目覚ましの時間では若干うだうだ。それでも昨日よりはかなり早く起き出す。まだ外は暗い。身支度をしている間に夜が明けてくる。予報通りの良い天気だ。
 名鉄のフリー切符が使える週末の二日目、日曜日。今日は天気も良いし、昨日は諦めた中部空港での撮影をやろうかと考えている。日が廻るのは午前中だけだろうし、午後は手元の切符を生かして別の所に廻る。6時半過ぎに家を出る。名鉄の駅まではバスが基本だが、この時間、、バスは走っていないので歩いて。歩く間に夜が完全に明ける。昨日は日暮れと共に行動を打ち切ったが、今日は夜明けと共に行動開始となった。ちょっと気持ちがよい。
 名鉄中部国際空港まで。乗り継ぎ乗り継ぎで1時間半ほど掛かる。バスなら直通1時間。運賃は200円ぐらいの差でしかないので単純に空港に行くだけなら、名鉄の利用はあり得ない。空港に着いてみると8時半過ぎ。家を出てから2時間が経っている。
 よく晴れている空港。非常に嬉しいけど風が強くて寒い。凍えながら写真に取り組む。何時もと違うところを少々。

 フィリピン航空のマニラ行き。小型化されていてA320が顔を出している。PALのA320なんて見る機会無かったから新鮮だけど、客減っているんですかね。

大韓航空B777-200、こちらも小型化と言ったら小型化。スカイチームスペシャルマーキング。

 エアホンコンのA300。着陸してくるのはよく見るけど飛び立つ様子は初めて。

 きれいに撮れたのでキャセイも載せとく。
 強風ですっかり冷やされてしまう。最後はもうすぐフィンエアが飛んでくのは知っていても、ちょっと無理と中に引っ込む。もうすぐ12時という時間帯。お昼時だから混んではいたが

 味仙ラーメンで台湾ラーメンを。中からも暖めないと、これはだめだ。

 さて。午後は手元のフリー切符を生かして少々動き廻る。まずは中部国際空港から脱出。特急に乗って神宮前までゆく。知多半島の各線は知多半田までは仕事の都合で乗ったけど、その先は10年以上ご無沙汰。本来ならここを廻るべきだろうけど次回以降の課題にする。途中うとうとして気が着くと神宮前。まもなく13時という時間である。ここで名古屋本線に乗り換える。
 昨日が愛知の西側、尾張と美濃にまたがるエリアだったけど、今日は愛知の東側。三河のエリアにゆく。まぁ仕事で訪れている所も多いので、10年来ご無沙汰という路線はあまりないけど、行きたい所はそれなりにある。
 何となく急行の豊橋行きに乗る。乗ったけど後続が西尾線直通の吉良吉田ゆきだったから知立で乗り換え。今日はまず、西尾線に入り込む。

 豊橋行きの6両急行に比べると西尾線吉良吉田ゆきは4両だから見劣りする。でもそれなりに席は埋まっている。列車は新安城で本線を横断し西尾線ホームに到着。次は西尾線安城という名鉄独特の案内と共にドアが閉まる。90度近いカーブで本線と分かれると速度を上げる。
 西尾線は 碧海電気鉄道という会社が西尾速達を目的に敷設した路線。カーブが無く一直線で西尾を目指す。その高速指向は今も健在で、急行は気持ちよいほどよく飛ばす。程良く通過駅もあるので、支線に入ったことに気付かないかも知れない。
 碧海電鉄が敷設した当時には無かったであろう高架線も時折現れる。名鉄に乗っていると道路との立体交差を鉄道側を上に持ち上げる事で達するような所が時折ある。もちろん、高架にする時にわざわざカーブにする必要もないので一直線に飛ばす事には変わらない。
 大きな街が現れて西尾到着。高架から眺める街並みも殆どの人が降りてしまう車内の様子も、昨日の津島線津島駅とうり二つ。西尾はお茶の街だそうだ。この13年の間にそんな知識が付いていたりするのだが、駅前にお茶畑があるわけではないから、駅前を見ているだけではそんな気配は全く感じない。
 車内が空いて線路が曲がり、現れる駅一つ一つに停まるようになったから、急にローカル線の匂いがしだした。吉良吉田には13:56の到着。
 ここからはさらに先に延びる蒲郡線に乗る。13年前は三河線西尾線蒲郡線の3線が交わるジャンクションだった吉良吉田。この先、碧南への三河線を喪い、路線図上はだたの中間駅にしか見えない。実際の現地は西尾線は急カーブに設けられたホームに停まり、中間改札の先、元々三河線が使っていたホームに蒲郡線の電車が停まる。二つの線路は蒲郡側で初めて交わるというジャンクションの匂いがそのまま漂う駅になっていた。
 中間改札。昨日新可児でも見たが、ここ蒲郡線も出改札の合理化とワンマン化が進められている路線。廃止候補でもあるらしい。

