台北市内

 機内を出た瞬間、むっとした熱気に包まれる。台北の最高気温、35度だったな。建物の中に入ってしまえば冷房が効いてて楽だけど、上に一枚羽織るもの、持ってくれば良かった。
 入国はスムーズ。思ったよりも小ぢんまりとしたターミナルに。
 まずは両替。いくら両替する必要があるか分かりにくいが、余っても困らない程度の2万円。これが6800台湾ドルになる。台北駅までのバスが135ドルだから400円ぐらい。

 1-2列の古いながらも立派なバスで台北市内へ。緑の山と人家が混じりあう景色を眺める。田んぼには7月なのに稲が実る。豊かそうな所だ。埃っぽい窓ガラスを通してそんな事を思う。
 高速を降りて市内を。スクーターに混じって街中を行く。高い建物が少ないのが意外で日本の地方都市に紛れたような気にもなる。街並みに盛り上がり感が欠けたままバスは終点、台北駅、こちらの表記では車站、に到着。空港からは1時間程。
 今日明日のホテルは台北の郊外になる。観光も含めて地下鉄とバスには何度もお世話になる筈でICカード乗車券を手に入れる。

 台北ICカード乗車券「EASYCARD」 500台湾ドルでうち100ドルがデポジット、らしい。400ドル分、乗るかと言うと乗らないだろうけど、毎回切符を買うよりは、良い。

 地下鉄、台北を南北に貫く淡水線の南方面、南勢角行きに乗る。立客も大勢、賑やかな地下鉄だ。途中、中正紀念堂、何て駅の明らかに立派過ぎる駅名標に台湾では無く中華民国と言う国の名前を思い起こす。ここからは新店線となる。そして次の古亭で分岐、中和線に入る。
 南下するにつれて電車も空いて来て隅の座席に座れる。終点の一つ手前、景安がホテルの最寄り。ここからはタクシーの世話になる。泊まるホテルを筆談で運転手に伝える。メーターを使って走り出したのは確認。でも目的地を分かっていたのか知らないのか、それらしい建物を通り過ぎ、交差点を渡ったところで、ここでいいだろと言う体で降ろされた。おいおい。
 とにかく何とかホテルに転がり込む。

 周りに高い建物が無いから、見通しだけは効く。冴えない景色だけど街の雰囲気は良く伝わる。