旅を始めて6日目の朝をバンコク、チャオプラヤー川を見下ろすホテルで迎えた。今日は一日、バンコクに滞在。一昨日と昨日が移動絡みでバタバタだったから、朝ぐらいはゆっくりする。
タイでおなじみ、8時の国歌斉唱をテレビで眺めた後、朝食を頂く。
仏教国のタイは雑食で、何でもそろっている。でも多少はムスリムにも考慮しているのかシュウマイなんかには豚のマークがついていたりする。前回泊まった時は気付かなかったけど、マレーシア経由でバンコクに来るとそんな事が目に付く。
今日は一日買い物のお付き合い。
いったん部屋に戻って身支度をする間に写真を少々。被写体は部屋からみえるBTSシーロム線の列車。
もうちょっと高層階の線路よりならチャオプラヤー川を渡る列車なんて絵になっただろうけど。思い出したころにベランダに出て一枚、また一枚という体で撮っていたので全運用は揃わないが、まぁいいや。
10時を廻ったころ、出かける。行く先はサイアム。先程眺めた
シーロム線の電車で移動することになる。
10時半過ぎのBTSは座れないにせよそれなりに空いていて楽に運ばれる。サイアムまで15分ほど。今日はここから少々歩いたところにあるショッピングセンターに行く。ここは去年、行こうとして閉店時刻に間に合わず、断念した曰くつきのところ。いわば妻の忘れ物を1年後に取りに来たようなものだ。
BTSの駅を降りて、伊勢丹の横を抜ける。
ショッピングセンターの前に寺院があってお参りをする人もちらほら。背景に見える下着姿のモデルの写真とのコントラストが何とも。でもこれがタイなんだろうなぁ。
運河を越えた角が件のショッピングセンター。前回来たときは夜の8時。閉店間際で入店できなかったのだが、今日はまだ午前中。楽勝である。
ショッピングセンターと書いたが小さな店の集合体。
妻が店を見ている間はベンチに座って恥辱を進める。何かあると呼ばれるので品選びに付き合い、別の店に動くとまたベンチへの繰返し。おかげさまで多少恥辱が進む。滞在二時間弱。それなりにご堪能頂いて去年の借りは返した、事になると思う。
さて。買い物で手持ちのタイバーツが少なくなったので両替に行く。ちょっと行った所にレートの良い両替商があるそうで、
こんなところを歩いた訳だけど、それらしい店は見つからぬままエアポートリンクの高架が見えてくる。昨日の例もあるので戻りつつ探したが結局、分からず仕舞い。両替は先程のショッピングセンターに戻る事になる。
気を取り直して昼食。今度は
こんな交差点の先。
何でもないような建物が人気のカオマンガイ屋さんなのだそうだ。確かに店は混んでいるが既に14時近い時間。さほど待たずに席に着くことが出来る。
注文は勿論カオマンガイ。それにコーラを貰う。暑くて暑くて喉が渇く。
まもなくカオマンガイが届く。あっさりとしたご飯とスープに鶏の味がしっかりのって美味しく頂く。
コーラも届いてこちらも頂く。氷のたっぷり入ったコップに入れて飲んでいると相席の日本人。同じくコーラが届いて、「氷ややばくね」何て言っている。こちらは気にせず飲んでしまったが、まぁ良いや。
食事の後は買い物となる。今度はスーパー。出来ればホテルの近くにしたいのだが、ホテル併設のデパートとその食料品売り場が改装中では仕方が無い。
渋滞を横目に歩道橋を渡る。伊勢丹の向かいにある大型スーパーまで脚を伸ばす。大きなスーパーは時節柄日本人の姿も目立つ。お土産用にお菓子やら何やらを買う。日本では見かけない小さな瓶入りのレッドブルは10本で10バーツしない。タイと日本の物価差はあるだろうけど、日本のレッドブルはやたらと高いんだろうなぁと思う。
荷物は増えた。両手が塞がる。そんな訳で帰りはタクシーに乗る。
メーターを使ってくれるのはありがたい。今回のバンコク、タクシーが毎回メーターを使ってくれる。のだが、このタクシー、目的地を間違えたとかで大回りしやがる。
とにもかくもホテルに戻る。時刻は16時半過ぎ。もう夕方に近い時間。いったん荷物を片付ける。その間に日がだんだん暮れてくる。