 こちらは三河線、碧南へと延びていた線路の跡。

 蒲郡線の電車は30分毎。本線から直通する列車と接続を考慮しているようですぐに発車である。2両編成の電車に乗るのは10数人ぐらいか。まもなく発車となる。
 電車は海をちらっと眺め、みかん畑の脇を抜けて走る。心なしか日も明るく、暖かげな雰囲気の中をゆく。昨日と今日で天気が思い切り違うので、印象が左右されている所はあろうが、元々観光路線だった所だけの事はある。避寒に来ている気分になれそうだ。
 特筆すべきなのは乗車マナー。ワンマン運転で後乗り前降りになっている所は、えてして後ろのドアから降りてそしらぬふりをする人が目立つのだけど、蒲郡線のワンマンカーはしっかり前降りが遵守されている。これは本当に珍しいと思う。

 電車は蒲郡行きだが途中、こどもの国で降りる。横浜にも同一の駅名があるが、同じくここもこどもの国の最寄り駅。そして愛知県のこどもの国には、本物の蒸気機関車が走っている。
 昨日は明治村で明治7年製と言う蒸気機関車に乗ったが、愛知県のこどもの国を走る蒸気機関車は昭和49年製。蒸気機関車としては異例の新作である。軌間762mmの線路は園内を一周1km。それなりに距離があるが、ここも遊園地のアトラクション扱いなので法律上は鉄道ではない。とはいえ歴然として鉄道が、しかも蒸気鉄道が運営されている訳で、やはり気にはなっていた。
 さて、こどもの国。駅前の道案内には「こどもの国 0.3km」の案内がある。どこからか汽笛の音も聞こえてくる。道案内に従って歩き始めたのだが、これがとんでもない0.3km。確かにスケート場までは0.3kmだったかもしれない。「こども汽車」という案内のところまではひたすら歩き、坂道を登りという調子。

 街を見下ろす高台から更に山の上へ、上へ。
 そのうち

 次の蒲郡ゆきが走ってゆくのが見えた。

 ようやくこども汽車駅なる所に着く。思ったより立派な駅、というか遊園地のジェットコースター乗り場のような雰囲気。自動券売機で切符を買い求める。

 一乗車200円。昨日の明治村に比べると安い。

 ホームにあがると、う〜ん、写真が撮り辛い。というか撮れない。

 機関車、客車、共々福島の協三工業製というある意味レアな車なのだが、ゆっくり見れないまま発車時間が来る。

 客車に乗り込む。さすがにナローゲージ。狭いなぁ

 頑張って上まで登ってきた甲斐があって、眺めは実にすばらしい汽車の旅。ゆっくりと列車が走る。窓を開けている

 たまに煙が入ってくる。煙たくなるのは本物の証拠に違いない。

 山腹を切り開いた線路を右に左に曲がりながら10分弱。列車は元のこども汽車駅に戻る。降りるのは乗るときと別のホーム。

 愛知県のこどもの国には蒸機が2機いる。1機は記念撮影用とのことでホームに鎮座中。

 そして今日の牽引機。撮り辛いことには変わらない。
 20分毎の運転なので、次の出発はほど近い。発車をどこかで撮ってから、名鉄こどもの国駅に戻る事にする。


 逆光なので辛いが記録程度に。

 後に続く客車も他に類をみない、という点では貴重だ。
 帰りは下り坂。20分ほどで駅に戻れる。次の蒲郡ゆきまでは20分ほどの待ち時間。こども汽車の一周を見届けてからでも十分に間に合ったか。駅で待っていると汽笛が聞こえて山腹というかもう山頂に近い所を、汽車がゆっくり走って行くのが見える。
さて、蒲郡線の終点、蒲郡まで行ってしまおう。
 今日二度目のワンマンカー、2両の小さな電車を待って乗り込む。車内は空いているが蒲郡に近付くに連れて多少はお客さんを集める。そしてこの電車も降りるお客さんはきちんと一番前のドアから降りている。
 蒲郡に16時の到着。 

 日が傾き始め週末の終わりを告げている。そろそろ家に戻ることを考えなくてはならない。来た道を戻るか、JRで豊橋に抜けるか。何となく豊橋に行って最近売り出し中のカレーうどんを食べたい気分ではある。でも豊橋までJR線の別払いがバカらしく、来た道を戻る事にする。折り返しの電車は10分後。
 来た道を戻る電車に乗る。意外とお客さんが乗っている。席が軽く埋まる程度だから実数は50人ぐらいだろうが、今までよりは多い。各駅で乗り降りがそれなりにあって、地元の脚としてきちんと機能していることは思い知る30分となる。この光景は見ておいて良かったのだろうと思う。

 吉良吉田からは名古屋直通の電車があって、便利な区間。今度は準急とのことだが途中で寝てしまう。気がついたら名古屋本線に入っていた。列車も急行に化けている。そのまま電車を乗り継いで、最寄り駅へ。最寄り駅からはバスになるが、昨日と同じく20分待ち。結局家まで歩くことになる。
 帰宅すると18時。それから夕食の準備、そして明日以降の食事の支度も。普段より3時間早いからかなり色々と手を掛けられる。余裕をもって一日が終わる。