JL812 JA612J B767-300ER KHH→NRT

 高雄からの成田行き。出発は9:05。ラウンジで朝食を頂いていると搭乗開始の案内が入る。慌ただしいがビールを飲みきりお手洗いを済ませるとそそくさとラウンジを後にする事になる。搭乗口は前回5月と一緒。多くない空港で変化も少ないのだろう。見覚えのある搭乗口に立つ。
 
 
 搭乗開始。待っているのはJA612J。高雄線は古参機が充当される事が多かったようで、数年前はNoMAGIC機が当たり前だったこともあるが、ある程度、経年機が整理されたのでそこまでの差は無くなった。それでもまぁ設備のあまりよくない方が今日も充当。
 乗り込む。帰りは前側席を予約している。
 
 シェードを開けると滑走路の向こうに高雄の街。翼の先に見えるのが昨日登った高雄85のビルである。
 乗客が乗り込んで来てほぼ満席になる。出発時刻が近づく。8:58、Doorclose。今日も定刻出発のようだ。一番前に座っていた人が荷棚から荷物を取り出して何か探し始めるのが見える。何か機内が慌ただしくなる。
 ここで乗務員から案内。「お客様が忘れ物を探しており、出発が遅れております」と。目の前の人の事らしいが、どうしたのだろう。そのうち荷物を全て取り出して家族らしい4人まとめて前の方へ消えてしまった。
「忘れ物をしたお客様が降機される事になり、只今預かり荷物の取り降ろしと重心の再計算を行っております、出発が遅れる事、お詫び申し上げます」
 そんな放送が入る。妻が乗務員に聞いた話によると成田乗り継ぎでカナダに向かう台湾の人らしいのだが、パスポートが見えなくなったそうだ。飛行機に乗っていると言う事は少なくとも出国までは持っていたに違いないのだが。。。
 9:22、荷物の取り降ろしが完了した旨、案内が流れる。重心位置再計算の後に出発とのこと。9:28、改めてDoor close。成田までの飛行時間、3時間20分とのこと。遅延する旨、お詫びの案内があったが、事情をちらっと聞いているだけにやたらと責めようという気にはならない。
 9:35、Pushbuck。9:42、Taixing。動き出してしまえば小さい空港だから事はテキパキと進む。誰にも邪魔される事無く滑走路端までやって来る。滑走路のすぐ脇にパイナップルか何かの畑が広がるのを横目にして一呼吸置くと二つのエンジンが咆える。9:45、Takeoff RWY09。?すぐ雲に突っ込んだが直に抜ける。一面、青色が広がる。
 9:50、サイン消灯。
 
 真ん前のカーテンが締められる。ビジネスクラスのサービスを開始するのだろう。こちらも間もなく、紙のおしぼりが配られてサービス開始になる。
 
 
 眼下に見えていた海の色が変調すると台湾島の陸地が見えてくる。一昨日台北から陸路辿った道を今日は空からなぞり返す。しっかり詳細が見えているのが嬉しい。
 
 海線と山線の合流点、彰化の街が左手に、川を挟んで海線と山線が分岐する三角線が見て取れる。
 
 これは台中の空港らしい。右手には台中市内が見えているのだろう。
 10:15を過ぎる頃、ワゴンが廻ってきて食事が提供される。
 
 食事は一択ではあるけど、日本搭載のお弁当スタイルではなく、通常のもの。ありがちな日本そばなんかもある。行きと帰りで好みが分かれる所だろうが、自分的にはこのスタイル、嫌いではない。
 飲み物はジントニックをお願いする。すぐには用意できなくて、後ほどお持ちしますとなった直後、10:27ベルト着用サインが点灯する。外は結構分厚い雲が立ち込めている。
 飲み物は無いけど食事は進めてしまう。勿論食べ終わる。10:37、ベルト着用サイン消灯。機長さんからはこの先1時間は気流の状態が良好となる旨、案内がある。
 再びサービスが始まる。
 
 間もなくお詫びと共に飲み物が届く。おつまみも二袋、添えられた。
 飛行機は台湾島を離れ、琉球諸島が描く円弧に沿い、成田を目指しての洋上飛行に移っている。外は一面の海。今日は真下に飛行機が現れる、何て事もない。
 
 分厚い雲をみていても仕方ないのでビデオのプログラムに切り替える。もう飛行時間はそんなに無いので短めの番組を選択。
 11:55、あと1時間で成田に着陸する旨の案内が流れる。免税品の販売も終了。この便は日本航空812便、東京成田空港行きです、で締められる放送にどこか寂寞感が漂う。外は雲ばかりで変化はないが、確実に日本が、東京が近づいている。
 
 不意に雲が切れるとそこには島が見えていた。どうやら伊豆諸島、新島だか利島だかが見えている。あと10分でベルト着用サインが点灯する旨、案内がある。
 
 12:33には房総半島が見えて来る。そして12:41、ベルト着用サイン点灯。時計を1時間進め日本時間にする。
 青く眩しい空の下、飛行機は高度を落としてゆく。海岸線と付かず離れず北上してゆくとやがて九十九里浜。飛行機はうんと高度を下げて内陸へと入って行く。
 青い水田が間近に迫り、そして空港の大きな施設が現れる。13:56 Landing、RWy34R。減速して誘導路へ。どこのスポットに入るか、非常に気になる所だが、今日は本館側。一番端ではあったが、サテライトの外れに着くよりは余程いい。 
 14:05 Spot in、SP73 。「キャプテンが飛ばしてくれました」と通路側に座る妻と乗務員の会話。出発時の遅れを少々取り戻しての成田到着となる。
 
 飛ばしてくれたキャプテンと飛行機に別れを告げて入国審査へ。連休終盤を迎えて帰国ラッシュになりそうだが、この時間、入国はスムーズであった。
 
 日本に入国すると14時21分。飛行機を降りてから10分少々しか掛かっていない。これは早い方に属するだろう。
 毎回毎回、成田からの帰宅手段には悩む。行き羽田帰り成田とか、逆のパターンとかも増えて来たので、往復割引にも手を出しづらい。
 今回はだいぶ早い時間だったし、安く上げようとアクセス特急を選ぶ。京成の駅、スカイライナーを見送ってから乗り込んだのは
 
 01K運用3027編成。アクセス特急でもそこそこ早くて50分程で押上まで来る。ここで乗り換え
 
 61H運用1169編成となる。始発だったのかどうかは知らないが、楽に座れる。品川から地上に出て横浜へ。
 
 最後は19運用826編成。南太田についてみると成田空港から2時間が経っている。リムジンバスより無茶苦茶遅い訳ではなく善戦はしているのだが、成田は遠い。
 この時間の横浜、生憎の雨であった。ちょっと降りが激しく、スーツケースと折りたたみ傘というのも難だったので、自宅までのアプローチ、極めて異例ながらタクシーに乗ってしまう。
 帰宅すると17時。朝一番の飛行機に乗ったのだが、自宅についてみるとまるっと一日費やした感が大いにある。高雄からの帰国日。もう少し充実した一日なれば嬉しいのだが。