2020-07-25

土佐は高知のはりまや橋路面電車がご自慢のホテルの一室で朝を迎える。4連休の3日目。梅雨末期の大雨が来ている南国土佐。今日は小康状態らしいけど、土讃線は昼過ぎまで運転見合わせという。予土線も止まってしまった。高知県から鉄道で出る事が出来なくなっている。
 ホテルのチェックアウトは10時。それまではご自慢の路面電車を部屋から眺める。

 いつ来るか、というのを気にしなきゃならない事を除けば、

 電車がどんどんやってくるので楽しい。

 桟橋通五丁目からやってくる電車は交差点手前の電停に停まる様子が見えるので気付きやすい。
 そして意外とはりまや橋で左折する電車が目立つ。

 とさでんのバスも結構な数が走ってゆく。元土佐交通と元高知県交通の両方がいるのかな。塗装は雑多。そして

 この電車のクーラー、家庭用だ。
 派手な広告車両も目立つ。

 この電車は四万十うなぎ。なぜショッキングピンク


 低床の連接車がカーブに差し掛かるとよく映える。新旧塗装そろい踏み。

 またクーラーが変。屋根の強度が足りないので車両用のクーラーをつけられない、なんてクルマがあった筈。

 朝食はコロナの影響でやっていないのでコンビニで買って部屋で食べてという調子で10時まで。JR四国のサイトは6時の更新が最後。お昼過ぎの運転再開が具体的に何時ごろなのか、判断付きかねるが、14時頃には動いてほしいところ。
 時間があるので午前中は高知市内を少し観光する。とはいえ

 はりまや橋だけでは時間はつぶれない。
 ここから歩ける範囲に高知城があるのでそこまで足を延ばす。

 路面電車を路面で見たのち、アーケード街を西に少し。何かに行列ができているひろめ市場を見て、

 自己主張の目立つ店を横目にさらに西。途中、地場のスーパーを見かける。帰りに寄ろう。そして

 高知城が見えてくる。結構大きなお城で天守閣はずいぶん遠く、高くに見えている。時間はあるので見学してゆく。
 門の近くに馬の銅像が見える。近づいてみると

 近づいていると馬にまたがるのは高知藩祖、山内一豊。馬揃えの像かと思う。少し階段を登ると

 またも馬の像。隣にいるのは一豊の妻、千代と呼ばれる女。やっぱり馬揃えの像だ。
 石段を登り登り、息切れつつも登る。高知城は入城料が必要なはずだが、天守閣の真ん前までは無料だった。

 だいぶ眺めの良い、天守閣の真ん前まで来て初めて受付がある。この天守閣、江戸時代中期に再建された後は健在で、第二次大戦での空襲も潜り抜けたもの。紛い物ではなくて本物のお城。
 入場料420円を払って内部へ。外国の観光地ならもう少し値段を上げるかもね、と思いつつありがたく入城する。

 順路に沿って歩く。展示を眺めたりするとその先は階段。梯子かと思うほどの急な階段を1つ上の階へ。さらに一つ上へとあがる。

 先程登って来た石段がだいぶ下に見えるようになる。
 天守閣の一番上まで登り切る。

 あいにく改修工事中で視界は遮られるが、それでも高知の街を一望できる。街中は見通せるが街の向こうに見える四国山地は雲の中。あの山はまだ大雨なのだろうか。
 城を出てホテルへと戻る。途中見かけた地場のスーパーに立ち寄るとホテルには12時ちょっと前に着く。次の岡山行き特急が動くのであれば12:13。JR四国の運行情報は更新されていないが、現場の生情報を確認しようと駅に行くことにする。
 預けた荷物を受け取るとはりまや橋の電停に。

 やって来たのは後免ゆき。これには乗れない。でもひらがなで「ごめん」と書かれた電車が見れたのはちょっと嬉しい。ガキの頃に見た図鑑に出ていた記憶が未だにあるもので。

 直後にやって来た電車で高知駅前に向かう。ものの5分で高知駅着。電停からJRの改札までは段差なし。

 出発案内。12:13の特急は姿が見えない。運休かなぁと思う。

 昨日19時時点での運転見込みが出ている。これによると11:13出発の南風12号までは運休、との事。

 しかし、12:49の普通列車阿波池田ゆきは動くんだ、動くんだ。
 誰かが駅員を捕まえて質問をする。その答えが漏れ聞こえる。
「12:13から運転再開しますが、徐行運転をするので遅れます」
 運転再開だ。間違いなく再開だ。速攻ホームに上がる。やってきた列車は

