週末の金曜日、目が覚めて何か違和感を覚えて時計を見る。7時を少し過ぎている。目覚ましをセットしていなかったらしい。おやおやと思ったけどリカバリの効く範囲。何時もの時間に出勤、となる。
 本当は今日あたり、休暇にしたかったのだが、会議が入ってしまったので午前中出勤、午後半休にしてみた。午前は会議と現場の対応でバタバタ。12時ギリギリまでめいいっぱい働いて一度帰宅する。荷物をくくり、日曜日夜の食事の下ごしらえだけ済ませてから横浜に向けて移動開始。今日はバスを予約している。
 昼下がり。がら空きの名鉄に揺られて本宿に向かう。定刻なら14:25に東名本宿を出発する超特急22便を予約している。東名高速のJRバス。昼間便は遅れるのが常だが、昼間の便だし、遅れるのを見越してバス停に向かうのも難なので定刻に間に合うように本宿に着くようにした。5分ぐらい遅く着くなら1本後の電車でもいいのだけどなぁと思いつつ。
 本宿に着く。
 
 バスが来るまで10分少々時間がある。ここで運航状況を調べると、次のバス、20分遅れとなる。昼間のバスが1時間かそこらも走っていないのに、どうしたら20分遅れるものやらと頭を抱える。
 バス停でぼんやりと待っていると、「横浜駅」なんて行先を出したバスが走り去ってゆく。大阪から横浜に向かう昼特急らしい。うまいこと乗せてもらえれば非常に楽なのだが、恨めしく見送る。
 
 昼特急はその後も何本か見かける事になる。下りの名古屋ゆき直行便も走っていった。概ね定刻の様子。
 
 20分以上待って、ようやく予約している22便がやって来る。2階建ての3列シートは夜行便の間合運用。1階に少々空席があるが2階は満席に近い。結構お客さんが多いなぁというのが印象。荷物は持ち込めず、トランクルームに預かってもらう事になる。しかも歩道側のトランクルームが一杯で、進行方向右側のトランクルームへ。
 こんな扱いをやっていたから順調に遅れて発車となる。宛がわれた座席は2階の右窓側。夜行便だと揺れる2階は好みではないのだが、昼間便は2階の方が望ましい。一番前ならもっと望ましいが、既に先客で埋まっている。景色などに興味なさそうな人がそれぞれ主だったのは残念である。
 晴れるとも曇るともつかない天気が残念だが、カーテンを開いた2階建てバスの景色が新鮮で、そんな様子を眺めながら東に向かう。超特急便のバスは豊川に停まると浜名湖サービスエリアの休憩。豊川に停まった所で人数確認が入る。運転士が2階まできて人数確認をするから発車が遅れる。律儀な事は良いことではあるが、その程度は時と場合による。
 浜名湖に30分近く遅れて到着。
 
 10分少々休憩となった。本宿からだとすぐの印象があるけど、名古屋駅からだと2時間以上が経過している。始発から乗っている人からすれば、待ちに待った休憩かも知れない。大方の人が出て行った。
 案内の合った時間にはすべての人が戻る。人数確認の後、出発。
 
 浜名湖を渡って静岡県を東へ向かう。浜松北のあたりから少し降りるお客さんが出てくるようになるのは夕方のバスと動きが一緒。ただ、乗ってくるお客さんはあまりいないようだ。
 浜松から静岡へ。まだまだ半分も来ていない。資格の本を読みながら先へ進む。決して大きくは無いが隣を気にせずリクライニングシートで移動できる訳であり、まとまった時間が取れるのも有りがたい。今日は在来線乗り継ぎをやめてバスにして正解だったかも知れない。夕方までに横浜に着けば良いわけだし。とは言っても今日のバス、ずるずると遅れて行く。焼津西のバス停で「名古屋市内渋滞と途中乗車扱いの影響で30分少々遅れて運転中」と初めて遅れの理由が伝えられる。
 今日はJR東海バスの担当なので日本坂の休憩は無く、その代わりに東名静岡で運転士交代となる。「準備出来次第発車します」という頼もしいアナウンスとは裏腹になかなかバスは動かない。結局10分停車の予定通りに停まって出発。しかも
「計器が不調のため、次のパーキングエリアにて点検します」
 なんて案内が入る。
 
 急行便しか停まらない日本平のバス停に停車。ちょっと進んでは停まりを二三度繰り返した後、確認が取れましたので発車します、と。
 
 明るいうちに由比の海岸を、しかも東名高速の上り線で通り抜けるのは新鮮な経験。
 日本平の故障未遂以来は順調に走っている今日の超特急22便だが、それでもじわりじわりと遅れて行く。東名富士での客扱い時に告げられた遅れ時間は45分。静岡から10分広がっている。外はそろそろ日が陰る頃。富士山も見えないままに御殿場へと登って行く。
 浜名湖以来2時間30分以上経って二度目の休憩は足柄サービスエリア。ぴったり10分の休憩時間が告げられる。定刻ならばそろそろ東名江田到着なのだが、まだ静岡県内。先は長い。
 
 
 ここで初めて富士山が顔をのぞかせた。鮮やかな色合いではないが、見えないよりはずっといい。
 ぴったり10分の休憩は慌しく、ギリギリに席に戻る。まもなくドアの閉まる音が聞こえて、点呼が始まる。2階建ての分、点呼にも手間取るようで出発する頃には10分が13分ぐらいになっていただろうか。
 足柄を出ると次は伊勢原の案内。山越え区間を走ると神奈川県になる。この先も渋滞が予想されますという案内には困ったものだが、なるようにしかならない。バスに身を任せ手元の資料に没頭する。不意に外を見ると左の車窓が真っ赤に染まっている。
 厚木あたりの渋滞は対したことなく道路は流れる。それでも
 
 東名江田には足柄から一時間以上。50分近く遅れての到着となった。やれやれだが、まだ19時過ぎ。最終バスではないので影響は大きくは無い。
 右側のトランクに預けた荷物を取ってもらい、バスの発車を見送る。地下鉄のあざみ野駅まで歩くと19時半という電車に乗れる。何時も定時退勤して乗る新幹線、530Aで新横浜に着くより10分ほど早い電車。辛うじて午後半休の意味が出来た。