JN3587 JA8768 YS-11 FUK→KCZ

 この時間、YS-11は1機は徳島、1機は松山である。第一ターミナルの到着案内。それぞれ20分遅延予定と表示されている。出発も少々遅れるかな。取り合えず撮影のため、送迎デッキへ。思ったよりも人が居ないというべきか、平日なのに結構人が居ると言うべきか。テレビカメラも2社ほどいるなぁ。
 JA8768
 写真:松山からのYS-11最終便 JA8768
 到着機、JA8768。松山からの最終便。これがどうも高知行きになるらしい。降りてきたお客さんになにやら係員が渡している。これが最終便搭乗の記念品らしい。結構でかいな。何だろう。
 今日はこれから高知を往復する。本当の予定は鹿児島に飛んで宿泊だったのだけど、数日前になってまず福岡→高知が、昨日になって高知→福岡のキャンセル待ちが落ちてきた。さて行程をどうするか。しばらく悩んだけど、結局、高知往復を決済、鹿児島行きと鹿児島のホテルはキャンセル。そして福岡で宿探し。前日夜になってからだったので、フライトオプションの予約期限は過ぎているし、結構大変だったけど、何とか見つかった。
 高知行き、一応、定刻での出発と案内されている。じゃ、そろそろ搭乗口行きますか。搭乗口で松山組とばったり、うわぁ知っている顔居る居る。YS-11追っかけ同窓会みたいな様相。よく知っている友人は松山でキャンセル待ち掛けて乗ったそうな。チャレンジャーだな。先日の奄美、撮影のときにお世話になった方は松山〜高知の梯子。ちなみに先ほど配っていた記念品、JACオリジナルカレンダーだとか。
 16時過ぎ、ちょっと遅れて搭乗開始。撮影会の始まり始まり。大挙して出ている係員、もはや諦めているのか、一時期よりうるさく言わなくなったかも。あまり撮っても難なので、乗り込んでしまう。
 16:22、Doorclose。プロペラが廻りだす。「機長は●●、副操縦士●●、客室乗務員は●●と●●」って乗員全員の名前が紹介された。JACでは珍しいかも。高知までの飛行時間、1時間15分との事。16:26、Taixing。先ほどと同じくRWyは34。ダートサウンドを響かせながら、誘導路を延々延々Taixing。16:32、Takeoff、RWY34。空港ターミナルの上を緩々と健気に上昇して行く。鹿児島行きとなるJA8766の姿もちらっと見えた。博多湾上空で右へ旋回、さらに右へ旋回。内陸へと入ってゆく。
 16:40、ベルト着用サイン消灯。ちょうど直方が見えているところだ。飛行状況が案内される。高度3,400m、対地速度430km/hの水平飛行に向けて順調に飛行中との事。この先、岩国上空を17:03、松山上空を17:12に通過して高知到着は17:30を予定しているとの事。海岸線が見えてきて、滑走路。北九州、ではなくどうやら都築基地らしい。今日の飛行ルート、岩国をショートカットするような気がする。岩国って案内はあったけど。
 ドリンクサービスが始まる。特にメニューの案内は無かったけど「何がありますか?」と聞いたら「アイスコーヒー、冷たいお茶、オレンジ、リンゴ、ゆず」との事。段々と種類が増えてきているような、そんな気がするのは気のせい?右手に陸地が見えてきた。四国?とは思うけど、普段より南側のルートだし、或いは国東半島が見えているのかもしれない。
 キャンペーンの告知が入った「40年以上の長きに渡りまして皆様に愛されて来ましたYS-11型機も間もなくその役割を終えようとしております」明日のラストを踏まえた案内に変わった。「あと30分少々ではございますが、YS-11のフライトをお楽しみ下さい」なんて言葉は明らかに客層を踏まえた案内だな。頂いた搭乗証明書はノーマルバージョン。このタイプを頂けるのは何気にこれがラストフライト。
 17:10、松山に差し掛かる。岩国には気付かなかった。右手に座っているから岩国の街に気が付く事はないだろうが、それでも徳山から内陸に入るのは分かる筈。やっぱりショートカットだろう。「間もなくベルト着用サインが点灯致します」の案内が入る。絵葉書の配布があり、アテンダントさんが新聞を持って回り、17:16、ベルト着用サイン点灯。四国山地の上空、雲が湧き出てきた。
 仁淀川が大地をうねる。その先に見えるのは太平洋。高知が近づいてきた。あと10分で着陸と案内、高知の天気は高曇り、気温は26℃だとか。飛行機は太平洋へと歩み出てGeardownする。左へと旋回。旋回し続ける間に右手の窓にも四国の大地が見えてくる。揺れながら降りてゆく。海が間近に迫る。テトラポッド。大地が真下に現れて17:28、Touchdown、RWy32。
「40年以上、皆様に愛されてきましたYS-11型機も明日でその役割を終えます。」に始まるアナウンスを聞く。高知の空港がゆっくりと流れる。何か目頭が熱くなる。やっぱりYS-11好きだったんだと改めて思うとともに、こんな調子で明日を迎えたらどうなるのだろう、そんな事を思ってみる。