ソウルへ

 冬のソナタのロケ地で有名な春川だけど、ドラマ自体見てないし、観光案内も見当たらないので11:55発の列車で引き返す事にする。まずは切符。
 「チョンニャンニ、ハンジャ、ジュセヨ」清涼里1枚下さいと駅員に言うと「No seat、Standing OK?」と聞かれる。また立席か。まぁいいや。切符を出してもらう。4,300W。清涼里まで立ちっぱなしだと2時間だけど、恐らく混んでくるのは途中からだろう。
 待合室で列車の出発を待つ。テレビが置いてあって放送を流しているのは日本と一緒。ねるとんみたいな番組を流している。字幕はみんなハングルだけど、なぜか「女1」とか「男4」とか、そこだけ漢字。ちょっと不思議。
 再び列車へ。先ほどの列車と別の車両が出発準備中。また先頭に行き、機関士に一言断り写真を撮らせてもらう。
 1814列車
 ガラアキの客車に座る。誰も乗っておらずどこに座ろうか悩んでしまう。どこにしても何れは立たねばならず、少し億劫だ。適当な座席に座る。11:55、出発。さっき来た道を戻る事になる。検札が廻ってくる。立客が座っている場合だけ検札をするようだ。切符を見せると、「シェイシェイ」と言って去ってゆく。あ、中国人と間違いやがった。車内販売も廻ってくる。
 先ほど大量の観光客が下車して行った汀村で多少乗ってくる。まだ座席は空いている。列車の速度は相変わらず60〜70km/hでとろんとしてくる。暫くのまどろみ。
 確か加平の駅に入る時だったか、たくさんの乗車客が見えて、もうダメだなと思い席を立つ。少し寝ている間に乗客が増えていて空席もあるけど通路に座り込んでいるお客さんも見える。デッキに立つ事にしよう。ステップには先客が居て外は見にくいけど仕方が無い。乗客が乗ると座席は満席、通路も一杯になった。大学生らしい部活動らしい集団が目立つ。合宿でもあったのか、試合に出かけるのか。とても賑やかだ。デッキやら通路に座り込んで談笑している。既視感のある光景。そうだ、大垣夜行だ。10年以上前に臨時大垣夜行に座れず豊橋までデッキに立っていった事があったけど、あの時の165系だ。座席と立席の差から言うとムーンライトながらだけどね。こんな状態でも車内販売のワゴンが突っ込んでくる。商売熱心と言うか、何と言うか。
 時計は13時20分を過ぎている。清涼里到着が13:55だからあと30分か。八王子から新宿まで立ってゆくようなものだなと言い聞かせながら最後のコース。流石に空腹を感じる。外は良く分からないけど城北に着いて初めてまとまった降車客が出る。列車は最後の区間へ。地下鉄の電車とすれ違うようになる。次第に速度を落としてそろりと駅に入る。車内がざわめき出す。ドアが開く。ん?清涼里か。デッキにいたせいか案内放送が聞こえず分からない。時刻は13:48。少し早着気味。ホームの降りてみると確かに朝出発した清涼里の駅。