牡蠣

 右手から輪島への廃線跡が寄ってきて穴水到着。ここまで乗って来た乗客は4分後に出る七尾行きに乗り換えてゆく。穴水で降りたのは自分ひとり。さてここから空港に向かうわけだけど、その前に行きたいところがある。
 予備知識は全く無かったけど穴水は牡蠣の産地らしい。ちょうどシーズンで1月から3月まであちこちの店で牡蠣フルコースを競っているそうだけど、そのメインイベントとして、1月29、30日、かきまつりというものが開催されているとか。
 http://www.town.anamizu.ishikawa.jp/kanko/maimon/kaki.html
 この情報、能登空港で貰ったパンフレットで読んで初めて知り、その時は珠洲から穴水に行けると思って居なかった訳で、残念!!と思っていたのだけど、自分は今、なぜか穴水に居る。穴水から能登空港へはタクシーで20分弱と思われ、15:10に着陸するEL749を撮影することを考慮すると40分ほどの時間がある。かきまつりの会場は穴水町役場前とあり駅からどの程度離れているのか判別つかないけど、時間が許すならぜひ行きたい。地図で役場の位置を確認すると駅から1キロ弱であり歩いてゆける範囲だ。地図を頭に叩き込み歩く。10分弱で会場に着く。会場の真ん中にたくさんのテントが出ていて、人々が思い思いに牡蠣を焼いている。それを取り囲むように物販のテント。メインステージではカラオケ大会。一回りしたけどシステムが分からない。スタッフに聞いてみると1袋千円で11個入りの牡蠣を買いそれを自分で焼くのだそうな。時間あるかなぁと思ったけど引き返すのも悔しいので牡蠣を買う。適当に空いていたところで牡蠣を焼き始める。一度に焼いても仕方ないのだけど焼ききれないのはもっと嫌なので全部焼く。網の上におきしばらく待つと硬く閉じていた牡蠣の殻が割れてくる。適当な牡蠣を一つとってこじ開け食べてみる。ちょっと生焼け、でも美味しい。しかし時間が経てばどんどん焼けてゆくわけで最後の方は汁がすっかり焦げてしまう。これで所要15分。
 落ち着いて他の人の焼き方を見ると軽く火を通したところで殻を割り、再び網の上に戻して焼き加減を見ていた。なるほど、こうやって焼くのが正しいのか。
 駅に戻る。14:45。タクシーを捕まえる。空港までというと運転手、機嫌よく走り出し語りだす。今日は寒いですねに始まり、昨日は暖かかった、この間なんて16℃もあった、今年は雪が少なくてこの辺りでもチラホラとしかなくて。
 「でも、今日からは大変みたいですね。来る時の飛行機は大揺れでしたよ」と振ると、明日は今年一番の寒波だ、明日の飛行機は経験から言えば飛ばない。「飛行場が出来て便利になったでしょ」能登の飛行場は北朝鮮対策だから話が出てからあっと言う間に出来上がった、工事に来てた人たちが予算が満額通る空港も珍しいと言ってた。「でも自衛隊って居ましたっけ?」今は小松にいるけど向こうは市街地だし民間機も多いから。ここの空港は滑走路2,000mだけど舗装の厚さは軍用機用だって工事の人が言ってた。滑走路を延ばすための敷地も準備出来てる。
 その空港に着く。ここまで¥3,500ほど。前もって乗り合いタクシーを頼んでいれば\500。まぁ、仕方ないか。さっきの話を聞いて改めて空港を眺めていると確かに何も無いしいくらでも拡張できそうだ。先週の徳島空港は民間ターミナルと滑走路を挟んで航空自衛隊がいたけど、さて、能登にもそんな光景が広がる時が来るのかな?