夕食はパッタイの美味しい店に行きたいそうで。地図とにらめっこして行き方を考える。場所は民主記念塔の近く。BTSの駅からではタクシーかバスの世話になる事になりそう。そこで、チャオプラヤー川を船で王宮の近くへ。そして歩いて行ってみる事にした。
チャオプラヤー川畔に有るホテルから船乗り場までは歩いて数分。
既に夕方の帰宅ラッシュが始まっている。船乗り場も船も結構な混雑。先に出る船は目的の船着場には寄らないそうで、次の船を待って乗り込む事になる。右側だけど座れた。
船は暮れてゆくバンコクを波を蹴って進む。この時間の船旅は実に涼しげ。
本当は右側に座りたかった。見たかったのはこれ。
ワットアルンがライトアップされている。自分の席を捨てて、左舷で写真を撮る。ワットアルンが過ぎてゆくとまもなく目的地。チャンピア。王宮最寄の船着場だ。
王宮最寄の桟橋から目的地であるパッタイ屋までは1km少々。ここを歩いてみる。
王宮の前を抜ける。この時間、さすがに公開は終わっていて入口からはクルマが一台、また一台と去ってゆく。職員の帰宅時間にあたるようだ。中はライトアップされていたが入ることは出来ないし、誰向けなんだろう。
もうしばらく歩く。この時間。王宮周辺は人影もまばら。
ロータリーになっている交差点、真ん中に象の像がどんと。こちらも派手にライトアップ。
その先の西洋建築。まん前にはアンティークな大砲がずらっと並ぶ。ここは国防省。やっぱりライトアップされている。
この国防省の脇を入る。道を挟んで外務省があるといういわば霞ヶ関みたいなところを抜けると、物静かな下町となる。
仏具街なのでこの通り、店の軒先に仏様がでんと構える。そういえばこの辺り、2008年にタイを訪れた時にタクシーで通ったな、何てことを思い出す。
さらにライトアップされている寺を横目に歩く。船を下りてから20分以上が経っているから1kmでは利かないかもしれない。ちょっとした観光にはなったけど。
物静かだった街が急ににぎやかになる。食べ物の匂いに満ちた通り。そして一気に雰囲気が変わった。
その中にあからさまに賑わっている店があって、そこが目的地のパッタイ屋。すぐには入れず、案内があるまで並ぶことになる。客の回転が早いのか、あまり待たされずに入ることは出来る。
一人前があまり多くないそうなので2人で3皿、種類の違うパッタイを注文、それに名物という
濃厚オレンジジュースを。ペットボトル1本で140バーツもするから驚いたが、価格相応には美味しかったので、ひとまず納得。その濃厚ジュースを飲んでいると
付け合わせの野菜が供された後で
頼んだ3種類のパッタイが出てくる。ノーマル、海老入り、そして
オムレツ風。このオムレツ風のパッタイがここの名物。値段はノーマルのパッタイで70バーツ。オムレツ風でも100バーツはしなかったと思う。いかに先程のジュースが高いかが良くわかる。
物珍しいし、美味しいけど、次に1時間近く掛けて食べにくるかと言うと、どうだろうか。
パッタイを頂いている間に20時を過ぎる。チャオプラヤー川の船便は終わってしまった。帰りはホテルまでタクシーにした。距離だけからいったらサイアム辺りが近いはずだが、今からサイアムに出る元気はない。
今度は間違えられないように「サタニーロッドファイ、サパンタクシーン」と行き先を告げる。通じたのかメーターを使って走ってくれる。道は空いている。中華街の辺りを抜けて、ホテルの近くへ。15分か20分ぐらいで運ばれる。ホテルの手前で降ろしてもらった。
この時間帯、まだまだ夜は始まったばかり。バンコクの街は賑やか。でも自分たちは明日の朝がひどく早い。コンビニに寄り道をして最後の買い物を済ませると早々にホテルに戻る。
明日に備えて荷物を詰める。昨日買ったけど飲まなかったビールの類もおみやげにしてしまおう。それだけやり切ると23時。
バンコクはまだまだ賑やかだろうが、寝ることにする。