香港を深く知る一日

 普段と違う雰囲気で目覚め、旅先にいることを知る。6月12日土曜日、香港は九龍のホテル。午前7時。窓の外、すぐそばは九龍公園。香港島の高層ビル群は煙っていて見通せない。予報によると今日は雨の確率、90%。今のところ雨粒は落ちていないようで、公園にいる人、太極拳でもしているのだろうか、は誰一人傘を差す人はいない。

 しばらく九龍公園を眺める。小さくエネルギッシュな九龍半島の一角に島のように浮かぶ濃い緑。狭い所からよく公園を捻出したものだと改めて思う。1月に訪れたロンドンのハイドパークの広大な緑を思い起こし、やはり香港はイギリス人の作った街だという、当たり前の事実に行き当たった。寒冷な地、ロンドンの思想をそのまま高湿高温な香港に持ち込んだのかもしれないが、見事に根付いている。
 地元のテレビをつけてみる。広東語はさっぱり分からないが雰囲気は何となく分からなくはない。ワールドカップの開会式。将棋倒しの事故が起きたこと。わーるどかっぷ絡みで違法賭博が摘発されて逮捕者がでているのは地元の話だろう。1時間ごとに同じニュースを繰り返していた。香港自体は至って平和であるらしい。
 9時をすぎてから朝食を食べに出掛ける。ホテルの下、レストランで飲茶。朝から家族連れや何やら、地元客で賑々しい。新聞を読みながら飲茶を頂く人も目立つ。

まずはお茶でお茶碗や箸を洗う。洗うための容器も準備されている。一時期廃れていた習慣がSARSの時に復活したんだとか。

 そしてウーロン茶を頂きつつ、注文した品物を待つこと、しばし。



 点心やら如何にも飲茶的な食べ物の他に、粥とか野菜なんかの皿もある。ご飯ものもあるみたいだから、普通に食事をとる何て事も出来なくはない。

 まぁ、観光客なんで割とありきたりな組み合わせも頂きましたが。