JL101 JA8267 B767-300 HND→ITM

 そんな訳で今日はこれから伊丹に飛ぶ。木曜日に名古屋から横浜、土曜日に横浜から伊丹と言うのは妙な事だ。
 実はずいぶん前から7月7日には妻に愛知に来て貰う予定であった。そのときに、普通であれば新幹線に乗るところを、羽田から伊丹への飛行機を予約して決済していたところに、7月6日、横浜で業務報告の出張が入ってしまったのである。
 別に上役は嫌がらせで業務報告を設定したわけではなく、毎週自腹で帰宅する部下を、たまには社用で(つまりは会社のお金で)帰宅させてあげようと、金曜日の業務報告を設定してくれた訳だが、実際にはさて、と思ってしまったのである。
 飛行機はキャンセルすれば高く付くし、どうしたものかと思ったのだが、一計を案じてみた。自分も同じ飛行機を予約したのである。一緒に伊丹に飛んで予定通り愛知入りすれば良い。上役の好意は無駄になるが、仕方がない。
 そんな訳で早起きして6時前の羽田空港に着いた。伊丹行きの初便、JL101は6:20の出発。長らく6:30だったのだが、何時から10分早くなったのだろう。新幹線が早くなって、8時過ぎには新大阪に着いてしまうから、少しでも早く伊丹へ、という趣旨なのかは分からない。
 搭乗手続き。初便は空いているのが常だけど、今日の101便はほぼ満席だそうだ。安売りをするのが常の101便なのだが、安ければ早起きを厭わない人を集めているのか。LCCの成田始発便は集客に苦労しているような話も聞こえるけど、同じ時間の羽田なら十分集客出来るって事なのかも知れない。
 保安検査を受けると6時ちょっと前、もう搭乗が始まる頃だが一応はラウンジに寄ってみる。昨日の今日でビールを飲もうという気にはなれないけど、儀式みたいなものだ。

 冷蔵庫にオロナミンCなんて飲み物があって、試しに手を出してみる。ラウンジならウィスキーがあるからウィスキーのオロナミンC割りなんてゲテモノを作れてしまうがさすがにやめておく。喉を潤してから、搭乗口へ。

 満席近い飛行機だが、既に搭乗が始まっていて行列は消えている。待っていたJA8267に乗り込む。今日は普通席にしている。

 クラスJのエリアを抜けるとびっくり、赤だの青だの、時代がかった座席が並んでいる。レジを見たときに気が付くべきだったが、今日の飛行機、とんでもない経年機だった。MD-90が追われる世の中なのに、昭和の時代のB767B767という理由だけで居座り続ける事は納得行かない気がする。

 灰皿がある時代の飛行機だからなぁ。
朝あまりにも早いだったけど、ほぼ定刻に乗客全員が搭乗完了。6:19、Door Clsoe。伊丹までの飛行時間は45分とのこと。上昇中、下降中、揺れが予想されるとのことだが、外の天気からすると納得せざるを得ない。6:22、Pushbuck。
 6:27、Taixing。D滑走路へと向かう。長々とTaxingしてゆき、滑走路端へ。6:36、Take off、RWy5。割と順調に上昇してゆく。雲の掛かる関東平野、その向こうに富士山が顔をのぞかせいている。
 一発揺れがくる。窓の外に江ノ島が見えてくる。まもなくベルト着用サイン消灯。6:42のこと。出発が10分早まった以上に早いタイミングでことが進んでいる。伊丹着陸、7:20と案内された。

 富士山は見えていたが、だんだん雲が広がってくる。少々の揺れを伴いながら西へ向かう。6:51、機長さんから飛行状況の案内。高度7,900m、対地速度780km/hにて飛行中。降下時に揺れが予想されため、10分ほどでベルト着用サインが点灯するそうだ。

 ドリンクサービスが回ってくる。アイスコーヒーがあるというので頂く。テーブルで先週の恥辱をまとめていたらアイスコーヒーなのに蓋とストローをつけてくれる。
 7時を過ぎると降下を開始する。外はまったく見えないし、場所も把握していないが、

