急行能登で北陸へ

 能登の上野出発は23:33。長らく23:58上野発の言うのが続いていたからすっかり頭に刷り込まれていたのだけど、何時の間にか早くなっている。自宅でゆっくりしてから出かければ良いと思っていたけど最後はばたばた。
 上野駅
 写真:って訳で久しぶりの上野駅
 上野駅自体はこの間、国立科学博物館を訪れた際に利用しているけど、上野駅地上ホームから長距離列車に乗るのは本当に久しぶりだ。何時以来なのかぱっと出てこないぐらい。
 進学して上京した頃がちょうど急行津軽、急行八甲田の末期で485系津軽には本当にお世話になった。津軽と言えば自分が物心ついた頃は14系だったし、その前は12系+10系寝台車。20系の時もあったし最後は583系だったけど、自分が一番利用したほんの1年ちょっとだけ485系で運用されていた事がある。
 福島-山形のミニ新幹線工事の進捗で奥羽線経由から仙山線経由に変更された時は583系だったのだけど、輸送力の確保と言う名目で583系9両から485系9両に置き換えられたのが、確か92年ではなかったか。同じ9両でも583系の座席数60に対して485系なら72。その差が積もり積もってと言う事なのでしょう。輸送力列車なんて言葉、聞かなくなって久しいけど、あの頃が言葉が死に絶えようとした頃かもしれない。
 急行能登
 能登が入線してくる。あの頃の津軽と同じ国鉄色の特急型なのが少し嬉しい。でもさすがに車体、くたびれた感じで時の流れを感じさせる。
 自分にとって能登は中々縁の無い列車だ。実は乗るの、初めてだったりする。眺めた記憶もあまりない。93年の5月だったか、秋田→上野でおがに乗ったときに、大宮でたまたま見かけたけど、通路までぎっしり埋まっていて、定期の急行列車は混むなぁと思った記憶があるぐらいだ。
 急行能登
 今日の急行能登、普通車自由席でも4人向かい合わせにして座れるぐらいにがら空きなのだけど、今日はグリーン車を奮発してみた。国鉄時代のグリーン車にこの先どれだけ乗れるのか、早々機会がないと思うし。急行列車のグリーン車、なんて響きもいい。グリーン車も空いている。でも10人ぐらいか、思っていたよりはお客さんがいる。出発前だけど早速検札が廻ってくる。富山まで6時間ちょっと。さっさと寝てしまいたいし、嬉しいサービスではある。
 急行能登
 「眠るためには酒」と言う事で肘掛部分にある小さなテーブルを引き出してビールと日本酒を。あのテーブル、なんとなくグリーン車を象徴しているみたいで幼心に憧れの的だった。そんな事を思い出してみたりする。
 列車は定刻に発車、東北本線を大宮までは軽く流してゆく。赤羽通過。出発時刻が早くなって終電車ではなくなって以来停車駅が整理されている。飛ばさず停まらずで車内、落ち着いた空気。大宮を過ぎた辺りから記憶が曖昧になる。
 急行能登
 写真:車内減光。夜が更けてゆく。
 出かけたくないなぁと思っていた昼間が嘘のようだな、微かにそんなことを考えた。