2019-05-03

 目覚ましで無理矢理起き出した。時刻は6時。ウラジオストクはまだ朝を迎えたばかり。 

 辛うじて東の空が明るくなった所。滞在4日目。今日で日本に帰国する。今年の連休は10日続くが、旅行ばかり10日している訳にもいかないので。
 荷物を作る。今日は朝のうちに空港にゆき、10時半のフライトに乗る。来る時は空港から配車サービスだったけど、空港へ向かうのは鉄道を使う事にしている。出発は7:10。駅はホテルの近くだが、色々とありそうなので30分前の出発を目指した。
 チェックアウトして駅へ向かう。その途中、日本人が一人、また一人と増えてくる。

 レーニン像を見て駅前に出るあたりでタクシーから日本人の子連れ家族が降りて来たり、1本目の空港鉄道目掛けて日本人が集まる体裁。
 駅は一昨日経験したようにセキュリティチェックを受けてからの入構。

 空港鉄道は1日5本だけ。窓口で乗車券を買い求める。下等250ルーブル、上等380ルーブルだったか。乗車券を買うとレシートみたいな切符を貰える。
 まもなく改札開始。自動改札なのだけど、先程のレシートにあるQRコードを読ませる方式。ちょっと分かりづらくややこしい。

 空港鉄道は4両編成。1両目が上等車。

 2-2列のリクライニングシートが並んでいる。

 下等車は3-3列のボックスシート。見た目物凄い詰め詰め車両なのだが、広軌で車体も広いので案外と気にならない。
 意外と定刻、7:10に出発する。昨日眺めたウラジオストクの街をちらっと見て、電車は北へ向かう。

 時々見えるキロポスト。ここには9282という文字が見える。モスクワ起点の距離だ。シベリア鉄道の本当の隅の隅だが、それでも心新たになる。

 列車はアムール湾を眺めて北上する。結構、湾が深く延々に続く。何度か駅が現れ、貨物列車が停まったり、近郊列車をすれ違ったり。

 長距離列車とすれ違う。どうやらハバロフスクからやって来たオケアン号らしい。
 列車は途中でシベリア鉄道と分かれる。更に空港のある町、アルチョムの駅の先で本線から分かれて空港への支線をゆく。ほぼ定刻、1時間ほどで空港到着となる。

 1日5往復しか電車が来ない割には立派なウラジオストク空港の駅。降りたのは殆ど日本人だった。恐らく同じフライトのお客さんだろう。ウラジオストクに滞在していて、中国人はほぼ団体客、韓国人はフェリーで来る人が多いのに対して、日本人は殆どが個人客なので、空港に行くのも自力、ならば鉄道となるのだろう。
 駅の改札から空港の建物へ。

 その前にまたセキュリティチェックがある。今日に二度目の荷物検査とX線検査を受けてから空港の建物内へ。

 成田行きのフライト、手続きは2時間前の8:35からだそうだ。ちょっと余裕があるなぁと思っていると、ちょっと異質な上下暗い服を着た人たちが数人歩いて行くのが目に入る。あの人たち、北朝鮮からの出稼ぎ労働者だ、と気付くまで数秒。
 どうやら平壌行きのフライトがあるようで、同じ格好をした痩せた人が20~30人ぐらいいる。胸には国旗のバッチ。その中に1人だけ背広を着てネクタイを締めた恰幅の良い人がいる。胸のバッチも違うようだ。党か何かの人が一人と他がこき使われる労働者、という感じのようだ。

 成田行きの後に平壌ゆきの手続きがあるらしく、あちこちに出稼ぎ労働者の者と思しき荷物が置いている。壁際に並ぶ黒い箱がみんなそうだ。何をそんなに持ち帰るものがあるのだろうか。
 手続きを済ませる。ちょっと時間があるのでコンビニを見てゆく。余ったルーブルを使おうと商品を物色していると、先程の出稼ぎ労働者が一人、ふらっとコンビニに入ってくる。商品を熱心に見ていたが何も買わずに出てゆく。折角の稼ぎも殆ど党に取り上げられるような事も聞くから、買うための手持ちも無いのだろう。何を思って店先に溢れる華やかな商品を見ていたのか。
 さて、出国。審査で今更ながらビザを見せろと言われる。滞在期間に問題ないのか、と言う事を確認されるのだろうか。特に問題ないので出国OK。出発まで小一時間。ラウンジに入る。

 立派なラウンジ。軽食は揃っているが、アルコールは有料だそうだ。ロシア=酒飲みの印象が強いが、逆に酒に厳しいような気がする。午前中、成田に着くまでは酒抜きが決定するけど、まぁ良いか。
 朝食がまだなので軽く頂く。


