XM2844 JA202J GAJ→CTS

 JACやHACには乗ることがあってもJ-Airには乗った事が無い。不思議と縁が無かった。確かに普通に動く範囲にJ-Airは就航していないし、小型機ゆえバーゲンでは取りにくい。初めてのCRJ200、素直に楽しみである。
 時刻表上は後から来たCRJが5分ほど早く離陸する事になっている。実際に搭乗開始は千歳行きの方が早く始まる。ジェット機とは言え小型機には違いないので歩いての搭乗。結構混んでいる。何故か子供づれが多い。アテンダントさんは1人乗務の様子。
 乗った感じはDash8-400あたりと印象が似ている。椅子の感じ、カメラバックが入らない荷棚も。そりゃメーカが同じだし。
 何故かDoorcloseが若干遅れて12:11となる。エンジンの音が力強くなる。Taixingが始まる、12:13、隣のMD-87はPushbuckを終えたところだ。こちらが先行する。ところが滑走路手前で停止。動かなくなる。着陸機があるようだ。案内が入る、5分ほど待つ見込みとの事。誘導路の無い空港ゆえの苦しみだろうなぁ。結局、CRJ200がやって来て、こちらが動き出したのは12:24のこと。MD-87はPushbuckを終えた位置で待機していた。12:28、Takeoff RWy01。千歳までの所要時間は55分との事。
 羽田離陸時に比べると視界が良く地上は比較的良く見えた。それもつかの間、高度が上がったのか、雲が広がってきた。12:33、ベルト着用サインが消灯する。
 12:37、左手に山が見える。雲の合間から頭を出したその山頂には雪が残る。最初は月山かなと思った。手前には平野。月山だとすると新庄だよなぁと思うのだけどその先に広がる風景とどうも合わない。どうやら鳥海山と湯沢の街だったらしいと気が付いたのは広々とした平野を川が流れるその先に緩やかな弧を描く海岸線が見えた時の事。手前は仙北平野。その先に霞む秋田の街と男鹿半島。機体は奥羽山脈の上だな。という事はと構えていると12:41、青々とした湖が見えてくる、田沢湖だ。
 12:47、谷間に広がる田んぼが見える。恐らく花輪の辺りなのだろう。この先、十和田湖が見え、遠くに岩木山が霞み、八甲田山の残雪を眺め陸奥湾を望むと言うフライトが想定されるけど、無情にも曇ってくる。暫くは雲の上の飛行。残念だけど仕方ない。まぁ、気難しい鳥海山と文字通り神秘の湖という風情な田沢湖が見れただけ良しとしよう。
 13:05、ベルト着用サインが点灯する。雲の上でどこだかさっぱりだけど既に洋上、北海道が近づいているのだろう。揺れが予想されるとの事。眼下に広がる雲を見れば、まぁ覚悟しなきゃならないのかなって気にはなる。13:10、あと15分で着陸との事。出発が遅れた分、しっかり遅れている。千歳の天候は晴、気温は16℃とのこと。想像以上に冷えている。
 13:16、地上が見える。どこまでも続く畑地。北海道の大地だ。機体は左旋回を始めた。どうやら北側からのアプローチになるらしい。山形では予想が外れたけど、こちらでは間違いないだろう。機体は次第に高度を落としてゆく。追分の街が見える。もう間もなく着陸だ。13:21、Geardown。13:26、Touchdown、RWy19L。
 小型機ゆえ、大空港ではバス連絡となる。アテンダントさんは最後の乗客を送り出すと自らタラップを降りバスに向かって深々と一礼をしている。この挨拶、エアーセントラルでも見たけど気分的に良いもの。

 16℃の案内通り、えらい寒い。夜冷え込む事を想定して長袖を一枚持ってきたけど昼間から活躍する事になるとは思わなかった。空港でちょっと遅めの昼食を済ませた後に展望デッキに出てみる。空気が心地よいが寒い。風が吹く分、体感温度は下がる。そのせいかどうか知らないけどモチベーションも下がる。夕方まで撮ろうと思っていたけどとてもそんな感じでは無くなって15時半過ぎに退散した。さて22時までどうしよう。
 駅に降りる。ディーゼルカーに乗りたい気分がある。苫小牧から岩見沢廻ろうかな、でも切符が厄介だななんて考える。ところがちょうどおあつらえ向きな切符がある。

