二日酔いどこか三日酔いの朝。割と早々に目が覚めた。喉が思いっ切り乾いている。この三日、明らかに飲み過ぎだよなぁと思いつつ起き出して、水を飲み干す。
 週末の朝の横浜だが、三月最後の週末である。4月からの事を考えると、今日明日と二日間、横浜でぼけっとしている訳にも行かない。今日のうちに三河に戻る事にしている。
 三日連続飲み会の自分に気を使ってくれて妻がおかゆの朝食を出してくれる。それを頂くと身支度少々。9時半過ぎには家を出る。地下鉄で横浜に着くと10時過ぎ。
 今日は百貨店の食品売り場で挨拶用の菓子を物色。あの人に、この人にと考えていると結構な数になる。キャリーバックを普段使っているものより一回り大きいものに差し替えてきたのだが、全く足りなかった。
 ひとまず買うものは買ったので三河へ移動する。川崎のコストコに行くという妻と別れて自分は東横線。荷物が大きいので特急を見送って各停にする。PCを出せるので少々恥辱を進めておく。
 各停を乗りとおして渋谷まで。完全に逆方向だ。さらに山手線で降りるのは代々木。今日はこのすぐ近く、新宿の高速バスターミナルから中央道経由で名古屋に行ってみる。一度試してみたかったのだ。
 東京駅のバスターミナルがきれいになった分、新宿のバスターミナルの仮住まいみたいな佇まいと、代々木駅の裏口から言う場末感が相まってどうも気分が上向かない。バス自体は何便も出るからお昼時のターミナル周辺部、食事のできる店はどこも混雑している。うっかりするとバスに乗り遅れそうな感じもしたので適当な店で適当に食事を済ませて、名古屋行きのバスを待つ。


 見慣れぬ赤色の車両がやってきてしかもJNRなんて出ていたから何事かと思ったら、JR関東バススペシャルマーキング車。国鉄による高速バス誕生50周年を記念した塗装で、高速バス進出に先立ち制作された試験車の塗装を再現したのだそうだ。本採用されたのは青系統のお馴染み塗装なので、この塗装で営業していたわけではないそうで。

 そんな車両が出て行った後、大ぶりな二階建て車両、JR東海バスの車両が入って来る。これが12:30に新宿を出る名古屋行き。実は始発は東京駅の八重洲口で30分弱で新宿到着、ここでまた乗車客扱いとなる。始発から乗らなかったのは、中央道といえば新宿という思い込みが一つ。もう一つは横浜-渋谷の回数券が余っていたから、だろうか。
 新宿で20人ぐらいが乗車する。大きな荷物を預けたり何だかんだを運転士一人でやっていたから結構乗車扱いに時間が掛かった。定刻12:30出発の所、5分遅れての出発となる。
 今日の座席は2階席の窓側。ぱっと見た限りではほぼ満席のように見える。どこか一か所ぐらいは空いているかも、ぐらいの埋まり具合。個人客が中心だが、二つ三つ前の並びは家族連れの様子。

 バスは甲州街道を通って初台から首都高へ。4号線は渋滞していてジリジリと遅れてゆくようだ。車窓は見慣れた京王線の景色だが、視点がずっと高い分だけとても新鮮な景色である。
 高井戸を過ぎると少しずつ流れるようになる。12:59、三鷹料金所のバス停に停車。乗車は無くすぐに発車となる。この辺り、京王線井の頭線の中間点で車窓には畑もちらっと見えていたりする。
 13:02、深大寺バス停、乗車ゼロ。発車するとまもなく調布パルコが見えて、よく見るとその手前には母校の姿。反対に視線を持ってゆくとちょうど調布飛行場から伊豆諸島に向かう新中央航空のドルニエが見える。このあたりの中央道、個人的な見どころが多い。一般的にはこの先の競馬場やビール工場。中央フリーウェイの世界が見どころなのだろうけど。

