NH032 JA706A

 到着は北側23番スポット。出発は南側10番スポット。これが歩く歩く。そりゃグループが違うから仕方ないけど。北ターミナルと南ターミナルの間にホテルがあるらしくて本当に遠い。今日は35分あるからいいけどちょっと遅れたりしたら大変だ。朝、チケットを出してきて本当に良かったと思う。途中、テレビがサッカーの試合をやっている。まだやっていたのかと驚くけど松山-伊丹の時間距離なんてそんなもの。ひたすら歩いてようやう10番に付く。機体はボーイング747ではないな、双発機だ。朝チケットを出したときにあるいは機種変更かと思ってみたけど思った通りだった。折角ボーイング747SRの充当便を選んだのだけどなぁ。変更後の機種はなんだろう。真正面から見ると寸詰まりになっていまいちよく分からないがいくらなんでも伊丹-羽田にボーイング767クラスはないだろうからボーイング777と見るとのが妥当。777-300だったら嫌だな。3-4-3の10列シートは勘弁して欲しいと心から思う。まぁ一度話の種に乗るぐらいならいいかもしれないけど。機体番号を見る。「706」の文字だけ見える。JA8706、そんな訳ない。JA706Aだろうなぁ。
 搭乗開始となる。機内に入ると3-3-3のシート配列だった。ボーイング777-300は全機3-4-3になったそうだからこれはボーイング777-200だと分かる。まぁ良かった。機種変前後で席は変わらず48K。朝のJALと同じなのは偶然。ひたすら後ろへと歩く。機体が窄まってシート配列が2-3-2になったところが48K。席に納まる。飛行機自体は空いているのでこのあたり、人もまばら。隣はいない。それどころか48列、自分ひとり。近くには添乗らしいパイロットなんかもいる。
 座席の前にパーソナルモニタがある。肘掛の部分にはコントローラ。JASのぐるぐるだけじゃなかったんだ、でも聞いた事ないよなぁ、ANAのパーソナルモニタなんて。試しにいじってみたけどテレビ画面には切り替わらず。どうやら使えないらしい。後で分かったのだけどJA706Aって元々国際線機材、らしいのでその関係で付いているのかもしれない。とりあえず音楽は生きているので聞く。何にしようかと思ったけど結局先日買ったCDに落ち着いてしまった。持っているのに、意味ないよなぁ。
 door close
 push buck 傍らをJAL新塗装のエアバスA300-600Rが追い抜いてゆく。
 taixing 滑走路端で順番待ち。パイロットの放送が入って、当機の離陸は3番目であること、着陸機の状況によってはもう少し離陸が遅れること、それに関するお詫び、羽田が雨であること、このフライトが低気圧の影響で揺れることが予想される事、そして羽田第二ターミナルに関する案内が入る。滑走路では先ほどのA300-600Rが離陸してゆく、水飛沫が上がる。そして順番が来る。機体は静々と滑走路へ向かう。

 耳元にはG線上のアリア

 モニタに暮れて行く伊丹。雨に濡れた滑走路。誘導灯が眩く光る。

 RWy32Lに進み出る機体。一呼吸置いて、フルスロットル。

 耳に微かに届くエンジンのサウンドG線上のアリアと交じり合う。

 体を座席に押し付けられるような感覚。

 誘導灯が、識別灯が、光瞬く伊丹が斜めに、そして眼下に。
   
 いいなぁと、素直に思ってしまう。機体は既に雲の中へと入ってしまった。自らの翼の光が暗くなる雲の中でただ一つ、瞬く。台風崩れの低気圧は確実に東へと進んでいるようで、細かな揺れ、時折大きな揺れが来る。それでもシートベルト着用サインは消えた。
 ドリンクサービスが始まってまもなく、飛行機がまた揺れだす。アテンダントさんがドリンクサービスを中断してワゴンを押さえだす。機内放送、サービスを中断します、ご了承下さい。まぁ仕方ないよなぁ。でもワゴンは引っ込んだけど、ギャレーでドリンクを注いだカップを持ってきて「何にいたしましょうか」と。結局、続けるのね。今月の限定に載っていたミルクティを所望。普段飲まないけど、どちらかと言えば毛嫌いしてたけど、飲んでみると美味しい。迎合かな、とも思う。
 雲は出ているし、すっかり暗くなるし、マップが出てくるわけでもないので何処を飛んでいるのか分からない。とは言え確実に羽田に近づいている事は確かで、シートベルト着用サインが付く。時々揺れて雲の下に出る。雲に下には海が広がる。所々に灯り。どうやら既に東京湾、らしい。モニタに前方の様子が映し出される。機体進行方向右側に座る自分の席から見える明かりがこの程度って事は着陸はRWy32らしい。いつの間にか高度が下がっていた。突然目の前に格納庫。羽田の敷地だ。もうすぐ着陸やん。滑走路はRWy32Rだ。
 16:58 tauch down RWy32R っー訳で第一ターミナルの前に着陸、速度を落としてここからが長い。今まではすぐだったはずだけど第二ターミナルのスポットへ向けてひたすらゴトゴト。右折して首都高湾岸線をまたいでまだ右折。ここからまだ先がある。右に左にまた右に。お前は何処に行くのだ。真新しい第二ターミナルのまん前に出てさらに進む。
 17:09 spot in SP62 当機は62番スポットに到着でございますと誇らしげなアナウンス。羽田第二ターミナルの売り、両側降機を多少は期待していたのだけど今日は無かった。夕方だし、スポットが埋まっていると駄目なんだろうなぁ。真新しさが目に付くホールディングブリッジを渡り、ご自慢の到着専用階から到着ターミナルへと進む。10日までの羽田発着機で特製携帯電話用覗き見防止シートをプレゼントと書いてあったけど配布は無かった。もう無くなったのか、ただ単に配り忘れたのか。
 到着ターミナルへ出ると人、人、人。折角の2タミだし展望デッキぐらいは見学してゆこうと思ったのだけど本当に人が多すぎる。展望デッキの出入口、真ん中で仕切って一方通行にしている。警備員が立ち止まらないで下さいと叫ぶ。外は雨が降り出している。想像以上に暗い。人手が落ち着いた頃にカップルで来れば、なんて雰囲気な場所だけど、今は見学の客が出てきて雨に驚いて列をなして引っ込むというなんとも不思議なスポットになっている。自分も先ほど乗ってきたJA706Aの写真を1枚とって退散。
 なんか第二ターミナルの混雑ですっかり疲れてしまう。本当はモノレールの延伸区間に乗るついでに新宿にでも出て夕方の橋本急行と思っていたけどその気になれない。でもモノレールは今日乗ってしまいたい。そこでモノレールで2タミから1タミへ移動する。直線距離で400m、駅間距離で0.9km。2タミを1ボックス1〜2人ぐらいの乗車で発車。わずか1分で下車。誰も降りないけど当たり前だ。
 ANAが去った後の1タミを見てみる。閉店の紙を張り出したANAフェスタが目に付く。夕方の羽田と思えないほど閑散としている。1階にはANAフェスタが残っている。人は少ない。JALUXも空いている。