2019-08-02

 今回のベトナム行きは強行軍である。今は金曜日の朝。休みは日曜日までである。あと丸三日。その間に、今いるハノイから、南部のホーチミンまで鉄道で行く。
 ベトナムの鉄道。

www.vr.com.vn

 結構充実している。北部にあるハノイから南部の商業都市、昔は南ベトナムの首都サイゴンである現在のホーチミンまで1,726㎞を結ぶいわゆる統一鉄道を一日に何本か直通列車が闊歩している。
 今回はこの統一鉄道を乗り通して、ホーチミンから日本に帰るつもりでいる。
 金曜日の朝にハノイにいて、日曜日の夜には膳所に戻ろうとすると、今日の朝のうちにハノイを発ち、ホーチミンに向かう必要がある。そんな訳で、ハノイのホテルに投宿してから5時間後には起き出す事になる。こちらの時刻では朝5時前だが、日本と時差が2時間あるので、まもなく6時半と言う所。普段会社に行くのより遅いから、まぁ問題なく目が覚める。
 ハノイからホーチミンゆきの列車。これから出るのはこの3本。

 SE7 ハノイ6:00 16:10(+1)サイゴン
 SE11 ハノイ8:00 21:05(+1)サイゴン
 SE5 ハノイ9:00 18:38(+1)サイゴン
 
 (+1)と書いている通り、ホーチミン側のターミナルであるサイゴン駅には土曜日の夕方着となる。ハノイを午後に出る列車もあるけど、そうすると今度は

 SE9 ハノイ14:30 2:47(+2)サイゴン

 となって日曜日の深夜にサイゴン着。
 ハノイを夜出る列車だと、

 SE3 ハノイ19:30 4:45(+2)サイゴン
 SE1 ハノイ22:20 5:45(+2)サイゴン

 サイゴン到着は日曜日の朝。二夜行になる。そんな訳でハノイを着いた翌朝出掛ける事が自動的に決定する。更にハノイをいつ出るか会議を実施した結果、ホーチミンの時間を確保できるSE7列車に乗る事にした次第、である。
 今いるホテルはハノイ駅の近く。6時出発のSE7に乗るけど。30分ぐらい前に駅に居ればいいか、と逆算して5:15に部屋を出る。フロントに行くと係員がいない。何度か係を呼んでいたらロビーのソファーで寝ていた。すまん。
「あぁ、昨日の」という感じでチェックアウト。滞在6時間弱。日本人は忙しい、と思われたか、どうか。
 この時間のハノイ

 ようやく明るくなった所。昨日は夜中暗い時間に着いたのでどんな所か分からないままだったが、殺風景な所である。ハノイを見に行った、とはとても言えない。
 駅まで歩く。数分で

 タクシーがずらっと並ぶハノイ駅前に到着。ちょうどホーチミンからSE4列車が到着した所らしい。お客さんが次々出てくる。


 首都の駅だが、出札口と改札口はささやか。改札は一応、自動改札。QRコードを読ませる方式だった。係員がいたけど。
 係員にやっつけで覚えたベトナム語の挨拶、「シーチャオ」と声をかけ、QRコードを読ませて、改札を抜ける。ありがとうと言おうとして、うっかり「シェイシェイ」と言ってしまい、言った後で慌てる。ベトナムと中国の複雑な関係を思うと、絶対にやっちゃいけない事だ。「Sorry」と大げさに続けたら「カンオンね」って感じで返してくれた。許してもらえた様子。ベトナム語のありがとうに相当する「カンオン」。漢字表記で「感恩」だそうだ。何だかんだ言って中華文化圏でかつては漢字を使っていた国の一つ。 覚えやすいと昨日は思っていたのだが、一晩経ったら忘れてしまった。
 さて、こんなトラブルはあったがハノイ駅の構内に入る。6時に出発するホーチミン市サイゴン駅へゆくSE7列車は既にホームに横たわっている。

 初めての国の初めての鉄道。気分が高まる。久しぶりの夜行列車。寝台車。そして24時間を越える34時間10分という所要時間。すべてに高揚感がある。
 宛がわれた自席はあるが、まずは先頭を見に行く。何両も続く寝台車。 そして座席車の先に、