 アンパンマン列車、君か。
 出発時間直前に列車は入ってくる。お客さんを乗せ出発準備。運転再開直後の1番列車だから混みあうかと思ったけど、さほどではない。それでも昨日予土線で見かけたような人とか含めて4割ぐらいの堰が埋まっただろうか。
 つい20分前まで動くと思っていなかったので、心の準備が整わないまま、振り子式気動車は南国土佐を後にする。
 気持ちに余裕ができて天井を見上げると

 そこにもパンの一味。
 最初の心づもりでは南風を降りてから食事だったのだが、2時間遅れたので食事時である。暫定的な昼食として 

 パンを用意していた。先程、高知街歩きの際に地場スーパーで買った地場パン。
travel-star.jp
 帽子パン、というのだが、そういう商標のパンではなくて、帽子パンというジャンヌがあるのね、高知には。
 そしてラベルに描かれたキャラクター
kochi-marugoto.com
 天井にいる一味と同じやなせたかし先生によるもの。ちょうど後免の駅に着き、土佐くろしお鉄道なはりごめん線のホームにも先生が作った後免駅のキャラクターが立つ。
gomen-nahari.com

 やなせ先生、仕事やりすぎ。
 土佐山田から先、一気に高度を上げて雨で不通だった区間に切り込む。

 徐行する、との事だったが今のところはその気配はない。しかし一駅進むとさらに山。勾配で速度が緩む以上に速度が落ちて、徐行区間と知る。時折、川なのか滝なのかと思ってしまうような流れが斜面を落ちていて、とんでもない量の雨が降ったことを今更ながら知る。

 川の流れを見てさらに勾配。列車は遅れているようだが、動いてくれてよかったという感謝の方が勝つ。
 時々、駅が現れ集落がある。この雨を無事に乗り越えた人たちがこちらの列車を見上げ眺めている。1日半ぶりの列車がどう映るのか。

 川を見てさらに登り。ゆっくりとトンネルを抜けると左手に大きな流れが現れる。

 吉野川だ。泥を孕んだ川に沿って列車は下ると大歩危到着となった。向かいのホームに観光列車の姿が見える。大歩危から先は動いていた区間

 青空が見えている。急に梅雨が明けたような錯覚を覚える。駅の向こうから親子連れが駆けよってきて記念写真を撮り始めると出発の時間。列車は吉野川沿いに下る。

 泥の流れに沿って速度を取り戻すと軽やかに下る。途中、

 下り列車ともすれ違う。向こうもアンパンマン列車。これまでアンパンマン列車とそうでない特急同士がすれ違う時はアンパンマンがそうでない列車を待たせる、まるでアンパンマンファーストみたいなダイヤを見てきた。アンパンマン同士でも序列はあるのかな。
 阿波池田に13:53到着。30分遅れだそうだ。本来のダイヤなら接続する徳島線の徳島行き、特急剣山とは接続解除。その旨のお詫びが流れる。お客さんが増えて半分ぐらい席が埋まっただろうか。

 中央構造線に沿って律儀に東に向かう吉野川と別れて特急南風と土讃線は讃岐に向けてもう一つ山越え。今度は青空の下、だいぶ気楽な山越え。エンジンのパワーと振り子式のギミックに有無を言わさず讃岐へ抜ける。
 しかし

 列車、いつの間にか多度津ゆきになっている。30分遅れて瀬戸大橋線に入る余地がなくなったか。岡山方面、高松方面は多度津で乗り換えとお詫びが入る。
 思いがけず幕切れが近づいてしまった。

 夏になった讃岐平野を駆ける。琴平でまたお客さんが乗ってきて、初めて結構な混雑になる。が、多度津はすぐそこ。

 30分程遅れて多度津到着。向かいには松山から来た特急しおかぜ・いしづちが待っている。こちらへ乗り換え。ここ3日、四国島内の特急は全て空いていたが、さすがに2本をまとめると少々混雑。どうせ一駅なのでデッキに立ってゆく。
 列車は岡山まで行くが、今日は丸亀で下車。

 列車を見送ると14時半過ぎであった。出発が遅れ、途中も遅れたのでもはや無予定だが、丸亀で昼食にしている。
 時間に限りがあるので駅の近くのうどん屋へ。場所だけは調べている。思ったようなセルフうどんではないが、この辺は下調べ不足。
 ぶっかけうどん470円にげその天ぷら190円。

