2021-11-27

 気が付いたら着替えもせずに寝ていた。飲んでいる途中でベットにばたん、だっだそうだ。まだ朝早い。旅先の札幌市内、ホテルの一室。
 外は何か叩くような音がする。雪ではなく霰、らしい。窓外を見ると暗がりに白いものが見えている。
 改めて朝を迎える。身支度少々。早めに朝食を志した。土日とホテルは混んでいて、朝食も混雑が予想されるとの事。普段より30分早い5時半から営業するそうだ。それでも7時過ぎには満席が予想されるとか、で。
 朝食自慢のホテル、その朝食を頂く。

 海鮮にジンギスカン。取らなかったけどスープカレーもあった。宿泊者は有料¥1,800というメニューだが、相当に充実している。

 特にこの海鮮。ホテルが競って海鮮を朝食に出すようになって久しい。函館の●市やら札幌の●条市場とか、観光客相手にぼったくり海鮮を出している店は大打撃だろう。
 朝の6時から相当頂いてしまう。満足して部屋に戻るとまだ7時であった。

 外は夜の間に雪が積もっていた。食事前に霙が降っていたことからも分かるように、本格的な寒さが来ての雪と言うよりは雨は夜更け過ぎに雪へと変わった雪。
 少々だらんとした後、街に出る。午前中は妻に時間と予定を委ねている。午後は少し時間を貰った。

 湿った雪なので怖くはないが、雪が除けられていない歩道を歩く。腹ごなしで札幌駅前までだが、さすがに歩きづらい。

 市電が見えたすすきのからは地下に入ってしまう。地上よりも歩く人が目立ち、街も賑やか。札幌駅界隈での買い物にお供する。
 ホテルにも戻る。荷物も増えたので地下鉄の世話になる。昨日と違い、土日専用の格安一日乗車券が使えるので、そちらの世話になる。
 部屋に戻って荷物の整理。時刻はお昼過ぎ。すごく空腹、と言う訳では無いがお昼ご飯にする。ホテルから少し距離があるが、すすきのの外れにあるラーメン屋にゆく。えびそばで有名な店の本店。空港では行列が長すぎて並ぼうと思った事がない。
 ピークは過ぎている筈だが、コロナ禍で席数を絞っている事もあり、待ち時間がある。待っている間に注文があり、席に通され間もなく

 えびそばが出て来る。ずいぶんと手際が良い。何度もえびそばなるものを食べた経験は限られるが、今の所は暫定一位で良いと思う。
 お暇して札幌駅の方へ向かう。 


 手持ちの切符では市電は乗れないので眺めるだけ。線路敷だけ雪が残っているが、この程度の積雪なら寄せるまでもないのだろう。ササラ電車は出動しなかったと見える。
 すすきの駅に戻って地下鉄で二駅。今日は

 JRに乗る。快速ではなく普通列車。車内は空いている。案内で「東京の京王線での事件を受けて警戒を強化しております」なんて言葉が流れて来る。そんな著名な路線ではないのに、妙な事で名が立ってしまった。
 函館線の電車で1駅。苗穂で降りる。

 構内にはキハ283系が姿を見せていた。この後14時に札幌発釧路行となる特急おおぞらに充当される車両か。2か月前、釧路から乗ってすぐに寝込んでしまい札幌まで寝て過ごしたことを思い起こす。ほぼ記憶が無いけど。
 改札を出ると駅の北側へ。


 生きているのかいないのか、定かでない苗穂工場の入場車両を見て少々歩く。この時間、雨が降ったりやんだり。歩き回るには不適だが、その中を少々。着いたのは

 苗穂工場内にある北海道鉄道技術館。月に2回だけ開館という施設だが、今は第四土曜日の午後2時過ぎ。つまり開館中である。別の博物館を調べていて、偶然、苗穂構内の鉄道技術館の開館日に札幌に滞在する幸運に恵まれたと知った次第。午後は時間を貰ってこちらを見学する。 
 屋外に展示車両が少々あるのでそちらをまずは見ておく。

 苗穂工場で製造されたD51が展示されている。屋外とはいえ屋根の下。保存状態は良好。

 おでこのラジエーターが物々しいのは初期の気動車。キハニ5005。「ハ二」の記号が示す通り三等車と荷物車の合造車なのだが、どちらもささやかな構え。その割に重そうな車体だ。

 789系が近くに留置されている。既に運用離脱しているのは間違いなさそうな雰囲気。2000年代初頭の製造だから車歴20年に満たない。以前乗った特急オホーツクのボロボロ度合いを覚えていた妻が、なぜこんな新しい車両が使われないで、あんな古いのが使われているのかと聞いてくる。答えは自分も持ち合わせていない。オホーツクには電車は入れないけど、789系よりも経年車の785系が使われていたり、JR北海道の施策は時として理解を越える。