 案外と流麗な、でも共産圏を思わせる野暮ったさも感じる機関車が停まっている。異国の列車だ。
 今度は最後尾まで歩いてみる。

 1号車は木の直角イス。ボックスシート。でも半室は厨房。何かと思ったら食堂車だ。よく見るとテーブルの上には調味料も見える。車内販売のワゴンも待機。
 2号車は同じく木の直角イスボックスシートで、‏こちらはハードシート、と言うクラス。三等座席車。続いて

 3、4号車はリクライニングシートが集団見合式で並んでいる。こちらはソフトシート、というそうだ。二等座席車か。
 ここまでが座席車。その先は寝台車になる。

 5,6,7,8号車と4両がハードベットと呼ばれる寝台車。片通路式の三段寝台が並ぶ。三等寝台車というべきか。
 9,10,11号車と3両は同じような片通路式でも二段寝台。こちらはソフトベットと称される寝台車。2等寝台車かな。日本でいえば2段式のB寝台だけど。
 今日は2等寝台車に相当するソフトベットの下段を用意している。
 あと2両。1両は半室寝台、半室電源車という不思議な車両。これには乗りたくないなぁと思うが、後で職員用の車両と知る。最後は

 郵便車であった。全部で13両。
 指定されている11号車に乗る。扉に係がいて、先程のQRコード乗車券を見せて車内へ。

 そんな訳で上下2段に寝台が並ぶコンパートへ。日本のB寝台車そのものだが、入口にはドアがあるので4人個室、ともいえる。まぁばら売りをしているので、見知らぬ人と一緒になるはずだが。

 窓側にはテーブルがあり、何故か造花が飾られている。共産圏の鉄道だけど、案外と遊び心がある。

 上段寝台はこんな感じ。辛うじて外が見えるようだ。でも今日は下段を予約している。お値段は下段の方が少し高い。

 車端部には洗面所がある。お手洗いはデッキに面して。中を見たら便器は洋式。東南アジア圏でよくある水洗い用のノズル付きだった。
 列車は空いている。同じ車両に乗っているのは数人、だろうか。6時出発はさすがに早すぎるか。定刻の6時を過ぎ、15分ごろ、ようやく動き出す。

 雨に濡れたハノイの街が流れ始める。台風で列車が運転見合わせになったらどうしようかと思っていたが、今の所はほぼ順調。
 列車は60㎞/hぐらいでハノイの街を流してゆく。5時過ぎの街は寝ていたが、自分がハノイ駅で高揚している間に、目覚めたようだ。

 軌道系の交通機関がないハノイの街、市民の脚はスクーターが主力のようだ。時折踏切があって、たくさんのスクーターが列車が過ぎるのを待っている。
 6時半を過ぎて、車内販売がやって来る。これが粥の販売。折角なので1つ頂く。

 鶏肉とねぎが入った中華粥は35,000ドン。桁が大きいので一瞬では日本円に換算出来ないが、1/20にすると日本円に近くなる。175円と言ったところ。
 特に美味ではないが、十分十分、美味しく頂ける。すると今度は別のワゴンがやって来る。飲み物やらビールやら菓子やらを積んだ車内販売。カップラーメンなんかもある。


 コーヒーを頂いた。ベトナム風のコンデンスミルクをたっぷりと入れたコーヒーだった。お値段15,000ドン。さらに

 バーンミーを売りに来る。貧弱なバーンミーだが買ってしまう。こちらは12,000ドン。
 取りあえず喰うには困らない事がわかる。
 このコンパートメント。電源もあり、スマホの充電にも困らない。ホーチミン市サイゴン駅まで34時間だが、特に困る事にはならなそう。
 ハノイの街を離れて列車は南下してゆく。窓を叩く雨は上がり、列車は軽やかに南下してゆく。駅に停まらないまま1時間。7時を過ぎてようやく一つ目の駅となる。

