駅に戻るとちょうど24時。改札口の周辺に50人ぐらいは人が居て、係員が
青春18きっぷ、8月4日の日付を捺印いたします」と始めたところ。その行列に加わり入場する。あてがわれたのは最後尾1号車。乗車位置の案内は無いが、交代の車掌が出てきたのでおおよその目安となる。貨物が1本通過の後、ヘッドライトが遠くで光り、到着を知る。


 久しぶりに乗るムーンライトながら。昨シーズンは全く縁が無かった。何時以来だろうか。思い出せない。

 車内はほぼ満席。デッキに立つ人も居る。途中駅からの乗車なので通路側を指定しておいたが、自席の隣は思い切り空いている。浜松辺りから乗るのかもしれない。
 車内放送は翌朝横浜到着まで省略と告げられる。早々に検札が来た。後は寝てしまおうと思う。アイマスクをして背もたれを少し倒す。まだ気が立っているのか寝付けないまま浜名湖を渡る。浜松が朧気に残るのを最後に寝落ちた。
 高速バスだと休憩の度に目が覚める。ムーンライトながらも静岡、沼津、熱海と停まっているのだけど、案内もないし車内もざわつかない。何かの気配で目が覚めてアイマスクを外すと外が少し明るくなっていた。時計は4時半過ぎ。横浜の手前、品濃トンネルの前後かなと思う。
 案内が入る。昨日の声と違うから熱海で車掌が変わったのだろう。
「時刻は8月4日の4時35分、列車は定刻で運転しております。あと5分で横浜に到着です」
 まだ豊橋から4時間少々だがもう横浜。昼間の普通列車乗り継ぎよりも早い。まもなく保土ヶ谷の駅が流れる。まだ朝を迎えたばかりの眠たげな景色が広がる。
 横浜では2割ぐらいの人が降りる。まだ京急も地下鉄も動いていない時間。ここで降りても路頭に迷う。根岸線だけは動いていて、ホームには夜が続いているみたいな人がちらほら。
 今日は東京まで乗り通す。少しずつ明るくなる空をぼんやり眺めて、いつもの京浜間を行く。
 薄ぼんやりがはっきりしてきて早朝5:05、東京駅到着。

 改めて一晩共にした電車を眺めると、今日は京王線を志す。自宅から出かけようとするといろいろと心の折れる事があって、なかなか早朝からと言う訳には行かない。今日は絶好の機会である。
 京王線新宿の始発に十分間に合うつもりで来たのだが、新宿に着いてみると5:38。かなり微妙な時間で18きっぷで一度改札外に出て切符を買っている間に始発電車は行ってしまう。それでも二番目の各停で調布に6時20分過ぎ。こんな時間に調布に立てる事は近年無かった。

 さすがにこの時間。誰もまだ写真を撮っていない。

 あいにく曇り気味の空で、なかなか絵になってくれないのだけど、撮っている間に日が射したり引っ込んだり。

 休日にのみ微妙に走る特急も久しぶりにみた。調布地下化に伴うダイヤ改訂で、わずかに設定された特急もなくなる。この時間に調布に立つ難しさを思うと、今日が京王特急を眺める最後の日になるのかもしれない。

 しっかし、最後に見た特急が7708F+7423Fっーのは、どうかと思う。
 日が高くなるにつれて撮影者も増える。葬送期なので仕方がないが、ちょっと撮りづらい。

 国領と違って、明らかに掘り返している訳では無い調布の分岐点。長年見慣れてきたこの景色が無くなるとは、この期に及んでもまだ信じられない。
 3時間ほど頑張った後に引き上げとする。稲田堤に出て南武線に乗ったらすっかり寝込んでしまい川崎まで。今更どうしようも無いから東海道線に揺られて一駅、横浜まで。午前中の早い段階で自宅に戻る。お昼を頂いたら眠くなって軽い昼寝のつもりががっつり夕方まで。