ブリュッセル 二日目

 1時過ぎ、2時過ぎと目覚めて4時には目がパチリ。時差ボケ継続中。妻に「老人なんかが朝早く起きるのと一緒」と慰められて気を取り直し恥辱に取り組む。17日分をそれなりにまとめる事が出来る。後でロビーにいって上げようと気分が良くなる。

 相変わらず、朝の遅いブリュッセルの街。夜が明けるよりも先に朝食の時間が来る。昨日より少々遅かったからビジネスマンで混雑する時間帯となり。だいたいが欧州の人なのだろうか。アメリカの人もいるかも知れないけど見分けがつかない。後ろのテーブルっはどうやら中国人の様子。
 部屋に戻って再び恥辱。テレビ、NHKが入らないのでCNNを見ている。天気予報ぐらいは理解できる。そしてハイチの地震の扱いが大きい事も。
 夜が明けてくる。今日も薄暗い。気が滅入りそうなヨーロッパの冬は今日も続く。どう動こうかと話をする。雨が降りそうだから移動は電車。屋内で動ける所という事で、王立美術館を目指すことにした。出掛ける。霧雨ともつかない微妙な湿り気がある。
 Rogierの駅。近くの階段を降りていったらメトロのホームに直接出る。入口に自動券売機があって一日乗車券も購入可能。ただ券売機はコインだけしか使えない。有人の窓口はさらに下、こちら流儀で言うところのー2階にある。一度下に降りて切符を買ってから再びー1階のメトロホームへ。

 待つほど無く電車はやってくる。王立美術館へはメトロで一駅乗ってBotaniqueの駅でトラムへと乗り換えになる。エスカレータを辿って地上に出る。

 何のことはない泊まっているホテルが見えている。500mぐらいかな。歩いて十分な距離だった。
 
 ちょっと待って電車に乗る。最近流行のライトレールと言った雰囲気の低床車が来た。同じ線路をPCCカーと言った風情の在来車も走る。
 今度はブリュッセルの街、山の手と言った雰囲気の場所を走る。走るうちに見えてくるのは国会議事堂や王宮。5駅乗ってRoyale koningの停留所で下車する。安全帯がなくていきなり道路に降りるタイプの電停。すぐ真ん前に王立美術館がある。入場料は8ユーロ。

 小学校やら中学校。或いは高校生の団体が目立つ。課外授業らしい。今日は火曜日か。時刻は10時前。絵画の前で先生の話を聞いていたり、絵画の模写をしていたり。

 ムスリムの団体さんが、キリスト教の宗教画を熱心に。この街、今まで触れる機会が無かったけどムスリムの姿が意外なほど目立つ。
 展示品は15世紀の宗教画に始まり、最近のものまで。それが手を伸ばせば触れる所においてある。勿論触りはしないけど。フラッシュさえ焚かなければ写真も撮れる。三脚は使えないけど、高感度が普通に使える時代ですからねぇ。
 
 目の力強さにはっとするけど、

 このワインはいい加減だなぁ。。。


 時代を下るにつれて、絵画が宗教から解き放たれてゆく様子を眺めるのに駆け足でも2時間は掛かった。

 疲れて館内のカフェでちょっとした休憩を。ついついビールに手が出る。近くではお年寄りがワイン片手にランチを食べてた。
 次に向かうのはグランサブロン広場。王立美術館からさほどの距離では無いから歩いて向かう。

 ブリュッセルの街。相変わらず冴えない天気。そんなに離れていない塔がかすんで見える。
 少し歩くとまもなくグランサブロン広場。その、広場の周り、

 路上駐車のクルマと渋滞のクルマで埋め尽くされている。連接バスも容赦なく突っ込んでくるからもの凄い光景となる。
 そんな広場の中ほどにあるお菓子屋さん。喫茶コーナーでお菓子とコーヒー。折角二人で来ているのでワッフルとケーキを一つずつ頂いて少し分ける事にする。


 上品な甘さと柔らかさ。美食の都に相応しい。すっかり満足する。
 一旦ホテルに戻るべく、再びのトラム。

 先ほどの一つ手前、Congres Kongresの電停で降りて買い物。ホテルまでは電車に乗るまでも無いから歩いて引き返す。もう午後の2時。
 午後は買い物に付き合う。とりあえずグランプラスにゆく。歩いても十分な距離だけど一日乗車券もあるから今度はプレメトロに乗る。プレメトロ、地下を走るトラムというべきもの。今日2度目のロジェRogierの駅。-1階のメトロのホーム。-2階はコンコース。

