JN3807 JA8766 YS-11 KOJ→OKE  

 バスで運ばれた先は11番搭乗口。沖永良部ゆきは12番搭乗口から間もなく搭乗開始。出来る事なら一旦外に出て、多少の荷物は預けてゆきたかったのだけど、まぁ仕方が無い。15分前の3965便で鹿児島に着いた友人と今日東京からやって来た友人にばったり。一言二言会話を交わすともう沖永良部行き、搭乗開始だ。
 搭乗口
 写真:搭乗開始 時刻は13:28
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 写真:最後に沖永良部を往復するのはJA8766
 バスでつれて行かれた先にはマスコミの放列。「遅れております、早くお乗り下さい」の声に背中を押されろくに写真を撮らないうちに機内へ。でもなかなか乗ってこないな、お客さん。13:41、ようやくDoorclose。プロペラが廻りだす。乗務員紹介、散々報道されているから実名出してもいいだろ、「機長は本村、副操縦士広瀬、客室乗務員は東村と仮屋」との事。沖永良部までは1時間35分のロングフライトとなる。
 気が付いたら飛行機、動き出している。地上係員に手を振られる。あちこちで写真を撮る人、テレビカメラの放列、手を振る人。手を振り返すなんて普段はやらないけど、今日は振り替えしてみた。結構大げさに。何時までも、何時までも、手を振り交わす。滑走路手前で離陸待ち。MD-90かな、が降りてくるのを見送り、滑走路へ。一瞬、間をおき、ダートが吼える。背中を押され、一気に加速。右手に見えるフェンス越し、沢山の人たちのカメラの放列を認める。浮かび上がる。少しずつ茶畑が遠くなってゆく。13:51、Takeoff、RWy34。
 空港北方で旋回、再び空港を横切り、鹿児島市内へと向かう航路。空港がやけに大きく見える。普段よりも明らかに高度が低い。MD-90が大きく見える。この時空港に居た知人談によるとやはり明らかに低空飛行で横切っていったとの事。写真を見せてもらったけどYS-11が命一杯に写っていた。
 13:57、姶良上空。少し霞んでくる。先ほど、鹿児島空港への着陸時は揺れたけど今度はたいした事無く順調なフライト。「あいにくと霞んでおりますが、機体左手に桜島をご覧いただけます」と案内されたのが13:59。鹿児島市内を眺めて薩摩半島を南下する。高度を上げるにつれて地上の識別が難しくなってきた。14:07、ベルト着用サインが消灯する。左手に開聞岳が見えているとの案内。
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 写真 薩摩半島が途切れる。離島へとひたすら洋上の旅が始まる 14:13
 狭い機内、先ほどのフライトもすごかったけど今度のフライトはさらに凄い。通路を前へ後ろへ。何しろ、テレビカメラがまず2台、フジテレビとMBC。普通の搭乗客も、まぁ落ち着いていない訳で、賑々しい事限りなし。
 アテンダントさんがルートマップを配布する。テレビカメラが付いて廻る。シャッターの放列。次はドリンク。今度はテレビカメラが前方に立ち塞がる。前のお客さんのところまで行けなくて立ち往生。こうしてみると一般客の所業など、可愛いものに思えてくる。
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 写真 取材班、搭乗客にインタビュー中 14:18
 小さな島が一つ見える。今日は右側の席。鹿児島からの離島線では左側の方がトカラ列島の島々が見えて楽しいのだか、最後の日に窓側席を取れたのだから贅沢は言えない。最も南に行くに従って霞みが出てきて島影は分からなくなってきている。 
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 写真 霞む中の洋上フライト 
 そろそろ機長さんからお言葉があるのではないかと思う。折角なのでコンパクトデジカメを録音モードにして待ってみた。数分後、14:40ごろから機長さんの案内。「ご搭乗の皆様、いつもJALグループの翼をご利用頂きまして、有難うございます。本日は、この、YS-イレブンのラストフライトにようこそお出で下さいました。」に始まる案内、と言うよりはYS-11の最期に臨んで、「YSイレブン」に携わったすべての皆様を代表してのご挨拶。
「その中でYSに乗らせていただいた時間が、約23年ですね、1万六千時間以上になっております。そんなことでえぇこのYSに対して思い出がありまして、走馬灯のように今わたくしの頭の中をめぐっております。この1例か2例を皆様方へのご挨拶代わりにお話したいと思いますが如何でございましょうか」
 機内、拍手。
奄美の西海上を巡航中です。あいにくと靄か掛かりまして、全域、この南西諸島の島々、薄ぼんやりと見えていると思いますけど、この状態が目的地まで続くかと思います。先ほどより、思い出が走馬灯のように巡っておりますけれども〜」
 結構機内の音、操縦席まで聞こえるものなのね。
「あと大変短い、わずかな時間ですけれども、30分ほどですね、残り少ない時間をどうぞ、このダートサウンドをしばらくお楽しみ頂きたいと思います。本日はラストフライト、3807便をご利用頂きまして有難うござました。引き続き、皆様方、どうかJALグループ、JAC、ご愛顧のほど、お願い申し上げます。」
 機内、再び拍手。
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 写真 アテンダントさんが搭乗証明書を配布。その様子をテレビクルーが撮影 15:08
 配っている間にベルト着用サインが点灯する。窓の外には雲が増えてきた。
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 写真 窓の外に雲が沸き立つ 15:15
 揺れ始める。雲が沸きたつ。雲の中へ。YS-11は揺れて、下へと持ってゆかれる。そんな状態がしばらく続く。
 間もなく沖永良部着陸と案内。15:20。島が見える。沖永良部だ。西海岸。あのフーチャが見える。そして左旋回。今度は東海岸へ。きっと左側の人に美しい海岸線を見せているのだろう。こちらの窓から青く輝く海が見える。YSにのって一気に夏へと逆戻りしたような気分。
 15:24、Touchdown、RWy04。スポットへと入る。