 外を見るとスポイラーが立っている。徐々に降りてゆく感触。7:07、ベルト着用サイン点灯。15分で着陸だそうで電子機器の使用も不許可となる。
 外は真っ白、雲の中。降下するにつれて揺れが始まる。B767だから決して小さな飛行機ではないが、大きく揺さぶられる。一瞬下に落ち込むような、大空に弄ばれる感じで降りてゆく。大きな揺れ、一瞬の落ち込みを繰り返しながら、徐々に降下。
 7:22、Geardown。外を見ると大阪市内が見えている。もうまもなく伊丹空港。だんだんと街が大きく狭くなってゆく。揺れも落ち着いてきた頃、伊丹の空港が現れる。 7:25、Landing、RWy34R、7:29、Spot in SP 15。

 伊丹到着。今日はこれから京都に行く。二人で伊丹に飛ぶことを決めた時点で、まっすぐ名古屋に向かう理由はなくなったので、少し関西を歩いてから移動しようかと思い、自分から京都観光をリクエストしてみた。京都への移動はリムジンバスが一番手っとり早いが、ひとまずモノレールで蛍池へ。後は阪急で向かおうかと思う。

 そのモノレール。駅といい、車内といい、東京の人間が違和感を覚えるのは灯り。絶賛節電中の東京なら間違いなく蛍光灯は間引かれる。名古屋も間引きはやっているけど、大阪モノレール、駅も車内も煌々と灯りがついている。今年は一番節電を頑張らなくてはいけない筈の大阪がこの程度か、正直思う。中部電力管内も電力融通のために節電を求められているが、大阪の現状を見ると、正直、バカらしくなった。

 蛍池から阪急。十三に出て京都線に乗り換える。こちらも節電を頑張っているようには見えないなぁ。


 座りたかったので、混んでる快速急行を嫌い、準急で河原町まで。淡路までは覚えていたがここから爆睡。大山崎で一度目が覚め、次は京都市内大宮だった。河原町に着いてみると9時半近い。さすがに遅かった。
 京都ではお互いのリクエストを交互にということになる。自分のリクエストは銀閣寺と清水寺。ベタなスポットばかりだが、自分は恥ずかしながら見たことがない。勿論修学旅行で京都には来ているのだが、自由行動でメジャーなスポットを避けて廻ったら、それっきり京都の寺社巡りなんて機会がなくて、銀閣寺と清水寺、全く持って見たことがない。

 まずは銀閣寺に行く。四条河原町からバスで銀閣寺へ。車内で一日乗車券を買うと500円。これであちこちに動くことなる。

 銀閣寺の入口から参道をお寺へ向かう。修学旅行生と外国人が目立つ。勿論、日本人のふつうの観光客もそれなりに。
 拝観料を払い、中に入るとまもなく

 出た〜と思う。教科書でお馴染みの書院造り。教科書そのままだったので逆に驚いた。

 こんな庭に美しさを感じるのは日本人だからなのか、ただ単に歳を取ったせいなのか。

 高台から改めて。こうして見ると良くできた別荘だよなぁと思う。ここはあくまで別荘なのだ。
 そんな訳でTheを付けたくなる日本の美。銀閣寺を堪能すると、次は妻のリクエスト。上賀茂神社へ向かう。
 手元には京都市交通局のバス専用、一日乗車券があるので、バスだけの経路検索をして見ると出町柳乗り換えと出る。そのお説に従い、バスで出町柳へ。

 鴨川ぞいのバス停で次に乗るバス、上賀茂神社行きを捕まえる。バスは京都市内、中心地を外れ住宅街を抜ける。何度か鴨川を渡り、だんだんと北側へ。出町柳から30分ほどで上賀茂寺社に到着。車内には観光客だけが残っていて、みんな神社に向かう。自分は知らない神社だけど、そんなに有名な神社だったか。


 神社はお寺と違い、拝観料は取らない。代わりに物販に力を入れている、訳ではないと思うが、ここのお守りには飛行安全というお守りがあって、妻はそれをお買い上げ。
 時刻はお昼を過ぎている。朝は食べていないからいい加減空腹で、適当な店で昼食にする。餃子の王将なんて別にドコにでもあるから、京都で入らなくてもいいのだが、でも考えてみると王将は京都が発祥の地だった。1号店ではないけど、まぁ良いか。

