JN3648 JA8766 KOJ→FUK

 ターミナルで窓越しに離陸してゆくJA8788を見送る。折り返しまでの中途半端な時間は搭乗口付近でぼけっとして過ごす。12:23、「お待たせ致しました」の声と共に福岡ゆきの搭乗が始まる。今度の便は満席、そろそろUターンラッシュも始まっているらしい。
 お客さんの搭乗は完了したけど、荷物の積み込みに時間が掛かっているらしい。ドアが中々閉まらない。そのうちアテンダントさんがるるぶを持って通路を歩き始めたりする。出発までしばらく掛かるのかとも思ったけど12:37、Doorclose。ちなみに乗務員は交代したので「おや、また何しに」とはならずに済む。
 プロペラが廻り始める、12:39。すぐにTaixingに入る。心なしかTaixingのスピードが速い気もする。福岡までの所要時間は55分とのことだ。滑走路手前で少し待たされた後、進入。滑走路端にカメラを持った人が数人いるのを眺めていると背中を押される。12:48、Takeoff、RWy34。空に上がると軽く揺れる。そりゃさっきも揺れたし仕方が無い。緩々揺ると上昇してゆく。大揺れがきた。地球に弄ばれてるような感覚。時計を見ると13:00ちょうど。そして雲の上に出ると揺れは収まる。13:08、ベルト着用サイン消灯。福岡到着は13:40となる旨と遅れた事へのお詫びが流れた。
 前二回のフライトではなかったマップの配布がある。折角なので受け取る。若干の見直しがあったようで、就航路線が最新版に更新されている。新潟もちゃんと加わった。撤退したはずの宮崎-長崎なんかが残っているのはご愛嬌なのか、撤退ではなく休止扱いなのか。13:13、八代海が見えてきておやっと思う。何時の間にか雲が切れて地上が見えていた事に気付いていなかった。鹿児島行きでは気が付かなかった三角半島も良く見える。そして有明海へ。海の上、一面に養殖筏が浮いている。一箇所だけ途切れているところがあって、船が航跡を残しながらすれ違ってゆく。航路以外、一面の養殖筏。「皆様、左手に雲仙をご覧いただけます」の放送も入った。
 13:23、筑紫平野が見えてくる辺りでベルト着用サインが点灯する。久留米を臨んだ後に左へ旋回したようだ。背振山地へと差し掛かっている。年末の大雪がまだ残っていて一面の銀世界。間もなく着陸の案内が流れる。福岡の天候は晴れ、気温は10℃だそうな。山地を一跨ぎするともう福岡市郊外の住宅地。少し機体が揺れだした。雲が出てきた。13:33、博多湾へと進み出る。そして右旋回。ん?右旋回。逆じゃん。低空を揺れながら飛行機は博多湾に沿って飛ぶ。何やら風光明媚な海岸線。海が青いぞ綺麗だぞ。どこまで飛ぶのかYS-11。13:35ようやく右旋回が入る。一路福岡空港へ。福岡市街がみるみる近づく。最終アプローチ。天神が、キャナルシティがやけに大きく見える。何で天神? う〜ん、ランウェイチェンジだ。左側には空港が見えているに違いない。再び南側へ。鹿児島線西鉄線を眺めながら左旋回。ようやくGeardownが入る。13:39。今度こそ最終アプローチだ。13:42、Touchdown、RWy34。
 13:44、Spotinする。SP14。隣のSP15には朝一番に乗ったJA8768が高知を往復して戻ってきている。YS-11が2機並ぶ。2機はこのまま15時まで待機し、それぞれ高知と徳島へ飛んでゆく。それを見送るのも乙だけど、展望デッキからでは逆光になるのでやめにして、博多駅へと出ることにする。
 今日は博多20:41のムーンライト九州を予約している。それまで6〜7時間、ちょっとした余裕がある。何となく気動車に乗りたい気分。日田彦山線なんて良いかもしれないけどちょっと時間が読めないので、多少トラブルがあってもリカバリが効きそうな唐津線を志す。乗り潰しで一度乗った切りだから、ちょうど良いかもしれない。
