一度目覚めて、もう一度目覚めると外は明るくなっていた。時刻は6時を少々過ぎた所。
 シンガポール滞在は今日一日だけ。夜のフライトで東京に戻る。従ってホテルのチェックアウトは本日12時。その前後は完全ノープランだが、午前中はゆっくりして、午後はシンガポールのMRTに乗っておこうかと思う。
 ひとまず朝食。妻が薦めてくれた肉骨茶の店に行ってみようと思う。ここ数日飲み食いが過ぎるから、胃に優しい肉骨茶は最適である。
 身支度少々。7時過ぎに出掛ける。

 昨日は賑やかだったチャイナタウンも朝は閑古鳥が啼いている。肉骨茶の店まではバスを使う。バス停まで少し歩く。

 チャイナタウンの外れにヒンズー寺院。ここだけは賑やか。

 グーグル先生にお伺いを立てて指示されたバスに乗る。バスは地下鉄のICカード、EZ-linkが使えるから楽。その街のICカードとグーグル先生が居れば海外のバスも何てことは無い。
 向かった先は港の近くだった。肉体労働者の食べ物だった肉骨茶に似つかわしい立地だと思う。

 7時開店の店だが、空いていた。注文は肉骨茶と油條。しきりにご飯を進められたが断っておく。

 待つほどもなくやって来る。


 骨についた僅かな肉を食べるために編み出されたという肉骨茶。勿論、今では骨付きの肉になっているのだが。スープが優しく体に染みる。染み切ると店の人が継ぎ足してくれる。二度注がれた。
 お会計を済ませて一旦ホテルに戻る。昨日、SIMを諦めたので戻りはグーグル先生のナビ抜き。歩くつもりでいたが、偶然バス停を見つける。
 そのバス停。

 シンガポール航空の子会社、シルクエアの広島就航を宣伝していた。その中の日本地図、

 きちんと北方領土が書きこまれている。シンガポールの好感度が少し上がる。

 先程乗る時に見かけた80系統のバスがやって来る。同じルートを通ると読んで乗車。二階建てバスはまるで香港みたいだ。どちらも同じような都市国家だけど、それよりも英国の影響でしょうね。もっと言うと階級社会の名残か。

 短い時間だろうが、二階に乗ってみた。空き程載ったバス停で降りるつもりが、バスはバス停の手前で左折。どうやら先程の通りは一方通行だったらしい。少し遠くへ連れて行かれる。そこで降りたが、後でホテルの近くで80系統のバスを見かけた。もう少し近くまでバスで来れたようだ。ひとまずグーグル先生には敵わない事を知る。
 ぷらぷら歩く。その間にホーカーを見つける。お昼はこのホーカーで食べてみようかと思う。多少なりとも歩いた甲斐があったかも知れない。

 昨日食事をした通りはこの時間、もちろん閑古鳥。
 チャイナタウンの駅近くまで来る。大きなモールが目に付く。

 EVA Airが広告を出している。北米主要8都市に週88便運航。で、描かれているのがキティジェット。この国の人もキティラーだったか。
 ホテルに戻る前。試しにコンビニでツーリストSIMを聞いてみる。12ドルのものがあったのでお買い上げ。1000円ちょっとなら、まぁ良いか。

 開通するまでちょっと苦戦したが、ホテルにいる間に何とか使えるようになる。これで午後はネット難民を免れる。
 ホテルを使えるのはあと2時間。軽くスーパーで買い物。シンガポールでぜひとも買いたい、と言うものは無いのだが、肉骨茶の素が売っていたので買ってみる。骨付き肉と大蒜を買ってきて一緒に煮込むらしい。今度やってみよう。
 12時ちょっと前までホテルに滞在。ギリギリにチェックアウトすると荷物は預かって貰う。何時に取りに来る?と聞かれて、7時かぁ、8時かぁと曖昧な返事をしたが、午後もしっかりは決まっていない。飛行機は深夜の1時50分。まだ12時間以上ある。
 まずはお昼。先程見かけたホーカーに行く。何となくチキンライスを食べようと思い調べてみたらホーカーの中に有名店があったのでそちらに。

 こちらが人気店。行列は外まで続いていた。その最後方に並んで15分程で順番が回ってくる。チキンライスのMサイズを頼むと5ドルだった。

 Mサイズのものは思ったよりも小さい。7.8ドルのLサイズでも良かったかなぁと思うが、どうせこの後も色々食べる機会はあるのだろうから、まぁいいや。
 鶏の茹で加減が絶妙で滑らか。これは自分じゃ絶対に出来ないやつ。
 さて、午後はMRTの乗りつぶしに宛がう。シンガポールのMRT、5路線148.9㎞が開業済み。そのほか、郊外にライトレールが3路線28.8㎞あり、セントーサに行くモノレール、チャンギ空港内のスカイトレインマレーシア領ジョホールバルからやって来るマレーシア国鉄とあるけど、ひとまず乗りやすい所から適当に乗る。今日一日でやっつけるつもりは無い。
 ホーカーから歩ける範囲のチャイナタウン駅。ここからまずは北東線でハーバーフロントまで脚を伸ばす。ついで環状線の乗車。