 そして北方面に向かうトラムの始発駅。4線もあるからターミナルと言っても良い。下高井戸や三軒茶屋よりもうんと大きい。北鉄金沢を二倍にしたようなターミナルに地上でも見かけたトラムが出入りしている。
 ブリュッセルを南北に貫くプレメトロはさらにその下、-3階にホームがある。

 こちらにはちょっと長めの低床車が出入りする。低いホームから電車に乗り込むと動き出す。

 二駅目のBourseBeursで降りる。プレメトロ、乗り入れる電車がトラムなだけで駅の施設だけ見ていれば間違いなく地下鉄といって差し支えない雰囲気。
 ここから歩けばグランプラスはすぐ近く。さらにグランプラスからちょっと歩いた所にあるギャルリーサンチュベールをぶらぶら。
 アーケード街なのだけど作られたのが1847年だから、やはり雰囲気が重厚。

 しっかり明かり取りがあるのも良く出来ている。抜け出ると王立モネ劇場。昨日から似たような所をぐるぐるしている。そろそろ夕方。明り取り越しに見える空も薄暗くなってきた。

 夕食には中途半端な時間だけど、お昼帯にお菓子を食べたからちゃんとした食事を取っておらず、従ってお腹が減ってくる。夕食とするには中途半端な時間帯。そこでヌーヴ通り辺りであちこち見かけた

 ケバプの店に入ってみた。昨日からスカーフを巻いたムスリムの姿を良く見かける。同じEU圏内であるトルコ系の移民が多いのかも知れない。ロンドンでも多少見かけたけどブリュッセルに来てから本当、多く見かけるようになっている。

 ケバプは、牛のものと鳥のもの。羊だけかと思っていたら、そうではなかった。確か3.5ユーロ。日本円で考えると結構良い値段だけど、肉野菜ともにボリュームがあってこれだけで夕食になってしまいそうな勢い。
 まだ少し日が残っているからもうちょっとだけ見学。アンパック通りを越えて反対側にも、由緒ありそうな建物群。


 聖カトリーヌ教会。こちらは1887年の建築。
 この辺りはレストラン街だそうだけど午後5時ちょっと前の中途半端な時間帯。店が始まるのは概ね7時だから閑散としている。雰囲気だけを味わって一旦ホテルに戻る事にする。既にメトロで一駅来ており、Ste Catherine駅から5号線の電車で一駅、De Brouckere駅まで。さらにプレメトロに乗り換えると一駅でRogierの駅。既に帰宅ラッシュが始まっていて、電車は混雑していた。

 わずか二駅移動する間に日はとっぷりと落ちている。

 暗くなってから夕食を志す。今度もまずはグランプラスまで。ホテルの窓から見えた中心街の塔たちに明かりが点いているのが見て取れたから今日は遠出をしたくなった。ウィンドショッピングも兼ねているからプレメトロでは無く、ヌーヴ通りを歩いて向かう。6時過ぎであればまだ開いている店は開いているからあっちで立ち止まり、こちらでも立ち止まりと。
 グランプラスの広場が見えてくる頃、後ろから駆け寄る足音。一人の若者が妻の横を足早に掛けてゆく。スリに違いないが、一瞬ハンドバックをぎゅっと手繰り寄せ、身構えたとかで、スリは未遂に終わる。今まで何も無かったからって安心するのは早いようだ。そして、何も無くて良かったと安堵。

 グランプラス。王の家は灯りが灯って昼間とは違う美しさ。あまり見とれるのは危なっかしいなぁと思いつつもちらちら上を見上げる。
 さて店探し。一応夕食だけど、ちょっと前にケバプを食べたし、あまり重々しい必要はない。

 じゃあ、カフェか何かで軽くと決めて、王立モネ劇場の横にあったカフェに入ってみた。結構混んでいて皆さんビールを召し上がっている。勿論、食事も出してくれる。

 まずはビールで。つまみにはオリーブ漬けが出てくる。

 お代わりに頂いたのはトラピストビール。つまり修道院で作ったビール。非常に濃い。


 店の中が暗いものでこんな写真にしかならないけど、ムール貝のクリーム煮とクリームコロッケを。良い出汁が出ていてワイン煮よりも気に入る。コロッケは日本では味わった事の無い不思議な食感。
 劇場が開幕したからか店が閑散として来る中、ほぼ1時間。今度も会計は明朗で気持ちよくチップと共にお支払い。警戒は怠ってはいけないけど、概ね気持ちよく過ごす事が出来たように思う。

 もう数え切れないほど歩いたヌーヴ通りをホテルに引き返す。既に殆どの店は営業を終えている。開いているのはマクドナルドみたいなファーストフードの店が幾つかぐらい。ワッフルのお持ち帰りの店やケバブの店も閉じている。そして

 各店舗の前に出されたゴミゴミゴミ。

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