JL95 JA651J B767-300ER HND→GMP

 そろそろ搭乗の時刻。ラウンジを出て飛行機へと向かう。土曜日の夜から出かけるのはソウル金浦。20時前後は日韓合計4社の便が集中している。
 KEの行列を横目に114番搭乗口まで進む。そこはJLの金浦ゆき、95便の搭乗口。もうご案内が始まっているようだ。行列は短かくなっている。

 待っているのはJA651J。金浦線、松山線で何度かお世話になっている機材だ。

 その窓側席に納まる。ビジネスクラスはおおよそ満席のようだ。自分と同じくインボラの人も多いのかも知れない。
 時刻表上は19:45の出発。順調にお客さんが乗り込んで、19:39、Doorclse。19:44、Pushbcuk。ほぼ定刻に動き出す。19:48、Taixing。飛行機はどうやらC滑走路に向かうようだ。駐機場に停まる飛行機を横目に海沿いの滑走路へ。一旦停止。先行機を送り出した後、順番が回って来る。19:57、Take off RWy16R。
 東京湾をぐるりと回り込み飛行機は北側へと進路を取る。浦安の辺りで陸地へと歩み出る。更に左旋回

 某なんとかランドを眼下に見下ろし飛行機は再度左へ。今度は東京の都心を見下ろすフライトになる。東京タワーの尖塔が小さいながらも良く目立つ。スカイツリーはルートの真下なのだろうか、ちょっと良く分からない。黒々とした皇居を囲んで一面の光の海。所々黒々とした空間が広がるのは新宿御苑明治神宮だろうか。ひときわ明るいのは新宿と渋谷。
 飛行機は東京を西に。段々と灯りが疎らになって行き、そして丹沢の山塊で灯りが潰える。

 機内サービスが整いスタート。まずはおしぼり。シャワーを浴びてスッキリはしているけど、機内でおしぼりを出されると気分も改まる。そして飲み物を聞かれる。機内食がガバオライスがメインのタイ風という事でワインでもなさそうだし、日本酒でもないし、若干困って逆にお勧めはと聞き返してしまう。「やはりビールでしょうか」とのことでヱビスをお願いすると「10月から種類が一つになりまして」と申し訳なさそうに。う〜ん、とんでもなく残念だ。とはいえやはりビールが合いそうな機内食なのでビールにする。今日の銘柄は一番搾りとのこと。月替わりで銘柄が変わるのか否かまでは聞きそびれた。
 飛行機は西に向かっている。20:20、機長さんから飛行状況の案内。間もなく福井県の上空に差し掛かるところ。金浦空港の着陸は21:50、スポットへの到着は22:00になる見込みとのこと。ソウルの天候は晴れで気温は15℃だそうだ。
 ここまでは通り一遍の案内だが、更に案内は続く。「羽田金浦線では9月1日からエコノミークラスのお客様に温かいお食事を提供するようになりました」と食事の改善なんかに触れる。空弁やめちゃったのね。そしてこんなことを言う機長さんは非常に珍しい。

 待つこと15分程。その機内食が運ばれてくる。前菜にサテやシーフード巻き。サラダとスープはフォー入り。そしてメインはガバオライス。日本と韓国を結ぶフライトで90度以上向きが違うアジアンな機内食。このチャレンジは決して嫌いではない。そういえば前回1月に乗ったJL95もビジネスクラスでカツ丼だった。一種のチャンレンジ便なのだろうか、


 想像の斜め上を行く機内食だが、繰り返す。このチャレンジは嫌いではない。
 サテやガバオライスはまぁ食べられる。ガバオライスには唐辛子とナンプラーが欲しくなるけど、機内でナンプラーを使った迷惑な事この上無しだろう。フォー入りスープは若干食べにくいのがマイナス。アジアンかに玉はイマイチ。
 トレーを下げる時、客室乗務員が「お口に合いましたでしょうか」と聞いてくる。出したものに自信がない時の言葉だ。個人的には合わない事は無いけど、ラウンジで食べたばかりなので何とも。
 それより残念なのがお酒なので、

 アイスと一緒に赤ワインを頂く。本当ならベイリーズを頂きながらアイスを頂くという甘いもの×甘いものと言う方が好みだが、韓国線には搭載がないもので。赤ワインで代用。甘いもの×辛いものなのでだいぶ感じは違ってくる。
 韓国線は到着までが短い。イカ釣り漁船の灯りが眩い日本海、ワインを飲みつつ眺めていると21:10、あと40分で着陸の案内が流れる。入国の案内やら税関の案内がテレビモニタに流れ出すと、長かったフライトもおしまいという安堵感と気怠さに機内が包まれるものだが、金浦までの距離だと安堵も気怠さも何もない。
 イカ釣り漁船の灯りが潰えて朝鮮半島の街灯りがちらほらと。ちらほらがところどころ面になっている。大邱の街のようだ。飛行機は確実にソウルへと近づいて行く。
 21:38、ベルト着用サインが点灯する。15分後に着陸だそうだ。街灯りがいよいよ面となって遠くまで広がるようになる。高層マンションやら道路やら、何となく街の雰囲気が伝わって来るようになり、それは自己主張を増してゆく。道を行く車も分かるようになり、最後は暗闇に化ける。空港だ。21:53、Landing、RWy32R。飛行機は国際線ターミナルへ。
 22:01、Spot in SP35。一番端のスポットとなる。随分と冷遇だが、最近の流動を考えると仕方ないのかもしれない。虹橋での扱いよりはマシか。
 飛行機を降りて入国手続きへ。土曜日の夜22時にソウルに着く便。満席近いお客さんのほとんどは韓国人のようで、日本人はちらほらしかいない。入国手続きは空いていて早々に抜けられる。今日は荷物を預けていないので、そこでも待ち時間はゼロ。前回訪韓時のウォンがだいぶ残っているから両替も不要。

 飛行機を降りて8分で制限エリアの外に出る。むしろ地下鉄の駅の方が遠かった。ICカードのTマネーは持っているし、チャージもそこそこしてあったから、止められる要素は全くないのだが、

 空港鉄道の駅まで同じく8分。この8分はひたすら歩いていただけだ。
 今日は空港鉄道で孔徳に行く。列車を待っていると間もなくロングシートの電車がやって来る。仁川からの電車ではなく、途中の からの電車。そのためか座れる。
 空港鉄道は空港アクセスのための鉄道だが、地下鉄に比べれば駅の数が少なく、従って所要時間も短く、そのせいか空港の脚としてではなく、通勤の足としての需要を引き出したようだ。当初開業時には区間列車が大々的に設定されるようになっている。今日乗ったのもその区間列車。週末の夜、郊外から都心に向かう列車は空いていて、20分弱で孔徳まで運ばれる。ここで下車。

 地下深い空港鉄道から地上へのエスカレータ。ずいぶんと暗い空間である。電力事情が宜しくないのだろうか。
 改札を出たところで、今朝自宅で出かけるのを見送った妻と合流。今日は孔徳駅近くのホテルに泊まる。泊まるのだが、部屋に入ってしまうともう出かけるのが億劫になるので今日はその前にスーパーに寄る。買い物を少々してからホテルへ。もう23時を大きく過ぎている時間。

 試しに窓外の景色を撮ってみる。暗くて良く分からないまま撮ったのだが、新しいビルの背景は昔ながらの街並み、と言った所だろうか。良くあるソウルの景色ではある。
 疲れたので先程買い求めたビールを1本だけ飲むと今日は就寝。明日は久しぶりに本当の休日だ。