物憂い

 目覚ましの音で起こされた。ひどく眠い。まだ寝ていたい。6時半過ぎ。今日は休日出勤をする。起きざるを得ない。起き上がる。
 土曜日の出勤はさすがに普段通りで良いだろうと、いつもの時間に出掛けることにした。コンビニに寄るとおにぎりやサンドイッチ、パンの類は売場に戻りつつある。平常では無いが、だいぶマシになったようだ。

 久しぶりになじみの運用番号をみた。77運用1601編成。
 文庫まで出てバスに乗る。土曜ダイヤで動いていたから8時のバスだ。道は空いていたが、途中、1車線がとんでもない行列。給油待ちの渋滞である。平日のバスは道が混んでいてまともに走れないそうだが、その正体が土日もそのまま残っているのだった。200mはありそうな行列の横を走って定刻に会社に着く。
 時節柄あまり人は出ていないが偉い人たちが出てきて会議をしている。どうせ良い話しではあるまい。
 気分は乗らないが仕事はする。どう考えても今やっている仕事、人を救う仕事でなければ食料や燃料や物流に関する仕事でもなく、人に笑顔を与える仕事でもない。世の中全体から見れば優先順位は低いような気がする。世の中に負荷を強いてまで今急いでやらなきゃならない仕事だろうかと考えると、どんな頑張ってもテンションは上がらない。とはいえ、上層部からはお客様と約束した納期は守らなくてはなりません、と発破を掛けれられる。そしてジワリジワリと震災の影響は滲み出るかのように顔を出す。揺れも無ければ停電もない名古屋や大阪の営業はこの危機に対してどうも鈍い。

 個人レベルで何とか出来る話しじゃないよなぁ。

 気分が重いまま仕事を進めた。普段は休日出勤なんてしないはずの下請けさんから電話があって驚く。平日は停電で仕事にならないから休日に出ているのだそうだ。零細企業は何だかんだ言わずに稼がないと即倒れちゃうからなぁ。物憂い気分になるのは贅沢なのかとも思わなくは無い。思わなくは無いけどやっぱり物憂い。
 最終のバスで帰宅。文庫からは

 71SH運用1049編成。薄暗い上大岡からは

 31運用1525編成で。