 変な車輌と思ったら先頭に運転席が無かった。この電車、無人運転か。
 時間が来て走り出す。先日のロサンゼルスみたいに妙な緊張を強いられないのは楽だ。お客さんは人種も宗教も色々とごった煮。東南アジア圏ではありがちだが、スカーフを被ったムスリムと露出の激しい華僑が混じり合っている。
 言葉も色々。


 駅の表記も幾つも。読み方は英語だけで良いのだと思う。コーズウェーベイとトンローワンが混じるような事は無さそう。
 環状にはなっていない環状線。このドビー・ゴート駅まで行き折り返して今度はプロムナード駅からマリーナ・ベイ駅まで。これで環状線の開業区間はひとまずやっつけたことになる。
 今度は南北線に乗り換え。まずは一駅、マリーナ・サウス・ピアまで。

 立派な駅だが閑古鳥が啼いている。仁川1号線の延伸区間をふと思い出すが、ここは狭い都市国家。まさか外に出たら何もない、なんてことはあるまい。

 外は海だった。ピア、だもんなぁ。確かに。
 ちょっとした旅客船のターミナルがあって、小さなキオスクなんかもある。お手洗いがあったのが幸いで、今のうちに済ませておく。さて今度は南北線を北に向かう。
 シンガポールの南から北側へぐるっと回ってジュロン・イースト駅まで44㎞。途中、ウッドランドなんて名前の駅もある。これ、ジョホールバルからマレー国鉄KTMでやって来ると降ろされる所だ。
 プラスチックでできた座席に座り、出発。数駅で先程も通ったドビー・ゴート駅を通る。この辺がシンガポールの都心か。車内も混んでくる。北に向かうに従い郊外区間になるようだ。環状線連絡のビシャン駅を過ぎると高架に出た。

 郊外は団地の連なり。ただ緑も多くて多少の余裕を感じるところ。
 いい加減座るのに飽きてきた15:50頃、右手から高架線が近寄ってきて交わると南北線の終点、ジュロン・イースト駅。左右両方のドアが開く。

 接続する東西線の東行き、西行き。どちらにも平面で乗り換えられる仕組み。クアラルンプールもこんな乗換駅があった。

 東西線の東行きがやって来るのが見える。

 駅前を見ると大量の二階建てバス。ショッピングモールもあって、交通の要所、人の流れの結節点であることが知れる。
 今日はこの後、東西線に。西方面の終点、トゥアス・リンク駅まで足を延ばす。西行きの電車を少々待つ。

 南北線、乗って来た電車が再びマリーナ・サウス・ピア駅を目指して走り去る直後、東西線の電車がやって来る。
 電車は座れない程度に混んでいる。シンガポールの狭い国土、西の端で北を目指して走る。

 チャイニーズガーデンだのレイクサイドだの、箱庭のような緑を眺めて電車は北へ。この辺りも団地群なのだが、段々と雰囲気が変わって来る。

 海が見えて来る。海と言っても港だ。先程から港ばかり。シンガポール都市国家であると共に港湾国家、かも知れない。
 電車はがら空き。終着のトゥアス・リンク駅はどこに行けば良いのかも分からないような、工業団地の外れ、みたいなところだった。

 海を挟んでマレーシア領ジョホールバルが見えている。電車の車庫があり、車庫のための駅、かもしれない。
 1本落として都心に戻る。時刻は16時半。もういいころだろうと思う。環状線南北線を完乗。東西線もかなりの部分、目途が立った。ひとまずチャイナタウンに戻る。そろそろ空腹も感じている。どこかで食べても、と思っていたがトゥアス・リンク駅はそんな所では無かった。
 東西線でアウトラム・パーク駅へ。ここから北東線に乗ると1駅、チャイナタウンに戻る。時刻は17時半になっている。昼食べたミドルサイズのチキンライスはどこかに無くなり、すっかり空腹。良い感じに食べられそうだ。
 何となく先程と同じホーカーに行く。チキンライスは食べたから他の何かにしよう。

 福建麺を見つける。マレーシアでお馴染みの食べ物だが、マレーにあるものはシンガポールにもある。特に中華系は一緒だ。

 そんな訳で別に買い求めたクラフトビールと一緒に頂く。合わせて17ドル。結構なお値段。ビールはそれなりに美味しいけど、福建麺は、イマイチかもなぁ。
 腹は膨れたが何となく消化不良。もう少しと思ってホーカーの中をふらふら。すると行列のできる雲吞麺屋さんがある。

