉄道よりも空いている位で、大幹線と言えども特急抜きでは経営は立ち行かないだろうなあ。
山の中にある東青山で特急に抜かれる。特急が行き交う中を逃げるように走って伊賀神戸に到着。
今度の電車も近鉄のお古。昼下がり、客の少ない時間帯だけど、スタンプラリーのシートを持ったお客さんが目立つ。子連れも何組か居て賑やかだ。
線路が細いだけで大阪線沿線と景色は余り変わらない。田園が流れて、流れて。
上野市街、線路から見る街並みは言わば勝手口から眺める様なもの。それでも古びた街並みの壁輪は分かる。
列車は伊賀鉄道の中心、上野市へ。隣にはこんな人気者が
みんな珍しそうに写真を撮る。
改めてあと三駅。先程に比べるとうんと乗客が減る。終点伊賀上野はJR関西線連絡だが、近鉄線とJR線の差が如実に出ているに違いない。
関西本線伊賀上野駅。古びた駅に程なくやって来たのは重厚な雰囲気に似合わない軽量ディーゼルカーがやって来た。この先は関西線を辿って、奈良経由久宝寺。電車の接続良く運ばれる。
久宝寺からはこの春に開業したおおさか東線の踏破。JRの在来線で新規開業って何時以来だろう。
既存の貨物線に手を加える形で開業したおおさか東線。将来は新大阪まで延びるそうだけど今のところ、片町線の放出まで。その放出ゆき、待つ間も無くやって来る。
開業区間が中途半端だからか、お客さんはちらほら。一番前は、、、
あからさまに同乗者。
列車は複線電化の高架などという思いがけず立派な線路を走り出す。元々の貨物線をほとんどそっくり作り替えた、そんな印象。まったく別の路線。
JR俊徳道、JR河内永和、とJRをわざわざ冠する駅名が続く。大阪環状線の外周にあたるが故、必ず私鉄と交差する所があって、そこに連絡駅があるからだ。東京なら新俊徳道とかになる所だろうなと考える。既存の鉄道があるところでどうやって人を取り込むのかよく分からないけど、多少乗って来るお客さんもいて、車内、混まないまでも寂しくは無くなった。
今の所の終点、放出に到着。ここで今度は片町線に乗換、だけど時刻は13時半。さすがに空腹を感じる。片町線は幾らでもあるだろうからと下車。
商店街があったから入ってみたけど、お盆だからか、眠るように静か。
その中で営業していたお好み焼きやさんで、
お好み焼きとたこ焼きのセットを頂く。これで¥440は安い。個人的にはたこ焼きの方が好みの味。それとビールが欲しい…
改めて片町線の電車に乗る。やって来たのは東西線〜福知山線直通宝塚行き。この後は三ノ宮まで出るから、これまたちょうど良い。尼崎からはすぐに接続する快速。これが三ノ宮まで十分に逃げる。ここまで余りに接続が良すぎる。上出来。
今日最後に乗るのは摩耶ケーブル。確か震災後、復旧した時に六甲ケーブルと摩耶ケーブル。まとめて乗った。当時は株式会社摩耶ケーブルの運営だと思っていたけど、いつの間にか神戸市の公社の運営になっている。運営先の移管と乗った時期の関係が少々曖昧になっており、それならすっきるする為には乗っておこうかと、三ノ宮まで足を伸ばした。
ケーブル乗り場まではバスで動く。乗り場も時間も調べては来ていないけど、
現地に着てみるとすぐに乗り場が見つかる。ただしバスは出たばかり。次のバスまでは15分ほど時間がある。まぁここまで順調だったしこのぐらいは許容範囲。
改めてバス。新神戸駅に寄った後、山際の住宅地へと。空が曇ってきたのが少々気になる。夜になると雨だっけ。早いところ乗ってしまって今日のホテルに入りたいなと思う。バスは住宅街、とんでもない急坂を登ってケーブルの駅へ。
ケーブルの駅に到着。しかし、駅の中、妙な雰囲気。
雷で運転見合わせ。また、雷ですか〜。
係員は「雷雲が去ったら運転再開しますわ、何時なるかわからへんけど」と仰る。さて、どうしようか。遠くで雷鳴がしているし、乗るの諦めるか、大人しく待つか。
人気のしないケーブルカーを横目に考える。考える。いろいろな事がアタマをもたげる。この路線の経営移管と乗った時期、どうだったかなと。乗った記憶があるし、震災以後だ。しかし六甲のケーブルと記憶が混じっていて、どうもよく分からなくなって来る。当時は記録をとっていたのだけど、PCを飛ばして以来、その辺の記録が曖昧なのだ。
一時期、六甲ケーブルは運転していたけど摩耶ケーブルは震災の影響で運休していて、六甲ケーブルに乗ったのはその時期。摩耶はその後に別途乗りに来たのかな。それなら経営移管後で、今日乗らなくても問題ない。けど、本当に乗ったか?バスの通り道、この急坂には記憶があるけど。
都合よく乗らずに済む理由をいろいろ考えたのだけど堂々巡り。乗っていない感じもして来てだんだん冷や汗が出てくる。そんな時。
突然、大雨。これでは身動きが取れない。そういえば、7月末にも神戸は局地的大雨だった。こんな感じだったのだろうか。
駅舎もこんなになってしまった。とうとう
窓口のシャッターが閉まる。
バケツの底が抜けたような大雨はほんの一瞬。まもなく小振りになる。
ちょっと日が差してきた。どうやら峠は越えたようで、雷雲が断続的に来るのでなければ、運転再開かもしれない。
試運転しますと先ほどまで無人だったケーブルが係員一人だけを乗せて、上へ。ここまで駅についてから1時間強。
切符の販売も再開。だいぶ待ったけど16:30過ぎ。ケーブルに乗車。待った人が半分、諦めて帰った人が半分で、小さなケーブルの車内、座席がほぼ埋まる程度の混雑。ゴトゴト登りだす。途中すれ違った下りのケーブルにもお客さんがいて、上で降りれずに待たされていた人も居た事になる。上で待たされた人は心細かっただろうなぁ。
1時間待って乗車距離は0.9km。5分で山腹に到着。本来はここからロープーウェイに乗り継ぐ趣旨のルートなんだけど、ここで折り返し。
この廃墟、明らかに見覚えがある。間違いなくここには来ている。だとすると経営移管後の筈で、乗る必要、無かったかもなぁと思いつつも、すっきりしたので気分は良い。
すぐ折り返しのケーブルで下山。これも何気に混んでいて今度は座れない。結構な人数が山上に取り残されていたようで、割と早いうちに動き出して、まぁ良かった。
すぐ接続のバスで三ノ宮に戻り、さらに電車に乗り継ぐ。また快速だ。大阪には早く着くので乗ってしまうが、結構な混雑で座れない。尼崎で東西線の乗り換えると今度はがら空き。改めて大阪市内に戻る。本日は大阪泊。
妙に腹は減ったけど、何気にあまり食べる気力も無く、適当に流行っていそうな居酒屋で
適当な飲み食い。30分は居なかったと思う。さっさと部屋に戻る。
眺めはこんな感じ。
昼間のうちに書いておいた恥辱の下書き、写真。そいつらを弄っているとそこそこ今日の分、仕上がる。あと少しって所まできたけど、何となくベットに転がったら、疲れと酔いが混じり出して、速攻意識が。。。
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