報知、放置、

 午後の睡魔を打ち破るがごとく
「じりじりじりじりじりじりじりじりじり!」
 誰も反応しない。火災報知のベルなんだけど。またかぁと思いつつこれが本当ならみんな焼け死ぬよなと心の隅っこで思ってみる。
 ベルが鳴った事などすっかり忘れた頃
「ただいまの警報は誤動作でした」
 と気の抜けた案内。そう言えば鳴ったんだっけ。いくつかの記憶のうちの一番新しい物が今日の記憶であった事に気が付く。
 ほんと、そのうち焼け死ぬな。きっと。