水曜日の朝。夕方には横浜に戻るつもりだが、今日が台風本番である。さてどうなるかと思いつつ身支度をする。キャリーバックを最寄り駅のコインロッカーに預けて会社へ。途中で雨が本降りになる。
 降ったりやんだりだが、だんだん本降りの時間が長くなる。今日は打ち合わせが3件もある。やれやれだがまずは9時過ぎ。最初の打ち合わせで別の建物に行く。少々歩く間にずぶ濡れになる。
 午前中一杯掛かって一度自席に。午後はまた別棟に。雨はいよいよ激しく、風も酷く、今度も濡れる。2件目が夕方まで。終わって外に出ると雨がやんでいる。風も治まった。どうやら台風が過ぎたようだ。
 3件目の打ち合わせは先方の担当者が出勤出来ずにお流れになった。ならば定時上がりで横浜に戻ろうと思うが、新幹線、不穏な事になっている。
 豊橋に出るにも東海道線名鉄線も運転見合わせなので名古屋に出る。

 台風一過、雲の切れ間から夕焼けの見える18時の三河。停まっているはずの名鉄豊橋行きの急行が走っていったり、どうやら回復傾向。ダイヤは乱れているがひとまず名古屋には出れる。

 新幹線も乱れている。12:40ののぞみがまだいるらしい。台風は足が速くなったし、風さえ治まれば走れるような気がする。ひとまず待ってみよう。指定券は発売停止になっていたから、自由席券を入手。

 ラーメンでお腹を満たすとホームに入る。
 案内が運転見合わせの情報を流す。富士川の水位が上がっていて運転再開の目処が立たないと仰る。富士川と言うのが痛い。台風は山梨を通過していったから暫くの間、水位は上がる事はあっても下がる事はあるまい。どうやら台風が過ぎてもしばらくダメそうだ。
 ホームで待ってみる。

 定時であれば12:40に名古屋を出るのぞみ228号がホームにいる。人は意外と少ない。指定席には空席も見えるが自由席は満席。動くのであれば車内で待ちたいところだが、ひとまずはホームで様子を見ることにした。

 富士川の水位が下がらないそうでちょっと調べてみた。富士川だけでなく各水系の水位がチェックできるサイトがあった。
 川の水位情報
 ちょうどこの頃の富士川の水位がこれ。 

 しばらく無理そうだなぁと思いざるを得ない。
 明日の朝には横浜に戻りたいから、今日の夜行バスを調べてみる。やっぱりと言うか名古屋発のバスはどれも満席。色々調べてみると知多半田から刈谷知立を経て東京へ向かう知多シーガル4号に空席を見つける。ひとまず予約だけ。決済は新幹線がいよいよダメという事になってからで良い。

 東海道の在来線は富士川の部分も含めて運転再開しているみたいだし、新幹線も再開しないかなぁと淡い期待は抱いてみる。でも案内は繰り返し「本日中に水位が下がる見込みがありません」の繰り返し。諦めたのか目の前の新幹線を降りて改札へと向かう人もいる。

 尚の事、待つ。騒いでも仕方ないので体力を温存しようとホームに座り込む事になる。新大阪からこだまがやってきてこれは名古屋どまり。どうやら折り返し新大阪方面に戻すようだ。

 22時。サイトを覗きに行くと駅には流れていない最新情報が出ていた。本日の運転再開はなし。特に書かれていないが、名古屋に足止め中ののぞみが静岡辺りまで行く、と言う事も無さそうだ。これを見て先程予約した高速バスを決済する事にする。
 改札に戻ると、19時頃に見かけた状況よりは落ち着いていた。払い戻しを受けるための列は長いが、未使用証明だけであればさほどの行列ではないので証明のスタンプだけ押してもらった。

 改札の情報はネットの情報よりも遅い。まだ今日の運転再開せず、と言う情報は出ていない。
 名古屋で待っていれば恐らく列車ホテルとして車両開放ぐらいの処置はあって、明日の朝の新幹線に乗る事は出来るだろうが、高速バスを押さえたからそちらに転進する。結局意味無く滞在3時間。本来なら自宅についていて然るべき時間に名古屋駅を後にする。
 バスは知多半田発だが、予約は何となく知立からにした。名鉄の駅に戻り、

 名古屋本線を東に戻る事になる。22時過ぎの名鉄電車。本来であればラッシュの続きだろうが、今日は早々と帰宅した人が多いのか、この時間の電車は特急でも極めつけに空いている。
 知立に着くとまだ22時半過ぎ。バスの発車までは1時間以上ある。どこかで飲んで時間を潰そうかと思うのが、その前にバスの乗り場ぐらいは確認しておこう。駅前のバス乗り場

 全く触れられていない。駅前を一周してみたが全く乗り場が分からず、駅に戻ってちょうど掃除をしていた駅員に聞いてみる。「JRバスの東京ゆき」と聞いたのだが存在自体を知らないらしく事務所に引っ込んでしまう。そして3人係員が出てきて「八重洲行く奴か」「多分そうです」なんてやりあった挙句に「ここの通りを真っ直ぐ行ったホテルクラウンパレス知立の前」と教えてもらう。

 この交差点の先がバス停。ホテルの前といわれたが、右に曲がったホテルのエントランス前ではなく、真っ直ぐ行ったホテル横から。この暗さでバス停のポールの有無が遠くからでは分かりにくく、ホテルの前でまた迷う事になる。
 バス停の場所が確認できたので駅前に戻り適当な居酒屋に入る。かなり適当だったが、

 偶然サッポロビールの店にあたったし、そこそこまぁまぁ。  


 適当に追加追加で頼んでいたら最後はバスの時間、ギリギリになってしまう。
 先程のバス停に戻ると今度は数人の乗客が待っていた。まもなくバスの時間。駅の角を曲がってくるダブルデッカーの姿が見えた。これなら駅前のバスターミナルに入ってくれた方が分かりやすいのだが、恐らく名鉄が意地悪をしているのだろうと思う。どうも愛知県の交通機関って、客の利便性よりも自分の権益を優先する気配があるように思う。

 名古屋からのバスは満席だったが、このバス、自分が予約した段階で6席空席があった。乗ってみると少々空席があり、知名度では劣るのかも知れない。自分もこちらに住む様になって初めて知立刈谷を経由して半田に向かうJRバスがある事を知ったぐらいだ。
 半田からコマゴマをお客さんを拾ってきたバスは知立駅が最後の乗車地。この先、東名高速の富士と清水の間が通行止めで一般道へ迂回する事と、それに伴う大幅な遅延が予想される事が告げられる。休憩は赤塚のパーキングエリアのみで、そのあと、乗務員の休憩と車両点検で停車する事はあっても乗客は外に出れないそうだ。
 一般道を緩々走っていたがいつの間にか高速走行に入った。ぼんやりとしていたが何時の間にか眠ったようで、赤塚の休憩で目が覚める。時刻は0:33。20分停まるそうだ。

 馴染みのない赤塚のパーキングエリア。コンビニや吉野屋なんて店まである。20分と言う停車時間はまとまった時間で、その気になれば牛丼にも手を出せるだろうがさすがに見合わせる。お手洗いだけ済ますと早々と席に戻り、リクライニングを倒す。人数点検が入った所までは覚えている。バスが動き出し、高速走行に移るころを境に記憶が無くなった。