1946列車 Mugunghwa 順天(Suncheon)→亀浦(Gupo)

 ほぼ24時間を掛けて順天(Suncheon)に戻ってきた。改札を一度出るとちょうど昨日乗ってたムグンファ1508列車が到着する所。
 この先、慶全線を走る釜田(Bujeon)ゆきは14:05の発車。また兵糧攻めにあう事は必死と思われ、駅前のコンビニに寄って簡単な食料を仕入れておく。改めて改札の中へ。
 
 鉄道の要所、なんて日本では忘れかけていた言葉を思い出すような、順天構内の光景。
 龍山(Yongsan)から麗水(Yeosu)へ向かうムグンファが先に出るはずだけど動かない。こちらの出発時間も過ぎてしまった。どうするかなと思ったら5分ほど遅れてこちらが先に出発。 昨日乗った全羅線の線路を見送り、慶全線の線路へと踏み出す。まもなく冬の枯野が一面に広がる。ひたすら続く鄙の光景とさらに5時間、付き合うことになる。
 
 5時間の持久戦に備えて、順天(Suncheon)の駅前で買ったキムパフ。1,500ウォン。
 
 沈む橋、こちらでは当たり前でしょうか?
 暖かな日差しと暖房の効いた車内。ついつい眠気を誘いzzz。目覚めてもなお同じ景色。ひたすら同じ景色。 
 列車は、先ほどに比べれば混んでいる。今乗っている2号車が概ね7割程度の乗車。数えたわけで無いけど、50人ぐらいかな。とは言え、4両満遍なく乗っている訳ではないようで、トイレに立ったついでにちらっと眺めた3号車は殆ど無人国鉄職員と思しき人が脚を伸ばして座り込んでた。
 2時間弱ほど走って久し振りに現れた大きな街は晋州(Jinju)
 
 この旅でまだ出会えていないセマウルが到着。ソウルを9:50に発ち、6時間掛けて、京釜線経由ではるばる走ってきた列車。
 晋州(Jinju)からは区間列車が増えます。終点釜田(Bujeon)まではあと149km。新幹線ならどうということの無い距離ですが、まだ3時間か掛かります。木浦を出て、5時間半。変化のない景色にちょっと退屈して来ましたけど、同じ列車にひたすら乗り続ける事など、日本では難しくなってますし、貴重な経験です。
 
 陽が傾き、大地に列車の影を落とします。
 
 車窓に変化が現れたのが釜田(Bujeon)まであと82.1kmを残した馬山(Masan)、時刻は17:23の定刻。
 貨物線が寄り添ってきて、久し振りに高層ビルの群れ。大きな構内には機関車も佇んで、この列車と入れ替わりにムグンファが出発。市街地が途切れないうちに、次の駅が現れる。今度は鎮海線の線路がよって来る。
 今日までの分、少しまとめて置こうとPCを取り出し、恥辱を書き始める。隣の通路側に座っていた少年、遠慮なくこちらを覗き込む。初めて生で接する異文化なのかもしれないね。漢字は多少分かるでしょうけど、漢字・ひらかな・カタカナ・英字。ぐちゃぐちゃに混ざったこの悪文は、異国の少年の目には、どう映る事やら。
 
 京釜線に合流すると長かった日も落ちて行きました。列車は人が変わったように、KTXから逃げ続けます。