 駅構内で食事をして、18きっぷを購入する。ホームに上がるとちょうど快速が出て行ったばかり。次は14:45の鳥栖行きだそうな。「快速、二日市まで快速の鳥栖ゆき」なんて案内が示すとおりの本当なら区間快速と言う列車を待つ。先月の北九州でも準快速なんて列車があって驚いたのだけど、何時の間にか九州の快速列車体系が変わっており、今までの気分で列車を使う訳にはいかないらしい。つばめやゆふいんの森なんて列車の出発を見送っていると快速列車がやって来る。4両編成の表示が示す通り、811系の4両編成。列車はまぁまぁ空いている。走り始めて次の駅、南福岡で早速の特急退避。まぁ九州だしな、仕方ないかぁと思っていると有明が猛スピードで掛けてゆく。
 年越しの晩の徹夜がまだ引きずっているようで、何かトロンとしてくる。YS-11の3レグを終えて緊張の糸が切れているのかもしれない。博多駅で昼食を済ませた影響もある、眠くなってくる。快速区間が終わった二日市を出た辺りから記憶が無くなる。筑豊線連絡の原田も甘木鉄道連絡の基山も記憶に無かった。上空から見えた駅が本当に田代だったのかも確認したかったのだけどそれもアウト。間もなく終点鳥栖ですの案内で目覚める。ガタンゴトンとポイントを渡る。接続列車の案内が流れ出す。普通列車熊本ゆきなんて案内が流れて仰け反る。昔は大牟田連絡だったのに。長崎線普通列車長崎行き。熊本行きと長崎行きの普通列車が並ぶ鳥栖駅のホーム。言葉面だけ並べればBuck to the JNRだけど、片や815系、片や817系。どちらも2連。紛れも無く2006年の光景。
 今度は長崎行きに乗る。大きな荷物を持った人が目立ち、先ほどの列車と雰囲気が若干異なる感じ。早い話、18きっぱーが濃縮されたような雰囲気。長崎まで行けるならなんて少し心がぐらつくけど、行った後の建て直しがぐちゃぐちゃになるので止めにしておく。割と接続よく発車。鹿児島本線長崎本線、同じ本線なんだけど少しローカルに入った匂いが漂う。斜光線を浴びる吉野ヶ里の公園なんかを車窓に眺めると16時ちょい前、佐賀到着。
 ここまでは接続が良かったけど、この先の唐津線は1時間毎で次の列車は16:26。ちょっと間が空く。唐津までは一時間だろうから着く前に日が沈むなぁなんてことを思い列車を待つ。待っていると気動車が2両編成で入ってくる。キハ47とキハ40。どちらも国鉄型の20年選手だ。っーか40系列でも20年経つのね。ガラアキの車内で発車を待つ。少しずつ客が増えてゆく。その間に本線、遅れが生じている。接続をとる関係でこちらの発車も遅れた。緩々とした加速を一駅一駅楽しんでみる。二つ目の久保田で分岐。線路が細くなり、刻むジョイント音は短音になりローカル感が一際増す。人を集めてた車内も一駅走っただけで30人近くが降りていって後ろの車両は閑古鳥が啼く。
 やっぱり寝てしまった様で気が付くと筑肥西線との分岐点、山本。17時を廻っているけどまだ外は明るく、関東と九州の時差を感じる。
 筑肥線接続の唐津へ到着。接続列車として福岡空港行きが案内されてちょっと心が動く。どうせ終点の西唐津まで行っても何も無いのは知っているし、一度乗った路線だし。西唐津まで入り込むと戻るのに難儀するかも知れないという予想もある。時刻表見ないで来ているからその辺りの細かな接続は把握し切れていない。でもまぁ良いやという事でもう一駅、そのまま乗車。最も他のお客さんは殆ど全員降りてしまってまるで終点にでも着いたかの様相。
 最後の一区間はすっかり暗くなってしまった唐津の街を走る。何か車庫の一角みたいな所で息絶えましたとでも言わんばかりに立ち止まりここが終点西唐津。降り立ったのは先頭車に乗っていた2〜3人だけ。
 折り返しの列車は18:00の筑肥線筑前前原ゆきとなる。20分ちょっとで折り返しがあるのは、西唐津としてはまぁまぁの時間。18時を逃すと次は19時近くまで電車は無い。最も近くに足を伸ばす所も無いから乗り遅れる事は無いだろうけど。
 戻りの列車は自分一人だけを乗せてさっき来た道を戻る。一駅戻った唐津では15分程の停車となって、本当、唐津-西唐津はオマケみたいなものなんだろうなぁと考え込んでしまう状況だった。
 福岡市内へ向かう電車はさっきの気動車に比べればずっと賑やかで、乗り降りを繰り返しながらも着実に乗客を増やしてゆく。筑後前原で乗り換えた電車が福岡市交の車両で通り過ぎる街並みもいかにも大都市という様相。お客さんも増えていった。