 南は長万部、様似に新得、美瑛や滝川、新十津川もフリーエリアに納めて\2,040。ホリデーパスみたいなものだろうけど、エリアでっかいなぁ。北海道はやっぱりスケールが違う。もう午後4時近いし、今から新得長万部に行こうとは思わないけど、極端な話し、札幌-千歳空港往復でも元が取れる訳だし。
 切符を買ってホームにすすむ。次の電車は小樽行き。苫小牧方面や石勝線とは接続が良くないらしい。じゃぁ、小樽まで行ってもいいか、とも思う。サッポロクラシックを飲み干すと眠気に襲われる。眼を瞑ると記憶が吹っ飛ぶ。札幌で乗客がたくさん降りてたくさん乗って来た事は微かに覚えている。次に眼を覚ましたら電車は石狩湾の海岸線を走っていた。
 小樽に着く。この先然別までゆく普通列車がすぐにあり、ディーゼルカーが1両、出発準備を整えているのだけど、結構席が埋まっているので乗る気が萎えてしまった。じゃぁ、小樽の街歩きをするか。はっきり言って行き当たりばったり。まぁ良いけど。
 小樽運河まで出る。シーズンオフの割りには観光客が目立つ。修学旅行なんてのも居る。北海道へ修学旅行で行ったの、もうだいぶ昔の話になってしまったなぁ。帰りは南小樽の駅を目指してみた。行って戻るだけだと芸もないし。ちょっと外れると閑散とした典型的な地方都市と言った様相。南小樽から再び快速電車。混んではいたけど座れた。札幌には18:40ごろの到着。
 今日の切符を用意する。ついでに18きっぷの常備券も所望。今日のはまなす、禁煙の普通車指定席は一杯だそうな。案外と混んでいるものだなぁ。煙草部屋ならあいているそうだけど敬遠、自由席にする事にして、急行券と乗車券を出してもらった。明日の動きを考えて弘前までの乗車券は\8,500、青森までの急行券は\1,260が半額で\630、それに特急券が\500。ノーマルで乗ると結構いい値段になる。
 これから乗るはまなすの出発時間までは約3時間。自由席になってしまったから1時間前にホームに立つとして2時間暇。まずはスープカレーなるものを食べてみたい。そう思って1週間ほど前に検索を掛けて最上位に出ていた店をチェックしておいた。でもいざ行こうとすると良く覚えていなかったりする。店名は忘れたが北大の方だったと思う。まぁどうにでもなるだろ、という事で歩き出す。どうせ暇だし。
 学生街らしく飲み屋やらラーメン屋やら古本屋やらは目に付く。でもカレー屋はないなぁ。だいぶ歩いてしまった。もう戻って駅の中で探そうかと思ったときにカレー屋発見。「リトルスプーン」って確かスタンドカレーじゃなかったっけ?もういいやとここでスープカレーを頂いた。チキン付で\780、他のメニューと比べるといい値段だ。味は比較するものがないから良く分からない。
 駅まで戻る。まだ時間があるので飲み屋で時間を潰して1時間弱前、ホームに上がる。隣のホームには室蘭ゆきのすずらんが入線している。はまなすはまだ。乗客はちらほら見えるけど自由席の乗車口には列は無く、ちょっと拍子抜けした。駅弁の立ち売りが頑張っているので敬意を表して1つお買い上げ。まりもが出発する23時まで頑張るのだそうな。
 21時40分ごろ、はまなすが入線して来た。ディーゼル機関車に続く寝台車座席車改造車混ぜ込んだ7両編成。ラインナップは次の通り。
 DD511102 スハネフ1451 オハネ2515 スハフ14597 オハ14512 オハ14507 オハ14508 スハフ14509
 自由席の禁煙車は3両目。電源用ディーゼルエンジン付、ノーマルシートのスハフである。駅構内にけたたましい騒音を撒き散らしており、こいつに一晩付き合うのは勘弁してくれと言ったところだけど、中に入ってみると案外と気にならない。一応、出来るだけディーゼルエンジンから遠い席を選んでおく。14系座席車オリジナルの簡易リクライニングシートも久しぶりだ。つい指定席の元グリーン車仕様と比べて、向こうが良かったと言いたくなるのだけど、10年以上前の急行津軽あたりで散々世話になったこのタイプのクルマに一晩付き合うのも悪くないと思い直す。