 その競馬場が見えて中央道府中BSに停車。ここも乗車ゼロ。ビール工場には気づかないままバスは府中の市街地をちょっと先に望みつつ西へ向かう。多摩川を渡ると住宅地にも余裕が見て取れるようになる。
 モノレールが見えて中央道日野BSに到着。3人ぐらいバス停に居たがこのバスの乗客ではなかった。ここで東京側の乗車扱いは完了。改めて乗車人数の確認が運転手によって行われる。13:15、出発。新宿から40分が経っている。さすがに新宿で乗り遅れた後に追いつくのは難しいかなぁという気がする。
 最初の休憩場所である談合坂までは30分程と案内があってバスは自分のペースで走って行く。途中、ツアーバスだけでなく高速路線バスにも抜かれる勢い。高尾が近づいてくる。山の嵐気も今日はどこか薄ぼんやりと霞んでいる。小仏トンネルを抜けた相模湖も薄ぼんやりとしたままだ。
 13:45、談合坂のサービスエリアに到着。首都高速の渋滞で10分延とのこと。10分休憩が告げられた。

 新宿からだと1時間10分だが、東京駅からの人は1時間50分経っているからこの辺りで体を動かしたい時間帯である。お昼が軽すぎたのでちょっと簡単につまめる物を買い求める。残り時間5分はバスの撮影で。2分前には席に戻る。
 乗車人員の確認が始まったが、まだ2席空いている。先程目立った家族連れだ。先に戻っている奥さんらしい人が電話を掛けているのが聞こえてくる。1人戻らないので待ちますと案内。まもなく遅れていた張本人がつゆ知らぬ顔で戻って来る。13:59、4分遅れて出発。次の休憩は諏訪湖サービスエリアと案内がある。
 
 バスは遅れを取り戻すでもなく自分のペースを守って淡々と走って行く。時速は、、、80?/hを切るぐらいですかねぇ。そしてちょくちょく他社の高速路線バスに抜かれる事を繰り返す。

 笹子トンネルを通り抜ける時は少々緊張したが、何かある訳もなく、当たり前のように通り抜ける。甲斐路に入るとエンジン音が変わる。先程の低速は速度を出さないのではなく、出せないのかなぁとちょっと思う事になる。大きくて重い二階建てバスは坂の多い中央道には不向きなのかも知れない。
 暖かそうな甲府盆地が過ぎてゆく。車内、居眠りをする人が目立つようになった。相変わらずのんびりと進む二階建てバス。夜行で乗る時の妙な揺れは今日は気にならないのが幸いではある。
 甲府盆地が尽きてくると緩やかな登りこう配。心持ち、速度が鈍る。

 右手の車窓には八ヶ岳の姿。まだ山頂は白いようだ。反対側には逆光の中、甲斐駒ヶ岳がやはり山頂を白くして佇んでいる。
 八ヶ岳が車窓後方に退いて行き、バスは山梨から長野に歩みを進める。この辺りが中央道の最高地点の筈。調べてみると標高1,000mを超える。東名高速の倍以上だ。その分、位置エネルギーが余計に発生しているんだなぁなんてつまらないことを考えているとバスは下り道に差し掛かる。

 車窓がまた晴れあがる。今日の天気、新宿は晴れていたが、その後は目まぐるしく変わる。明日は雨だそうで、基本的には西に行けば天候が悪化するのだろう。
 茅野の街が広がり、久しぶりに広々とした盆地に差し掛かる。速度が緩んで諏訪湖サービスエリア到着の案内。25分遅れだそうだ。理由の案内は無かった。JR東海バスは遵法走行だがダイヤは守らない風潮があるように思う。

 ここでも休憩は10分。諏訪湖の景色をゆっくり眺めている余裕はなく、お手洗い、諏訪湖撮影、そして

 ここでも車両の撮影。
 この間に運転士が交代する。人員点呼開始。今度は全員揃っている。15:49、出発。諏訪湖がちらちら見えてすぐに岡谷のジャンクション。バスが左へとカーブして伊那路へ進む。太陽が車窓左手から車窓右手に移る。逆V字に東京と名古屋を結ぶ中央道を通るが故に仕方のない事。後半は逆光に耐える事になる。