 次は自分のリクエスト、清水寺。また市バスを乗り継ぐ。堀川丸太町で乗り継ぎというルートが出た。バスは混んでいる。立客多数だ。今日4本目のバスだが、実に良く使われている。二条城近くの堀川丸太町でさらに乗り換え。今度は循環系統となる。これは確か昔の京都市電の系統にあたるのだろうか。こちらも少々立客が出るほどの混雑。

 清水寺口に着く。参道を登ってゆくと明らかに雰囲気が変わる。午前中の銀閣寺とは比較にならないほど多い観光客。多すぎる観光客ほど、辛いものはない。

 入口を目の前に嫌気の針が振り切れた。ここで引き返す事にする。空いている時に改めて伺おうかと思う。そんな時があるのかは知らないけれど。
 清水寺口のバス停に戻る。満ち溢れた日常感が心地よい。
 今度は妻のリクエスト。抹茶パフェの美味しい店だそうだ。場所は東福寺。詳細の下調べをしていなかったのだけど、改めて調べてみるとこのままとおりを下ってゆけばよいらしい。もちろん一日乗車券を持っているから

 バスでの移動となる。

 東海道線をまたぐあたりが目的地。バスを降りるとその目の前にお店がある。評判の店らしいのだが、場所があんまり良くないからか、店内、そんなに混んでいなかった。
 妻は評判という抹茶パフェを、自分は適当なパフェを頼んでみた。品名は京都のまったりパフェ、だったかな。

 どの辺が「まったり」なのか良く分からないけど、美味しくは頂ける。
 時刻は14時半過ぎ。そろそろ愛知に移動しようかと思う。幸い今いる場所は京都駅にも程近い、東海道線の線路端。

 湖西線の電車が走ってゆくのを眺めた後、京都駅へ向かうバスに乗る。バスに乗ったのはこれが7度目か。500円の一日乗車券を使いこなした感がある。

 昼下がりの京都駅。個人的には駅の看板に「京都」とだけ表記した、どこか突き放した感じを受けるこの表記は好みである。

 15:30の新快速に乗る。名古屋までは2時間少々で着くはずである。乗ってしまえばある程度の目星はつくようになる。大津を過ぎるあたりまでは覚えていたが、その後はがっつり爆睡。草津近江八幡も気づかずに、目覚めると彦根を出るところだった。タイミングよく目覚めることが出来た。
 米原に少々遅れての到着。ここから先の電車はすぐの発車。乗り換え客を待っているらしいのだが、あわてて乗り換える気になれず、1本落とす事にする。どうせ30分しか変わらないから、あんまり気にならない。
 久しぶりに米原でまとまった時間が取れる。7、8番線からは消えた井筒屋の駅そばスタンドが5,6番線には残っていたので試してみた。個人的には好みの駅そばなのだが、何か雰囲気が変わったような、違和感を覚える。

 とろろ昆布のそばを頂いたが、どうも昔の井筒屋の駅そばじゃない気がする。営業許可の案内には屋号は井筒屋とあるが、業者名にはJR西日本なんとか見たいな名前が書いていたから、昔の井筒屋と業態が変わったのかなぁと思う。本当にそうなら、正直残念だ。
 30分落としたから乗り換えは楽。

 今度は豊橋行きの新快速。普段から見慣れた顔つきの313系に乗ることになる。
 30分前と同じように、大阪からの新快速が遅れて到着し、それを待っての出発となる。5分ほど遅れたようだ。三河と呼ばれるエリアで新快速を待っていると、何となく遅れ気味にやってくる事があるのだが、米原での接続待ち、なんて事情もあるのかも知れない。
 岐阜までは間違いなく起きていた。名古屋の記憶がまったくない。結構がっつり寝てしまったようで、京都からの新快速といい、普段と様相がだいぶ違う。
 愛知に出先の家には暗くなってからの到着。帰宅してから買い物をしたりすると結構な時間となる。普段の土曜日、横浜にいる週末と同じようなテレビを見ている間に日付が変わる。木金とそれなりの負荷で来て、土曜日は早朝から。さすがに疲れが溜まっていたようだ。最後はバタンと寝てしまった。