新宿発浜松行 その2

 アタマを押さえられつつ下北沢を過ぎ、複々線を快調に掛けるとまたアタマを抑えられ、若干ストレスを溜めるような走りを30分。町田に着くとたくさんのお客さんが降りていって空席が目立つようになった。さらに夕空の下を走ると本厚木。ここでさらにお客さんが減る。
 
 いつの間にか殆ど空席になってしまった。
 次はJR線松田という案内。本来はこの列車、松田から先、御殿場や裾野の人の乗るべき列車だと思うのだが、実際には本厚木辺りが終点となるロマンスカーと同じような使われ方をしている。
 暮れなずむ丹沢を眺め、腫れ物に触るかのような低速で小田急からJRへと入るとJR松田の駅。小田急線小田原方面への接続案内もあって少なかった乗客がさらに降りてゆく。ここからはあさぎりの本領の筈なのだが、自分の乗る5号車は、わずかに2つ3つ、アタマが見えているだけである。
 車掌の声が変わり、電車の走りも変わる。駅の手前で減速、、、、ん、新宿直後の走りと変わらないか。
 御殿場で何処に乗っていたのか、お客さんをさらりと降ろす。確か95年だったか、年末にあさぎり7号で御殿場まで来てしまった事がある。当時は大学生。赤い18きっぷの買出しで松田まで行く筈だったのだが、乗車前にバイト先の納会があって飲んで強かに酔っていて、寝込んで目覚めたら御殿場だったという話し。季節が違うから一概に比較出来ないけど、あの時は御殿場で下車大量だった。その気配で初めて目覚めたぐらいなのだから。
 御殿場からは自由席扱いもあってお隣6号車には10人ぐらい乗車があった様子。でも今乗っている号車は降りてゆく一方。裾野で見た目に乗車ゼロのようになった。良く見ると一人いたけど、ここまでがら空きで走っているとは正直思わなかった。
 行き違い電車が遅れたとかで沼津には若干遅れて到着、19:46。新宿から2時間。用務客の帰宅にちょうどいいダイヤの筈だけど、、どうしたものか。あと30分遅いほうが使いやすいかなぁ。そんな対処療法ではいかんともし難い状況にも見える今日のあさぎり。20年と言う時間を最後の最後に思い知らされる事になる。