 中央アルプスから流れ出る谷。並行して走る飯田線は谷が狭ばるところまで迂回して越えてゆくけど、それより山寄を走る中央高速道は難なくまっすぐに進んでゆく。だから辰野から伊那市が近い。伊那市から駒ケ根も近い。飯田線の時間間隔より圧倒的に早いのはよく承知しているのだが、体感すると別次元であることが良く分かる。
 定刻なら18時半には名古屋駅なのであり、故に飯田はすぐ現れる事になる。車窓左手にちょっとした街、ビルが現れて飯田まで来たことを知る。諏訪湖の休憩から一時間も経たなかったのではないか。  
 中央高速は飯田を過ぎると飯田線から離れる。中央アルプスの山脈を貫いて木曾谷へと取りつこうとする。その手前、昼神温泉で初めて降車扱い。バスストップには16:54の到着だが降車客はゼロ。すぐに速度を回復すると間もなく恵那山トンネルへと入って行く。
 トンネルの途中で中央道馬篭バスストップの案内、そして三回目の休憩との案内がある。休憩所も馬篭と案内があったが、実際に停まったパーキングエリア、神坂パーキングエリアと表記がある。17:12到着。25分遅延だそうだ。

 パーキングエリアから出て1㎞歩くと木曽路の有名観光地、馬篭らしい。だから馬篭BSと案内しているのか。降りた客はいなかったけど。

 ここでも車両を撮っとく。その間に10分経過。人員点呼の後、17:22出発。次は中津川ICで降車扱いと案内があって初めて降車ボタンが押された。
 神坂という場所が良くわかっていなかったが、まもなく眼下に谷が広がり、市街地が見えるようになってくる。そこが中津川の街らしい。中津川は本線をそれて料金所の手前にある停留所へ。25分遅れた事がお詫びを添えられ伝えられる。何人降りたか良く分からなかったが、新宿の乗車でも中津川までの人が何人かいたから、7〜8人ぐらいは降りたかも知れない。
 降車に2分。再び高速道に戻る。次は瑞浪天徳と案内された。馴染みのない地名が出てきた。雲が厚くなり景色が薄暗くなる。中央西線ぞいを走っている筈なのだが、中央道を走っている分には全くどこなのか分からない状態になる。
 その瑞浪天徳のバスストップは17:55の到着。乗降ゼロで次は桃花台。外はほぼ暗くなる。山の中に街が混ざるような今までとは異質の、でもやっぱり田舎なエリアを走ると郊外の住宅地みたいなところが広がった。桃花台バスストップ18:18。ここでも乗降は無く瞬間停車のみで発車。間もなく桃花台新交通廃線と思しき高架が高速道路を跨いでゆく。
 バスはまもなく小牧のジャンクション。さらに名古屋高速へと入り込む。最終コースであるが本来なら名古屋駅到着18:25、その時間は過ぎてしまう。
 高速を降りると先日見たような景色が広がる。気が付くとテレビ塔が見えていて栄に到着である。時刻は18:43、31分遅れと案内。降車扱いがあって少々止まる。
 最後は下道を名古屋駅の新幹線口へ。途中、JRバスとすれ違う。どうやら名古屋18:30の東名高速バス、急行504便静岡行きのようだ。
 渋滞に巻き込まれて微妙に遅れる。新幹線側に廻る事も少々遅れる要素かも知れない。結局、名古屋駅に到着すると19時になったところ。

 一人一人に遅れて申し訳ございませんでしたと声をかける丁寧な運転士に送られて名古屋駅に降り立つ。今日はこの先、三河の出先に向かう。荷物も大きいし、一番確実なルートを選んで1時間ほど。着いてみると20時半過ぎ。普段の527Aより30分早いだけだったりする。
 引越しに備えて食材を減らす方向の冷蔵庫。殆ど何も残っていないのでひとまず外に食べに出る。出てみると雨がぽつりと。明日の予報が雨とは承知してたが、もう降り始めたかと傘を取りに戻る事になる。
 夕食はどうしようかと思ったが、結局、台湾ラーメンの店に。

 つもりはなかったがビールをつい一杯。

 それに台湾ラーメンを。ここのは辛くて美味しい。食べている間に汗が噴き出るのはこの辛さゆえ、仕方ない所。
帰宅して今晩はゆっくりする。明日は色々とバタバタしそうだ。