 サラダやハム、チーズに巻きずしの類は普通に食べられる。スープと思って取ったものはどうやら粥だったらしい。甘い目の味付けはちょっと不思議。
 まずは朝食を頂き落ち着く。出発まで少しゆっくり。30分前に席を立つ。

 この時間、ラウンジの真ん前にはオーロラ航空の機材がいる。どこ行きかまでは分からない。これから搭乗するS7の飛行機はちょっと撮りづらい所に駐機中。

S7 6281 / JL7098 / SQ1971 VQ-BRD A320-200 VVO→NRT


 そんな訳で成田行きは出発30分前から搭乗開始。キリル文字で成田と書いているのが羽田にしか見えないけど、とにかく成田行き。

 宛がわれた座席は非常口座席であった。

 窓は生憎と汚れている。イマイチの眺め。残念。
 機内は8割ぐらい埋まっている。ほぼ日本人ではあるが、まだ連休半ば。帰国ラッシュにはちょっと遠い様子。
 10:19、Doorclose。成田までの飛行時間、1時間55分と案内される。10:24、Pushbuck。10:29、Taixing。空港は空いており、事はスムーズに進む。

 オーロラ航空のDHC-8を横目に誘導路を進む。

 滑走路端で一息つくと先へと歩み出る。10:33、Take off RWy25L。生憎汚れた窓外だが、来る時とは違って淡い春の光を受ける極東ロシアの大地が広がり出す。

 ウラジオストク、良い所だったと思う。リピート決定だ。最近、リピート決定の街が増えて困っているけど。

 空港鉄道で通ったアルチョムの街が見えて一路東へ。次第に外が霞んで来て気が付くと地上が分かりづらくなっている。10:47、ベルト着用サイン消灯。

 空が青くなると窓の汚れも気にならなくなった。
 来る時と同じ機材。モニタとかオーディオとか気の利いたものは無い。ロシア語の機内誌も変わり映えしていない。ビジネスクラスとの境はカーテンが閉められ飛行機は日本海上空、一路日本へと飛び続けている。

 エコノミークラスでも機内サービスが始まる。順番が回って来ると行きと同じくソフトドリンクとサンドイッチのご提供。

 サンドイッチは来る時と同じチーズorチキンの二択であった。今度はチーズを選んでみる。まぁラウンジで食べたサンドイッチ程度だ。ロシアのサンドイッチと言うのはこういうものなのだろう、という結論が得られる。

 窓外の日本海は分厚い雲となった。窓外の景色では何も分からないが確実に日本が近づいている筈。11:52、ベルト着用サインが点灯した。窓外を見ると

 日本列島の上だった。飛行機は新潟から会津を廻って今は白河上空。間もなく左手に太平洋が見えてくる。
 少し揺れつつ高度を落として太平洋上空を旋回。九十九里浜を眺めて成田への最終コース。

 地上が見えてくると窓の汚さがまた分かるようになり、少々萎える。このまま成田へと降りてゆくと

 空港の敷地が見える。まだだいぶ高度がある。そのまま進んでB滑走路へ。11:22、Landing、RWy34L。減速して誘導路に逸れる。第二ターミナルを横に見て延々進んで最後はSpot98へ。11:33、Spot in。

 ウラジオストクでは見れなかった機体を眺める。よく見るとこの機体、来る時と同じ機材であった。1台、1台とベビーカーが貨物室から運ばれてゆく。今日の客層、ウラジオストクの客層を物語っているようだった。
 遠くのスポットから入国審査場を目指しててくてく歩く。ようやくたどり着くと閉鎖中。隣の審査場へと→。成田はこの辺が下手くそだ。
 荷物は割とスムーズに受け取れて、制限エリアの外に出ると、

 スポットに着いてから25分と言う所だった。
 今日の最終目的地は近江の国の大津である。まだ先は長い。この後、

 成田から伊丹へ国内線で飛ぶのだけど、出発時刻は16:55。また5時間のインターバルがある。さすがに国内線のラウンジで5時間過ごすのは酷で、今日は搭乗手続きを済ませた後、成田市内に出てみる事にしていた。
 京成の駅へ向かう。

 構内のマガジンラックに思いがけなく京王の広報誌、あいぼりー。3月のものだった。京成と京王が提携して相互乗り入れしたんだっけ。そんな記事をどこかで見かけた覚えがある。折角なので1冊頂いて行く。
 目的地は成田なので久しぶりの京成本線

 A05運用は3431編成に乗る。この時間、到着機は少ないがそこそこ旅行帰りの人がいる。S7のフライトで隣席だった人も見かけた。長い一駅、成田で下車。ここで昼食にする。朝がラウンジの軽めだったので、その反動を狙う。