 よく見ると雲吞麺3ドル。これは破格。そこで別の店でタイガーの缶を買ってから並ぶ。タイガーは3.5ドルだった。今度は6.5ドルコンビでホーカーリベンジ。
 雲吞麺の店の人。外国人には慣れているようで日本人には日本語で「ありがとうございました」。韓国人には韓国語で「ガムサハムニダ」と賑々しい。自分にはもちろん日本語なのだが、顔一面に汗をかいているを見てさすがに英語で顔を拭けとペーパータオルをくれたりする。

 今回のシンガポールで最安値、3ドルの雲吞麺。ドライ雲吞麺である。頂こうとしたら店の人に「ちょっとまてー」と日本語で声を掛けられ、皿を取り上げられる。すると今度は

 肉マシマシで出てきた。雲吞麺じゃなくてドライ叉焼麺になっている気がしないでもないが、まぁ良い。美味しいけど、さすがに苦しい。
 さすがによく食べた。時刻は18時を過ぎている。そろそろホーカーは退散。残った時間で足壺マッサージを受ける。これもネットで調べて、駅の近く、中華系なショッピングセンターへ。

 華僑なのか出稼ぎ中国人なのか分からないが、とにかく中華系の人が目立つ。小さな店がたくさん入る様子は中国本土の地方都市みたいな気がしてくる。その中で評判の良い店に声をかける。案内されて早速揉んでもらう。何かあばれる君みたいな華人が出てきた。
 45分揉んでもらう。その間はまぁこんなものかなぁと思っていたが、終わってみるとだいぶ楽になっている。なかなか腕のいい足つぼマッサージ。価格は18ドル。チャイナタウンで見た限りだと45分で25ドルと言う所が多くて、そういう意味では破格。シンガポールで足壺マッサージ、ありだなと思う。
 19時を過ぎた。ホテルに戻る。

 荷物を引き取ると空港へ。まだ出発時刻にはだいぶ早いが、まぁ良い。チャイナタウンの駅から、今度はダウンタウン線で東に向かう。途中で座れる。
 終着のエキスポ駅はチャンギ空港の一つ手前。乗り換えになる。

 乗り換えの表示は分かりやすいが、どうせなら、ダウンタウン線もチャンギに乗り入れればよかったのに。
 チャンギ空港に20時半過ぎ到着。EZ-linkの使用量、12ドル程度だった。昨日10ドルチャージしたものからはちょっと足が出た事になる。でも意外と使っていない。物価の高いシンガポールだけど、交通費は安く抑えられているようだ。
 出発までまだ5時間ある。チェックインは3時間前からなのだが、この時間、21:50出発の36便の搭乗手続きをまだやっている筈。アーリーチェックインという制度もあるようだけど、ひとまずJALのカウンタに行ってみる。
 JALのターミナルはT1。地下鉄駅からT3に行って更にT1へと移動になる。

 スカイトレインの乗場にこんなディスプレイ。今年は何か記念する年だったっけ?趣旨は分からないけど、結構人気で写真を撮る人が目立つ。

 日付が変わって1:50に出発するJL38が今日と言うか明日の搭乗便。JALのカウンタは開いていて、空いている。JL36の搭乗手続きはまだ受け付けているが、タイミング的には出遅れの時間である。

 38便の搭乗手続きもOKとのことで、早々に搭乗券を頂く。出てきたのはCの文字が入ったチケット。行きに続き、帰りもインボラアップグレードを頂く。合わせて乗継便のチケットも発券して貰う。
 ひとまず電源のあるところで落ち着きたい、早々に出国審査を受けて制限エリアに向かう。出国は自動手続きであった。速攻終了。日本も見習え、と言いたくなる。
 指定されたラウンジまで行く。シンガポールにはサクララウンジは無く、dnata Loungeという所を指定されている。まずは簡単な食事を取る。

 昨日食べられなったサテーがある。サッポロビールとの組み合わせは夢のようだ。
 ダイニングから奥のソファー席に居を移し、充電と京王線恥辱の遅延回復に努める。

 お供はプレッツェルサッポロビール
 時刻は22時過ぎ。外国人の家族連れが多い。はしゃぐ子どももちらほら。それがどこか行きのフライトが出て静かになると今度は日本人の家族連れが目立つようになる。子供連れも多いが、先程よりは大人しい。日本人、やるじゃん、と思ったけど単に時間帯の違いか。もう日付が変わって普段なら寝る頃だ。

 食事のメニューも代わり、カレーやらうどんやらが並ぶ。つい、カレーに誘われ少々。お供はやっぱりサッポロビール。