深夜はピークトラム貸切

 ホテルへは戻らず。今度は
 
 フェリーで香港島に渡ります。目指すはヴィクトリア・ピーク。言うまでも無く夜景の名所。ここへ行くにはピークトラム、要するにケーブルカーに乗るのが一般的。フェリーを降りて中環のバス乗り場から15Cと言うバスに乗る。実はその前に15系統、山頂ゆきはやって来たのだけど、見送った。時間的に待たされる事になったけど、ここの我慢が素敵な時間をもたらしてくれる。
 やって来た15Cのバスは思いっきり坂道にアタックし始めた直後に息切れしたかのようにストップ。何か函館の十字街の外れ、ロープーウェイ乗り場を思わせるような場所だけど、ここがピークトラムの起点。人で溢れているけど、この人たちはケーブルを降りてきた人。乗る人は、えっ?いないよぉ。
 でもピークトラムは間違いなく営業中。

 23:13、トラム到着。高尾山のケーブルはもう営業が終わっている時間ですが、こちらはまだまだ。折り返し山頂に向かうトラム、乗り込んだのは自分達だけ。うわぁ、貸切、貸切♪
 ピークトラムが動き出す。すぐそばにマンションが立っていたりして、生駒山だったかのケーブルを思い起こす雰囲気。次第に美しい夜景が窓辺に広がりだす。こんな空気を仲間内だけで楽しめるなんて。

 撮ろうと思ったけど、そりゃ、無理ですわな。
 さて終点に到着。既に駅併設の展望台は締まっている時刻。帰りのバス、時間だけチェック。0時までは15分毎で最後が1時。宵っ張りな街だけあります。
 時間帯が時間帯だけに、ちょっと歩いた展望台へ。一面に広がる夜景を堪能。

 何かベタな観光かとも思ってましたが、素敵な景色と時間はやっぱり素敵です。
 帰りはバス。当然二階建てバスで、当然一番まん前の席にまとまって。思いっきりの下り急勾配を向かってくる車を物ともせず、容赦なく下って行く、と言うか落ちて行くのはまたスリルがあって、柄に無くはしゃいだのでした。

 0時半過ぎでもまだ動いている地下鉄に乗って一駅。ようやくホテルに戻る。明日の打ち合わせと称して暫く一部屋に集まって話を続けるのはまるで修学旅行のような感じで。
 自室に戻ったのは確か午前2時半だったか。もう20時間以上起きているのにすぐに眠る気になれず、何となく缶ビールを買いに行く。隣のセブンイレブンでギネスが10ドルしないのよねん。日本より100円安い。
 こんな時間なのにドアボーイがまだ居て恭しくドアを開けてくれるの事が心に半分くすぐったく、半分重たい。買い物だけして戻ってくるとドアボーイの姿は無く、エレベータのドアが開いて待っている。開けてくれたんだ。見透かされているなぁと思うのと、これがサービスって言うんだなと思うのと。
 部屋に戻りシャワーだけ浴び、恥辱を綴りつつビールを飲む。もう3時を過ぎている。口元へビールを流し込み、キーボードに向かっているとすっと意識が遠のいた。