 この駅でお客さんが乗ってきて自分のコンパートにも親子連れが来た。どうやら親子4人らしいけど母と男の子が自分のコンパートで父親と女の子は別のコンパートらしい。お向かいの下段に座る。荷物が大きい。
 子供がおもちゃの拳銃で遊び、母親は何やら持ち込んだ木の実の皮をはぐ作業を始める。ベトナムの日常がいきなりやって来た感に満ちるが、あちらからすれば日常に異国の人が紛れ込んだのだろう。
 何か生活感の満ちているが、ソフトベットはかなりお高い筈で、それを負担しえる、ベトナムの中でも豊かな家族が乗ってきている筈ではある。

 列車は南に下る。水っぽい景色。田圃。そんなものが沿線には続く。再びしばらく街から遠ざかる。GPSによるとまっすぐ南へ下る訳では無く、少し東に逸れている様子。

 二つ目の駅に停まる。またお客さんが乗って来る。時刻は8時前でハノイの6時よりはだいぶ利用しやすい時間にはなっている。自分のコンパートメントにも4人目のお客さんが乗って来る。割と若そうな女性。父親らしい人が見送りに来ていた。これで4人部屋が埋まる事になる。

 二階建て車両が停まっていておやっと思う。使われている雰囲気は無いが、ソフトシートの車輌みたい。導入したものの保守が上手くいっていない感がじわり伝わる。

 ここでペットボトルの水が配られる。昨日のフライトでも水を貰い、ホテルでも水を貰ったから、余っているけど、この先の長さを考えるとありがたい処置。頂いておく。
 さて、列車はゆっくりと南下を進める。他のコンパートにもお客さんが増えているので、だいぶ賑やかになる。家族連れも多いようで、恐らくは見知らぬ子供同士が寝台車の通路を走り回っている。
 列車は3つ目の駅に到着。時刻は8時半になっている。SE7と言う列車。たぶん特急というか優等列車と言う扱いだが、その扱いに違わない走りを見せる。
 自分のコンパートは4人いるのだが、さらに1人増えた。また若い女性。上段の客だった。どうやら親子連れは1つのベットを使うみたいで、これで定員らしい。最後に乗って来た若い子は早々に上段に登って行った。
 自分以外女子供という不思議な空間が出来上がる。この人たちはどこまで行くのだろうと思いつつ、ベトナムを南下する。地図で見るとまだハノイ近郊みたいなところ。平均時速は50km/hぐらい。ゆっくりと統一鉄道は南下を続ける。
 お昼時になる。親子連れは何やら食事の準備を始めた。この車両、お湯のサーバがあるみたいで、子供用にインスタントらしい粥を作り、何やら持参の食事で中小を済ませている。かくいう自分も妻が持たせてくれたパンがある。それを食べておく。昼食を売りに来たようだけど、それは買わずしまい。
 食事を食べるとハノイから6時間経過。まだ旅は序の口。

 雨はやんだが、外は曇り空。なかなか台風の影響からは逃れられない。窓外を眺め、ベトナムを南下するSE7列車の旅。昨日成田で買い求めた本を読んでみる。親子連れは昼寝中。上の二人も、眠っているようだ。

 まっ平らな大地が続いてきたが、少し起伏が見えるようになる。何となく眠さを感じて少し横になる。1時間寝ていたようだ。気が付くと列車は山の中を走っている。
 1両後ろ、1か所窓が開いていたのでちょっとカメラを構えてみた。

 列車が右に左に曲がって行く。そんな登り坂では無く、高原の上、という雰囲気の所。時折、誰が飼い主なのか、牛が草を食んでいる様子が流れる。
 しばらく開いた窓から外を眺める。1つ後ろの12号車。3段寝台車だが、中段はたたんだまま。どうやら職員用らしく自室のある11号車とは雰囲気がだいぶ違う。
 駅に差し掛かる。

 貨物列車とすれ違う。旅客列車は数往復程度みたいだが、貨物列車はそこそこの頻度で走っているようだ。有蓋車が大半でコンテナを積んだ列車もときどき見かける。
 席に戻ると読書の続き。時刻は14時。ハノイから8時間が経とうとしているが、位置情報を見るとまだ全行程の2割を超えた所。南の終点、サイゴンは遥か彼方。

