JL503 JA8984 B777-200 HND→CTS

 空港でクラスJにアップしたので座席の場所もよくわからないし、搭乗口も見ていない。レシートみたいな搭乗控えだと存在感がなくて、しっかりと見ないうちに仕舞い込んでしまい、いざ搭乗と言う時になってから慌てて見直す事になる。

 今日の搭乗機。JA8984は鶴丸塗装のエコジェット。前回成田→中部で乗った太陽のアークなエコジェット、JA731Jと違って、鶴丸が緑、になっている訳ではない。そして乗ってしまえば特に変わるところは無い。
 ほぼ満席とのことだったが、9割以上の搭乗率と言った所。でも若干、クラスJにも余裕がある。ファーストと埋まっていて、1席2席、空席があるぐらいか。
 定刻7:30を過ぎて少々、「搭乗を取りやめられたお客様の手荷物をこれから降ろします」とのことで出発遅延。先に伊丹ゆきがPushbuckして行くのを見送り、待つことしばし。もう5分ほど掛かる見込みとの案内の後、「お待たせして申し訳ございません」とキャンディーが配られる。
 7:47、Doorclose。ようやく出発の目処が立つ。今日のフライト、揺れが予想されるそうだ。7:51、Pushbuck。7:55、Taixing。以前の羽田ならこの時間の離陸は渋滞だったに違いないが、滑走路が増えて、南北で使用滑走路が分離された分、非常にスムーズ。留まる事無く滑走路端まで歩み出る。8:03、Takeoff RWy34R。
 東京湾、大井の埋立地が霞んで行く。東京ゲートブリッジも霞の中へ。そして白い雲に包まれる。
 8:09、千歳到着が9:20になる旨が告げられた後、電子機器の使用が許可となる。

 外は真っ白。天空の彼方が微かに青みを帯びているだけの白い世界。飛行機は高度を上げていって8:14、ベルト着用サインが消灯する。
 ここまで揺れらしい揺れもなく順調なフライト。ファーストクラスとの間のカーテン、ギャレーを仕切るカーテンが閉じられ、機内サービスの準備が始まる。

 ワゴンが廻り始め、コーヒーを頂く。特に何か食べていた訳でないけど、おしぼりも頂いた。
 窓の外は先程からずっと白い世界。雲がなければどこかで桜前線を追い越す様が見えるのでは何て事も思わない訳ではなかったけど、今日の天気ではとてもとてもである。
 8:39、機長さんから飛行状況の案内。現在、高度9,500mの上空を対地速度910km/hにて飛行中。このあと7〜8分で下北半島上空に差し掛かり、千歳空港へは15分遅れて9:15着陸予定とのこと。現地の天候は曇り、気温は12℃。

 外がうっすらと見えるようになる。桜なんてとてもとてもの薄さぶりだが、一応は海岸線らしきものが見えている。先程の案内から察すると三陸の北側。宮古とか久慈とかその辺りの様子。上空へと視線を伸ばすと青空が見えていて、北に向かうに従い、天候が回復、と言うよりこれから崩れるのだろうが、とにかく悪天候から逃げてきた体だ。


 もう一度地上が雲に隠れて、そして晴れると、そこには北海道の海岸線。9:00、ベルト着用サインが点灯。電子機器の使用も不許可となる。15分で着陸だそうだ。飛行機は北海道の山地へ。まだ高度が高く、新千歳空港、北側へ回り込む様子。茶色く濁った川とスノーシェルターが物々しい駅が見えて、夕張へと差し掛かっているようだ。山へ入ると谷間に残雪。背景の芦別岳はまだ真っ白。小さく揺れながら左へと旋回してゆくと今度は畑の広がる大地になる。だいぶ高度を落としてきた。千歳の市街地が広がり始める。
 9:15、Landing、RWy19L。急減速して行ってTaxingに移る。客室乗務員の挨拶、4月22日からB787、ボストンへ就航した事が添えられる。「皆様にご支援頂き、新しい飛行機で新しい街へ就航出来たことをお礼申し上げます」と。そういえば、機内備え付けの絵はがきもB787のものになっている。

 9:22、Spot in。SP11。外は若干肌寒い程度。思ったよりも過ごしやすい。
 朝の割と早いうちに千歳に到着。朝食がまだだが、早朝に羽田のラウンジでおかき何ぞを中途半端に食べてしまったが為に余り空腹ではない。食堂に行くつもりを取りやめ、妻は到着階のお店でおにぎりを買う。自分は軽くお弁当を買おうと、ひとまずホームへ。

 でもこの時間、まだ開いていない。結局キヨスクでおにぎりを買うことになる。これならさっき一緒に買っておけば良かった。

 キヨスクのおにぎり。一応は北海道色が豊かな商品だった。それなりに気分は豊かになれる。
 快速で札幌まで移動する。飛行機が混雑していた割には電車はそれほどでもなく、ゆっくりと座って千歳。その先は地元の人で混雑してきて、札幌までは30分少々で運ばれる。

10時半前には到着。一度ホテルへ。もちろん部屋には入れないが、荷物を預けて身軽になる。
 今日は特に何も決めていなかったが、札幌でも桜が開花したと聞いたのでちょっと見に行ってみる。札幌で桜の名所、なんて心当たりは無かったけれど、ちょっと調べてみると円山公園なんて名詞が出てきたので行ってみようと決める。

 大通から地下鉄。今日は平日なので、ドニチカきっぷは使えず、普通に乗車券を買うことになる。地下鉄で数駅。円山公園の駅で下車。出口がたまたまダイエーの食品売場につながっていて、