 10連休の何日目だ? 分からないが人出が凄い事になっている。ウラジオストクよりもあからさまに暑く、それも馴染めない。寒く人出もそこそこだったウラジオストクが懐かしくなる。

 どこへ行っても人だらけ。
 今日のお昼、成田でウナギを食べよう、という意図なのだが、ウナギの銘店と思しき店は4時間待ちだそうだ。さすがに乗り継ぎ時間を使い果たしてしまう。結局適当な店で。それでも小一時間、入店に掛かる。

 13時半を過ぎて席へ。早々待たずにうな重が運ばれてくる。早いなぁと思いつつも

 頂く。丁寧な感じはしないけど、素材が良いからか美味しく頂く。
 食事の間に時刻は14時になる。成田駅に戻って今度はJRで空港に戻る。

 セキュリティチェックを受けて制限エリアの中へ。出発までまだ2時間半。さすがに人気がない。ラウンジに入って出発を待つ。

 ビールを飲みつつ、京王線恥辱を少し進める。この数日でだいぶ遅れている。多少巻き返しても、まだなお滞貨の山。

JL3005 JA301J B737-800 NRT→ITM

 ラウンジの中、少しずつ人が増えてくる。16時半を過ぎて伊丹行きの搭乗開始。バス連絡だそうで、搭乗口へと足を運ぶ。

 間もなく搭乗開始。優先搭乗で進む先は、バス。1台目のバスで飛行機へと向かう。

 バスに乗せられどこかで待つ機材へと向かう。飛行機を間近に見つつ進む道中は嫌いじゃない。

 Taixingしてゆく機体を眺めて更に先へ。だいぶターミナルから離れる。沖留め、の言葉がふさわしいエリアまで進んで、

 飛行機のそばに着く。待っているのはJA301J。数あるB737-800の中の初号機。ついつい写真を撮っている間に一番最後の搭乗になる。機内へ。

 入った所。キャンディーやヘッドフォンと一緒に鶴が置かれている。今日は

 真ん中の普通席。窓から並びで2席。ほぼ満席とのことで2台目のバスが来ると廻りは人で埋まる。17:04、Doorclose。前便到着遅れのため遅れている旨、お詫びがある。伊丹までの飛行時間は55分とのこと。

 17:09、Pushbuck。17:13、Taixing。各地から戻ってきた国際線機材に送られて滑走路へ向かう。疲れが出たのか第一ターミナルの前を進む間にうとうと。気が付いたら

 滑走路端まで来ている。17:28、Takeoff RWy16R。鈍い光の中を上昇してゆくと

 水郷の上を機体を傾けて機首の向きを西に変える。房総半島を横切り東京湾に出るところで17:38、ベルト着用サイン消灯。まもなく機長さんから飛行状況の案内かたがた、出発遅れのお詫びが入る。伊丹着陸は18:25を見込むとのこと。所々揺れる事を予想しているとのこと。伊丹の天候は晴れで気温は24℃と告げられる。
 窓外に羽田空港が見えた後、

 横浜市街地が見えてくる。本牧から根岸。視線を遠くにもって行くと掘割川と首都高狩場線の合流点。前の自宅も見えてますかねぇ。。。
 飛行機は羽田発の時よりも高度を高くして神奈川県の上空を進んでゆく。

 富士山が普段よりも近いような気がするがとにもかくも西へ進んでゆく。これが帰り道かぁと思うけど、何時か慣れる日が来るのか。
 飲み物のサービスが廻って来る。

 スープを頂いていると17:58、降下を開始する旨の案内が告げられる。10分後にベルト着用サイン点灯とのこと。

 窓外に雲が目立つ中、降下してゆく。18:09、ベルト着用サイン点灯。

 生駒山地を越えて東大阪から大阪市街へ。大人しく緩やかに高度を下げて18:19、Landing、RWy32R。18:23、Spot in SP14。

 伊丹では搭乗橋が横付けされた。折り返しは新千歳に向かう様子。
 この時間の伊丹は混んでいる。荷物を受け取る。最後は滋賀へと向かう道のり。来る時と同様に

 新大阪行きのリムジンバスをつかまえる。バスは順調。25分で混雑している新大阪まで運ばれる。電車も混んでいて、京都乗換、膳所まで立ちっ放し。20時を過ぎ、流石に真っ暗。
 荷物も重いし、最後は京阪電車を使う。石山坂本線石山寺行きを待つ間にやって来たのは

 601編成。平成のマークを付けている。後ろの602号車には令和の文字。そして

 600形の最終編成、619編成で帰宅。近い近いと言っていたウラジオストクからだが、着いてみると15時間近く経っている。
 多少の空腹はあるが、さすがに疲れた。適当にありもので食事を済ませる。明日に備えて就寝。
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