日田彦山線

 駅に戻る。日田彦山線田川後藤寺ゆきは既に入線している。キハ125の1両。まだだいぶ時間があり、客はちらほら。構内にはキハ125やキハ47が何両が待機している。キハ220の真っ赤なボディもおりこれは久留米ゆき。久留米ゆきが出てゆきしばらく経って田川後藤寺行きも出る。車内は空いたままだ。
 ビールの酔いと疲れが利いたのか、気がついたら眠っており、目を覚ますとどこかの駅に停まっていた。まだ眠気は覚めず再び眠る。次に目を覚ますと左隣りを特急が通過していった。どうやら夜明に停車中だったらしい。再び眠る。また起きると今度は日田側から普通列車が到着したところだった。この接続を受けて日田彦山線が発車する。なんというダイヤだ。朝来るときもそうだけど時刻表を見直す必要がありそうだ。後で時刻表を見ると、日田手前、発車後に長時間停車するのは午前中に見かけた1本と午後に乗った1本だけだった。なんという偶然……
 日田彦山線は隣り駅から福岡県に入る。まだ川の流れは列車の向かう方向が日田の方へと流れており、分水嶺はまだまだ先らしい。「筑後川水系○○川 福岡県」の看板が出ているので筑後川の支流と知れる。山深い集落を縫うように走る。そしてトンネルへ。結構長い。分水嶺のようだ。
 分水嶺を越えてまもなく筑豊炭田の跡地へと進む。昔々、支線を分けていた筈の添田豊前川崎。添田はこちらの線路が左へとそれて行くのが分岐の名残だったけど、豊前川崎はすっかり整地されていて、過去をしのぶものは何も残っていない。そしてこの列車の終点、田川後藤寺。今となっては無意味に広い構内に過去の栄光を残しているようだ。