 花見の準備特集なんてチラシが出ている。花見の準備、まるでしていないが、こちらも円山公園まで歩いてみる。

 円山公園。花見の期間中だけは園内で焼肉OKなんだそうだ。園内は煙がたちこめ、あちこちで肉の焼ける匂いがする。

 桜はエゾヤマザクラだったりソメイヨシノだったり。先日開花宣言が出たばかりなのに、結構しっかり咲いている。開花宣言ソメイヨシノ開花宣言で、エゾヤマザクラは先に咲いていたのかもしれない。
 もっとも、旭川の桜は、今日この日に開花してそのまま満開まで突っ走ったそうである。北海道の春が一気に駆けて行くその真ん中に放り出されたようだ。

 園内をぶらぶらする。出店の類も賑やか。春の喜びに満ち満ちた5月の札幌をちょっとだけお裾分け頂いた、そんな気分になれる。

 公園内には梅園もある。こちらも満開。「桜より梅の方が綺麗ね」なんて会話も聞こえる程、見事に咲いている。


 北海道神宮にたどり着く。梅と桜が同時に咲き、そして鯉のぼり。梅桃桜が同時に咲くから三春なんて地名があったけど、今年の北海道はそれ以上の同時多発春到来中。


 地下鉄の駅に戻って大通駅へと戻る。今度はバスに乗り換えるので乗換券を買ってみた。バスと地下鉄各200円で400円となる所を80円引き。地下鉄網が粗い分を補う制度だろうか。そんな制度の無い横浜市民からすると羨ましい。

 やって来たバス、環88系統に乗る。札幌駅後核まで行った後、サッポロファクトリーを廻ってサッポロビール園に向かうコース。テレビ塔の近くも通るからプチ観光バスと言った風情。ビール園まで20分弱で運ばれる。着いてみると13時過ぎ。
 今日はお昼にビール園でジンギスカンを頂く。自分はジンギスカン文化に慣れ親しんできた身で、妻は羊の匂いが苦手。そんな訳で二人で札幌に来る機会があってもジンギスカンを食べに行く事は避けていたのだけど、今日はこちらからのストロングリクエスト。妻も付き合ってくれるというので甘えてみた。

 連休の谷間だからかお昼からジンギスカンと言う人は少ないのか、予約は無くても普通に入れる。夜に来るなら予約するつもりだったが、お昼ならまぁいいかと思って予約なしで来てしまったが、それで問題無かった様子。

 ジンギスカンは生ラムにしておく。ラム肉であれば、まだマシだろうと匂いに鈍感な自分は思うが、敏感な人にはラムであっても羊は羊であるらしい。


 ジンギスカンは三種類。醤油、にんにく塩、付け。各々を焼いてたれで頂く。やはり先人の知恵は偉大で、醤油の方が匂いが気にならず、ニンニクは意外なほど匂い消しの役目を果たさないそうだ。これは妻の評。ラム肉そのものは柔らかく、自分は満足、妻からも一定の評価は得ることになる。

 ビール園なので当然ビールを一緒に頂くけど、肉を焼くのに忙しくなると、ビールの方が疎かになりがち。

 周りのテーブルは観光客と地元のお客さんが半々ぐらい。意外と地元客率が高い。先程みた円山公園の光景と言い、札幌市民は焼肉大好きなんだなぁと思う。

 ランチ限定の60分食べ放題コースを堪能し、14時半過ぎにビール園を後にする。再びの環88。これがホテルのすぐそばまで行く。結局、途中で降りて買い物をしてからホテルの部屋に入ったが、札幌をコンパクトに廻る分にはこの系統のバス、便利である。
 ホテルの部屋に入ると疲れがどっと出てくる。バスの中でも居眠りしたのだが、動く気力がなくなり、本格的な昼寝。その間に妻は出掛けていたらしいが、全くわからなかった。
 改めて目覚めると日が沈む時刻。夜は居酒屋を予約しているが、少し早い目に出て、ベタな観光を。

 日本三大がっかりでお馴染みの札幌時計台だが、近くを通るとついつい寄り道してしまう。

 その先の札幌テレビ塔。タワーブームの波にのってか、大通公園から見える側だけライトアップをしている。そこそこ綺麗に夜空に映えている。
 日が沈んで昼間の暖かさが陰を潜めたので、大通から先は地下街に。すすきのの街、海鮮の居酒屋にお邪魔した。本当は別の店を出向先の人に勧められて、横浜から予約の電話を掛けてみたのだが、「その日は市場がお休みなので営業していない」とのことで他の店を探して予約。こちらも「烏賊の入荷が当日にならないと分からないのですが、それで良ければ」と不思議な条件付予約である。その烏賊と刺身の盛り合わせ。山菜の天ぷらにカニクリームコロッケと言うラインナップ。

 ビールは普通にクラシック。昼間、ビール園で飲んだものより味が劣る気がする。というより流石にビール園のものはよく管理されていると誉めるべきか。

 刺身は8点盛りで来た。どれも美味しいが一番印象的なのはタコ。餅のような弾力がある。これを年寄りが食べたら間違いなく喉に詰まらせて死ぬ。そんな事故は聞いたこと無いけど。

 ふきのとうやタラの芽と言った春らしい山菜の天ぷら。ふきのとう、実に久しぶりに頂いた。

 そして逸品だったのがカニクリームコロッケ。このコロッケ、カニクリームではなく、蟹の身クリーム添え。身がごろごろしているコロッケは初めてだ。
 さすがに満腹。これで一人3,500円程度だから実に安い。満足してホテルに戻る事になる。

 すすきのの街はこれから本番なのか、呼び込みが実に賑やかな中を駅の方に向けて歩く。狸小路の辺りを抜けるとそれも穏やかになる。

 相変わらずライトアップ中のテレビ塔を横目にホテルまで。部屋で軽く飲んだが疲れが廻ってお酒も廻る。昼間よく寝たのに、夜も普通の時間にzzzz。