 思ったよりも高級側に寄せたうどんが来た。660円のクオリティじゃないなぁ。

 出汁醤油を好みに応じて掛けるというのは初めての経験。

 190円と思てないげそ天。居酒屋なら店によっては500円以上だろう。
 15時閉店のギリギリに飛び込んだ感があったが、満足する。思っていたのは違うけど、純粋にうまいものを喰った。
 駅に戻ると15時過ぎ。

 1時間後の南風16号が少し遅れている。下りは普通列車の後、松山行きの特急。今日はこの後は松山まで向かう。
 ホームに上がるとまもなく

 定刻に特急列車がやってくる。前5両岡山から。後ろ3両高松から。学習効果により6両目の車両。高松から来た先頭車に座る。思った通りに空いている。

 昨日は不完全燃焼だった飲み鉄を執り行う。ビールにじゃこ天。正しい組み合わせで列車発車後、開封
 列車は間もなく多度津到着。いしづちを世話してきた乗務員が降りてゆく。列車はすぐの出発、の筈だが、上り特急列車が遅れている都合でしばらく停車するとの事。

 向かうのホームに先程、多度津打ち切りとなったアンパンマン列車が転線して停まっている。おそらく多度津始発の高知行きになるのだろう。まだ動く気配は無い。
 だいぶ待たされて上り列車が来る。土讃線の遅れが予讃線にも影響している。入れ替わりのこちらの列車が発車。一昨日辿った予讃線を再び。四国半周の二周目、となる体裁。

 瀬戸内の海が見えてくる頃、ビール1本が空になり、眠くなる。この程度で眠くなるとは、と思うが仕方ない。しばらく寝ていたようだ。

 日を浴び鮮やかな平野と不穏な山地のコントラストを見て予讃線を西に向かう。一昨日訪れた鉄道記念館のが見えて伊予西条を出る。時刻は16時過ぎ。一昨日乗った列車と同じ時間だ。
 一昨日は今治に泊まったが今日は松山まで行く。列車の車窓に瀬戸内の海。

 昨日の朝は雨に沈んでいた瀬戸内も今日は逆光の中で穏やかに広がっている。変わらないのは空いた車内。3日間、四国島内を乗り歩いたが、多少の例外を除いて概ね空いていた。JR四国が気の毒である。
 少し日の沈み始める時間。列車は松山に到着となる。今日はここまで。昨日は出なかった改札を出る。

 松山駅と松山車站の友好を示す駅名標に迎えられる。車站にも行きたいですけどね、夜市とか。いつになるのだろう。
 松山のホテルまでは歩く。今日の出発地、高知と同じく

 路面電車が闊歩する街。そして今日のホテルは特に何も言ってなかったけど

 路面電車ビューだった。

 松山城も見えている。
 松山はある意味乗り換え点で目的がある訳ではない。それでも路面電車だけホテルの部屋から見ているのも難で少し出歩く。
 市駅から大街道へと向かう。

 こちらもアーケード街が健在。プラプラ歩いて地場のスーパーに寄り道。同じようなことをしているが、どちらかというと海外旅行の旅先でやる事を日本の地方都市でやっている感がある。最初は買い物は筏羊羹だけ、のつもりで訪れた四国、気が付くと調味料やら菓子やら結構買っている。
 夕食は魚が続いたので肉にした。

 ビアホールに行き、大ジョッキなんて飲み物を頂く。1杯目は黒ラベル。ジョッキが大きかろうがビアタンブラーだろうが、一杯目は飲み干すに決まっている。拠って大ジョッキは飲みすぎ、酔っ払い、アル中への最短距離なのだが、今日は飲み干したかった。



 こういうものは松山らしくない、というのだろう。でもビアホールが成立する所も含めて松山という街だと思う。大津より余程都会だ。
 ホテルまでは歩いて戻る。

 21時になろうとしているが、意外と路面電車の本数は多い。市駅からJRの松山駅に向かって歩くと段々と寂しい街になる。その途中のホテル、部屋に入る。
 明日は早い。今のうちに妻が荷造りをする。予定外に荷物が増えて苦心していたが、何とかまとまる。

【サイトアップ アクセスカウンタ】

 サイトアップはお休み
 アクセスカウンタは機能せず
 万歩計は未計測