 蒸気が所々で吐き出される景色を懐かしい思いで見る。昔の秋田機関区も冬になるとあちこちで蒸気が上がっていた。学校なんかでも蒸気暖房。冬になると蒸気ストーブ、と言えばいいのか、配管の上に弁当を置いて、ほかほかの昼食を頂いたものだ。

 レンガ積み、古びた検修庫を眺めつつ技術館のある建屋へ向かう。

 入口こそ新しいがこちらもレンガ積みの建物。その中に入場する。
 元々は社内向けの資料室だったようにも思える技術館。鉄道部品の構造を示すような展示とか、苗穂の歴史、取り組みが分かる資料とか。そんなものが中心。いくつか写真を載せる。

 鉄道車両のインテリアパースが展示されている。JR発足後のJR北海道が取り組んだ車両はほぼほぼ漏れなく展示されているぐらいの勢い。他の博物館では見た覚えがない。JR後の物でも発足から三十数年経つと屍累々という感じでもある。この頃のJR北海道は勢いがあったのだなぁという別の視点もある。

 左は781系で使われていたヘッドマークですかねぇ。エアポートとすずらんは今でもあるけどこんな立派なマークは無くなった。ホワイトアロー、なんて列車もあったねぇ。札幌-千歳空港の短距離特急が出た時は衝撃的だった。

 北海道ならでは、と言う事で各種リゾート列車の展示もある。いずれも苗穂工場が送り出したものだから自慢の一品に違いない。いま改めてみると手作り感に満ちた所がある。
 そして

 キハ82の前頭部と

 アルファコンチネンタルエクスプレス、キハ59の前頭部。妻はバブルの頃のクルマみたいと言う。言われてみると確かに影響は受けているように見えてくる。キハ82は1960年代はアメ車のデザインに影響を受けていると言われるけど、それと同じか。 

 主電動機のロータ部分がカットモデルになっていたり、

 3軸ボギー台車があったり。3軸の実物は初めて見たかも知れない。

 相当大きく精密な模型が並び、一緒に道内で活躍した列車のヘッドマークも展示されている。ヘッドマークも並べてみると手作り感があり、同じ列車の物でも微妙に違う。
 案外と楽しめたし時間も費やした。残念だったのはC62-3号機。既に冬季と言う事で冬ごもりをしている。
 最後、展示品ではないが、見えるところに置かれていたので。

 キハ183の廃車体。一番新しい500番台でも状態が悪いのはオホーツクで乗って重々承知している。登場から30数年の酷使を経ている事も重々承知しているが、この世代が廃車かぁとは思わずにはいられない。
 敷地を出る前、入口の所、社内向けの掲示がある。品質目標だったり、落とし物の告知があったり。そんな様子を二人で見ていると守衛さんが声をかけて来る。
「みなさん、立ち止まってご覧になっているんですけど、何かありましたか?」と。
 ほぼほぼ立ち尽くしていて疲れた。休憩を兼ねて苗穂駅の北側にあるショッピングモールに入って喫茶、と思ったがなかなか良い所が見つからぬまま、勢いで買い物になる。その間に日が暮れて来る。夕食はサッポロビール園を考えている。まだ時間的に早いから、



 サッポロビール博物館を見学。確か一昨年あたりにも見学しているけど。

 更に試飲の後でビール園、入れるかと思ったら予約でいっぱいだそうだ。早くて2時間後、19時半以降との事。これだけの大箱が埋まる程に観光客が来ているとは夢にも思わなかった。
 サッポロビール園は諦めて、一旦ホテルに戻ることにする。ジンギスカンにはするけど、ホテルに戻った後、すすきの近在で探そう。

 今度は地下鉄でホテルに戻る。時刻は19時近くになっている。二つ三つ候補を探して改めて出掛ける。
 ジンギスカン鍋、と言うよりは羊肉を食べさせるような店に入る。メニューから二三選んで注文。

 ビールと共に鍋が運ばれ、そして

 ラム肉がやって来る。

 タレに付け込んだ薄切肉、という典型的なジンギスカンからは遠いけど、頂く。これが本当に臭みがなく美味しく頂ける。異次元の羊。羊を苦手としている妻も全く抵抗なく食べられる。

 ついビールが進むので抑止の意味も込めて瓶ビールにする。

 羊肉も追加。妻が羊に拒絶反応を示すことに備えて、メニューに羊以外がある事は確認しての訪問だったが、杞憂に終わったのは幸い。

 しかし、良い店だ。サッポロラガーにエビスの黒。ツボを心得ている。
 すっかり満足した。1時間少々でお暇頂いたが、再訪したい。
 ホテルに戻って軽く飲みの続き。昨日よりは遅くまで。寝るのも意図をもってベットに入る事になる。

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