 また駅が現れる。駅の前後、待避線を分かれる転轍機の所に係員がいて、駅のホームにも係員がいて。時には踏切にも係員の姿が見える。日本ではすっかり自動化された部分も含めて人の手に頼っている鉄道である。

 人煙稀な、ではなく、時折人家が現れる沿線の景色を眺めてさらに南下。人の姿も見えるけど、牛の姿と互角かも知れない。
 列車は山間部を進む。

 物凄いカーブに差し掛かるなぁと思ったら、左手に線路が見える。おやっと思うと、カーブを曲がって方向を180度変える。いわゆるΩループと言うやつだ。
 先程見えた線路へと進み、坂を下って行く。このまま海岸の方へと出るみたいで峠越えはひと段落。
 ハノイ出発が15分程遅れたが、それを回復できずにジリジリ遅れている様子。ベトナム国鉄の定時性は結構優秀だそうで、ハノイで見かけたSE4列車もほぼ定刻に着いていたが、今日のSE7列車は30分少々遅れているようだ。

 ダイヤが乱れているからか、待たされる機会も多い。どこかの駅でドアを開けずに待避少々。貨物列車が通過してゆく。SE7列車は優等列車なのだが、ダイヤ乱れの状況では定刻運行している方が優先されるようだ。
 15時半を過ぎると列車は平野に下って来る。

 川が隣に流れる。空は確実に明るくなった。ようやく台風の影響を脱したような、そんな事を思う。
 先程は寝静まっていたコンパートもいい加減寝飽きたのか起き出している。子供はどこかに遊びにゆき、母親はまた何かの実の皮むきを始めている。その上の若い娘さんは何かの動画に夢中。音を出して聞くのが別に失礼では無いみたいで、他のコンパートからも音漏れしている所が何か所かある。自分の上の人は、下に降りてきて親子連れの隣に座らせてもらっている。さすがに3対1では心苦しいので、こちらの席、通路側座って良いよ、とジェスチャーで伝えておいた。
 鉄道職員が夕食の注文らしいものを取っている。車内調整した弁当を後で届けて貰えるらしいけど、何となく見送る。
 列車は、ドンホイという駅に着く。久しぶりに大きな駅。ホームには売店もいくつか見える。ちょっと降りてみた。

 鉄道職員が台車の打音検査をやったりして、しばらく停まっている様子。お客さんの乗り降りもある。売店には食べ物飲み物色々と置いていて、眺めていると店員に声を掛けられる。何となくビールを1本お買い上げ。ビールをくれ、といったら2本か、と聞かれる。外国人酒飲みは基本2本お買い上げ、がデフォルトなんかしらね。

 そんな訳で自分のコンパートで1本ビールを開ける。同室の人が女子供だし、気兼ねはいるけど、久しぶりの夜行列車。やっぱりビールは欲しい。こんな事はなかなか出来なくなったし。1本なのでさっと飲み干すが、でももう一本飲んだら迷惑だろうと見合わせ。車内販売でも売っているけどね。

 本を読み、時折写真を撮る時間が続く間に日が暮れてくる。貨物列車とのすれ違いを撮り、コンパートに戻ると再びの読書に戻る。今度は運転停車。開く窓の所に行くと

 旅客列車とのすれ違いだった。同じようにソフトベットやらハードベットやらの寝台車を連ねていて、サイゴンからハノイに向かう優等列車と知れる。時刻表を見た訳でないけど、明日の朝、ハノイに着くSE4列車かも知れない。
 夕食時間になっている。同室の親子連れは昼食の時と同じく、持参の食材を食べ始める。車両の中にお湯のサーバがあるみたいで、汁無しのインスタント麺なんてものが出来上がって、少々匂いが空腹には刺さる。
 自分も食事を取ろうと思うが、弁当の注文はしていない。なのでいい機会だから食堂車に行ってみようと思う。食堂車は先頭の1号車。遠いが仕方ない。さすがに長時間、コンパートを外すので貴重品は一式持って車内を歩く。
 三段式のハードベットは、寝台の数が多い分だけ人が多い。中段や上段の人が、通路に椅子を置いて座っており、なかなか歩きづらい。この椅子、勝手に持ち込んだのでは無く、列車の備品。補助椅子として、プラスチックの椅子が備えられていたのだった。
 次いでソフトシート。昼間利用だけらしい外国人も含めてほぼ満席。こちらも離れた家族連れらしい人が通路に補助椅子を置いていたりして、結構歩きづらい。朝から何度も車内販売のワゴンが行き交っていたが、よくこの混雑をワゴンを通してきたものと感心する。
 1両だけのハードシートはむしろ空いている。ようやく食堂車へ。
 こちらは混んでいる。空いたボックスは無く、半分ぐらいは鉄道職員っぽい制服姿。交代で食事をしているようだ。つーか、この列車、何人ぐらい職員がいるのだろう。各車両にいるのは分かっているが、各車両2名ぐらいの勢いだ。
 ここいいよ、という感じに招かれた先に相席させてもらう。ビールとフォーらしい麺を頼んだ。

