JA8768

 この後は高知に向かう。福岡-高知は10月からDASH8-400での運航となる。その前に一度YSでのフライトを体験しておきたい。高度3000mから眺める四国山地が楽しみだけど、天候は前述のごとく。あまり期待は出来ないらしい。
 とりあえず搭乗手続きを済ませる。台風の影響を心配していたけど、大丈夫、飛ぶようだ。安心して1タミ展望デッキへ。
 9月からダイヤが大きく変わっていて、福岡の駐泊がなくなっている。従って、9時前の出発便は無くなった。10時台の便は徳島から到着して高知へ行く。その便の着陸を待つ。相変わらず福岡の離着陸は楽しく、金網越しな撮影の不快さを吹き飛ばしてくれる。10時前、RWy16からJA8768が着陸。14番スポットに滑り込んだ。例によって、トーイングカーで方向転換。福岡ならではの儀式を眺めて、搭乗口へと向かう。
 いつもの事だけど福岡1タミのセキュリティーチェックは馬鹿みたいに厳しい。カメラバックの中の機材を全部出せという。つまりカバンを空にしろって言っている訳で、他の空港ではまず食らわない厳しさ。正直嫌味のひとつも言いたくなる。入ってしまえばマッタリとしたいい空間なんだけどね。
 搭乗開始。スポットまで降りると隣にもう一機YSが居る。JA8766。しまった、高知から来て徳島に向かう機材だ。これの着陸も撮れたのかぁ、しくじった。でも、おかげさんで地上からのYS-11二機並びを撮影。福岡って、3路線5往復しかない割りに、YSの撮影ではいろいろ撮れるのね。
 高知行きは思った以上に混んでいる。隣りの通路側の席には先客。そうか荷物はひざの上かぁ。そういえば徳島→福岡に乗ったときも結構混んでいたものなぁ。
 ドアクローズの直前、地上係員と客室乗務員のやり取りがちらと聞こえた、乗客46名です。ほぉ、これで46かぁ。ずいぶんたくさん乗っているように見えるけど。でもところどころ乗客のいない並びがあり、アテンダントさんが隣りの人にCD側へ移るように勧め、次に私にカバンをB席の置くように勧めてくれる。隣の人、よく見るとカバンにJGCのタグがついているのねん、上級会員ってやつか。初めて見た。
 放送が入る、「本便は3583便、徳島行き…失礼しました、高知行きでございます」乗務する立場からすれば間違いやすいだろうなぁ。乗る方は間違えないと思うけど。
 door closeからtaixing、takeoffまでずいぶんと早かった。いつもなら滑走路進入時にたいてい待たされるのに。離陸。いつもの揺れは無く、とりあえず滑り出しとしては上々。しだいに霞んでゆく街を眺める。鹿児島へ飛ぶのとちょっとルートがずれているのか、JRの二日市を肉眼で確認出来た。この先、雲の中へと入り込み、何処を飛んでいるのか分からなくなる。機内誌のルートマップを眺めていると、大分へと飛んで、八幡浜から高知へ向かうような気がした。まぁ、そんなルートには乗っていると思うけど。
 雲が切れる。山の中を飛んでいる。さすがにまだ九州だろう。九州の山の中で瞬時に場所を判断できるほどの知識も経験もない。ずっと山の中。時々集落が見える。ベルト着用サインが消灯して、アテンダントさんから飛行状況の案内が入った。「ただいま北九州上空」思いもよらぬ地名が飛び出る。確かに陸地が途切れて、海の上へと進み、すぐ先に埋立地がみえる。これ、新北九州空港だねぇ。この先は岩国を11:23に、高松を11:30に通過して高知には11:50の着陸予定ですと言うが、高松は松山の間違いだと思う。っーか明らかに思い込みですね。さっきも徳島言ったし。YSが岩国-高松を8分で飛ぶなら立派なものですし。高度は3400m、対地速度450km/hとのこと。
 瀬戸内の海の上を飛ぶ。羽田へ向かうジェット機では見えない島の様子を見て取れるのがYSの魅力だ。今度は石油コンビナートが見える。多分徳山。そして機体は内陸へと入ってゆく。今度は農村風景だ。岩国を左に見る、大きな滑走路が見えて、恐らく米軍岩国基地。時刻は11:17で先ほどの予定より幾分早いようだ。機体は再び海の上へと飛び出る。
 11:25、かすかに陸地を見たような気がするけどすぐに雲に隠れた。そしてベルト着用サインが点く。松山上空だろうか。ここから高知はすぐらしいけど雲の中では何にも見えない。
 雲を突っ切って見るとまた海の上だった。後方に霞んで弧を描いた海岸線が見える。土佐湾だ。11:38。10分強で四国を横断したことになる。もう高度をだいぶ下げている。着陸時も揺れない。揺れないのは歓迎すべきことだけど、ちょっとだけ寂しい。いやなんか言っている事が変だな(笑)何はともあれ、無事着陸。
 高知空港は初めてだ。意外とにぎやかで、左隣にJ-AirのCRJ-200、右側にはMD-90、そしてA-NetのDASH8-300が居る、小型機中心とは言え、4機もいるのは地方空港として上等。展望デッキに出る。入場料は\30。なんども出入り、とは行かないなぁ。とりあえず中へ。雨が上がった直後のようで木で装飾されたデッキはしとどに濡れている。金網がじゃまだなぁ。羽田のようだ。ところどころ、レンズを入れられるように切り欠きがあるのも羽田と一緒だ。でもこれってアングルが制約されてかえって撮りにくいんだよねぇ。
 A-Netが離陸してゆく。レンズを切り欠きに突っ込んで追ってみたけどいまいちうまく追えなかった。YSの離陸はどうやって撮ろうかねぇ。ゴミ箱の上に立つと辛うじて柵を越す事が出来るとか、いろいろ試してみたけど結局、望遠で柵を消すことにした。
 時々、雨がぱらぱらと落ちてくる。完全には上がりきっていないみたいだ。YSがtaixingを始める。その後をカメラで追う。こんどは北側から海側への離陸。風の方向が定まらない、というよりも無風状態なんだろうなぁ。とりあえず柵は消せたけどきもち眠い写真になってしまった。いまいち消化不良の高知撮影。