11月22日、朝7時である。こちらは週の初め、月曜日の早朝。昨日は早寝だったホノルルの街は今朝は早起きなのか、交通の結節点、アラモアナの道はこの時間からクルマが行きかっている。
 昨日の起床時間が8時であったことを思えば十分早起きであり、もっと言うと日本時間はまだ23日の午前2時、丑三つ時なのだが、今日は本当は6時に起きるつもりでいたから1時間寝坊である。飛行機がお昼なので空港に向かうバスの予約は9時。チェックアウトを済ませる前の朝食としてパンケーキを食べたいなんて話しがあったから、それを考えると6時起床なのである。ファーストでないレストランは注文までに時間がかかり、会計にもまた時間が掛かる。レストランでの一時間は過ぎに経ってしまう。
 7時に起きてたとえ7時半にレストランに着けたとしても9時までにホテルに戻ってチェックアウトをするのは難しいだろうと言うことは自分の少ないアメリカ体験でも容易に想像が出来る。だから支度を済ませた後の朝食はファーストフード、と言う選択肢しかない。幸い、アラモアナのショッピングセンターにはファーストフードの征服王とも言うべきマクドナルドがある。
 店内は混んでいた。老人の姿が目立つ。不思議な気がするが、この時間帯にゆっくりご飯を食べることが出来るのは老人ぐらいしかいないと言うことなのだろうか。そう言えば香港の飲茶も老人の姿が目立つし、名古屋での喫茶店モーニングでも老人が集まって嬉々としてサンドイッチの食べ放題をつまんでいた。
 マクドナルドのアルバイトと思しき店員でも片言の日本語を話せたりする
「のみもの?」
「Diet coke please」
「ここで?」
「Yes」
 妙なやり取りだが取引が成立するのだから、良い。「ソウルでもハワイでも日本語が通じるから良かった」と台湾人老夫婦が旅先を振り返る、なんてブラックジョークを思い出した。
 頼んだのは

 「Special local food」と言う名のセット。スクランブルエッグ、スパムに白いご飯というセットだ。ご飯が出てくるマクドナルドって。韓国でも香港でもご飯もののメニューは無かった。日本では、20年ぐらい前に「マックのカレー」なんて山田邦子がCMしていたと思うけど、そんなのは昔の話だ。
 調味料として塩胡椒、トマトケチャップのほかに醤油があるから驚く。アロハ醤油since1946。地場産の醤油なのである。
 食べている途中で「どう美味しい?」と店員に聞かれるか聞かれないかでチップの要不要が判別付くことが二度目のハワイで分かったのだけど、勿論マクドナルドでは食べている途中に美味しい?なんて聞かれる事は無く、テーブルチェックをしてもらうべくテーブルの担当者が来るのをひたすら来るのを待つ事も無く、食べてしまえばさっと店を出る事が出来る。日本だとこのありがたさが薄いのだけど、アメリカに来るとその嬉しさが良く分かる。ホテルに戻るまでほぼ30分強。チェックアウトまで最後の片付けと荷造りに精を出すことになる。

 海がすっかり明るくなった午前9時前、チェックアウト。空港へ向かうバスを待つ。行きに乗ったリムジンバスは往復でチケットを持っていて、空港行きの送迎、午前9時に来てもらう事になっている。オプションツアーのピックアップやら何やらがひっきりなしに出入りする中、

 時間より数分遅れて大型バンがやって来た。各ホテルでお客さんをピックアップして廻っているはずで、お客さんが約束の時間に現れるとも限らないことを考えれば、数分遅れならば優秀なほうだろう。
 ワイキキからアラモアナに廻ったようで、ここからは空港へと直行する。どこかの車庫があるのかワイキキ方面へと大挙してトラムが向かうのとすれ違いながらの20分。ホノルル国際空港に到着。ハワイアン航空のターミナルに寄った後、他の航空会社のターミナルで下車となる。