ムーンライトの紡ぐ夜

 停車の軽い衝撃で目覚める。車内が薄暗い。徳山だ。何時の間にか寝てしまったらしい。そのまま寝続ければ良かったのだけど、何となく寝付けなくなる。ズルズルとどこまで行ったのだろう。広島は覚えていないけど、後ろのほうで3時ぐらいにケータイのアラームが鳴り出して記憶がはっきりとなる。その後も20分ぐらい毎に鳴って眠りたい自分を苛立たせる事になる。
 次に目覚めると神戸だった。既に照明は元に戻っていて、朝の訪れを告げている。朝方にアラームを鳴らしていた後ろの人は居なくなっている。岡山辺りで降りたのだろうか。なおもウトウトしていると隣の線路を走る221系と絡みだしたりする。
 まだ暗い大阪に到着する。半分ぐらいの人が降りてゆく。今日はこれから伊丹にゆくのだけどどうしようか。普段なら阪急に乗って蛍池だろうけど、今日は手元の18きっぷを生かして福知山線の伊丹に行こうかと思う。福知山線の電車、6:35だけど、目の前に西明石行きが停車中。取り敢えず乗ってしまう。尼崎で先発電車に乗れるかもしれない。結局、尼崎では大阪で待ってたのと同じ電車になりましたが。やって来たのは205系207系と言う先入観があったから思いっきり戸惑う。
 福知山線の電車は尼崎を出るとカーブをそろそろと歩みだす。何か自分の知っているJR西日本と違う見たいだなぁなんて思う。まるで腫れ物に触るかの如くだなぁなんて印象は不謹慎かもしれない。さすがに見覚えのあるマンションとそれに続いて献花台のテントが見えた時には心の中で手を合わせてしまう。塚口に止まり、動き出すと今度は急加速。ぐんぐんスピードが伸びてゆく。これが自分の知っているJR西日本だよなぁ。あんまり変わってないって事かぁ。
 伊丹で下車、ここからバスで空港に向かう。案外とバスは混んでて、しかもみんな空港までの客。所要25分と言う案内だったけど道が空いていたからなのか20分ほどで見慣れた伊丹空港に到着。
 伊丹空港は混んでいる。「8:30まで出発のお客様は8:00までにゲートにお並びください」なんて掲示も。この時間帯の伊丹、何時も混んでいることは予備知識として知っているから早い目に着いた訳だけど、知らないでギリギリに着ちゃうと大変だわな。搭乗券を自動チェックイン機で出す。最後まで行って搭乗券を受け取った後になって「この便は条件付運航となります」なんて表示が出るから恐れ入る。予想しないわけでもなかったけど天候が良くないようだ。
 ゲートに並ぼうとすると「こちらが空いています」の声が聞こえた。声のした方に行くとかなり行列短め。お蔭様で殆ど並ばずにゲート追加。えらい混雑しているラウンジでPCの充電を兼ねて恥辱を綴り、ちょっと早い目に搭乗口へ向かう。