 ビールはベトナムと言えばこれ、という333が出てくる。
 ビールを頂いていると相席の人が席を立つ。ボックス1人になったら、今度は職員に席を変わってほしいと。グループ客が来た様子だ。指示された席。今度のお向かいは鉄道職員。日本人顔だなぁと思うその相手。誰かに似ているなぁと思ったら、お笑い芸人、かまいたちの山内さん。貴方はジャパニーズコメディアンにそっくりだ、なんて言っても仕方ないので黙っていたけど。
 鉄道職員には定型の食事があるみたいで、ナッツの和え物、煮魚。野菜の炒め物。どんぶり飯。汁物とどんどんと出てくる。自分の注文はビールが来た後は、来ないなぁ。
 先程自分が座っていた所のグループ客の方に先に食事が出てくるので、注文が入っていないなぁと思って、改めて係に声を掛ける。やり取りの結果、フォーは無いらしいことが分かる。ヌードルならある、というので、そちらへ。ビールも無いからそちらも追加。
 外はすっかり暗くなり、列車はどこかに停まったまま。この列車は遅れているので、待避で待たされているようだ。しばらくすると、

 注文したヌードルが来た。さて、何のヌードル、と

 見るとどう見てもインスタント麺。やっちまった。まぁ意図せぬものを食べる事になるのも海外旅行の醍醐味ではある。
 麺を頂いていると上り列車が通って行って、こちらの列車も動き出す。動くと急に揺れ出して、麺のスープが揺れで零れる。こんな揺れたっけ、ってぐらいの揺れ。テーブルの上の紙ナフキンがあまり無くて、全部使って処置していたら、見かねたのか、お向かいの山内さんが隣のテーブルからナフキンを取って出してくれた。カンオン。

 45分滞在する間に、食堂車が落ち着く。鉄道職員が数組、代わりに食事を始めたタイミングでお会計。ビール2本と麺で70000ドン。麺は35000らしい。ビールがちょっと合わない気がするが、円に直すと350円。たぶん市価はもっと安いのだろうなぁ。
 混雑した車内を再び11号車まで戻る。席に落ち着く。まだ寝るには早いが、写真も撮れなくなった。ベットに座って読書の続き。上の人はまだ座っていていいか、と言う感じで聞いてくるのでOKと伝える。
 列車は大きな駅に着く。フエらしい。

 有名な観光地であり、ここで降りてゆく人も目立つが、乗って来る人も多い。欧州系の観光客も目立ち、どうやら11号車。ほぼ満席になるようだ。
 フエを出発。席に戻る。しばらく読書を続けていたのだが、通路側に座っていた上段の人、何時の間にか寝落ちていた。向かいの親子連れの母親が声を掛けて起こしたのだが、目が覚めない。こちらに向かって「お手上げ」なんて感じのジェスチャー。そして「あなたが上を使うしかないわね」なんて感じで言ってくる。言葉は分からないけど、言いたい事はよくわかる。
 もう少し起きていても良いのだが、室内は減光。そして眠くなってきた。もういいや、と荷物を上のベットへ。毛布と枕も上下入れ替えて、上に行く。ベトナムの寝台車、カーテンがないので、向かいは若い女性である。気まずいので仰向けに横になると、眠くなってくる。

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