MH1155 9M-FFF B737-800 PEN→KUL


 17:10になってマレーシア航空の機材がやって来る。この折り返しが17:50出発、MH1155となる。出発まで40分。まぁ定時に出るには支障なさそうなタイミング。

 飛行機がスポットに入ると10人ぐらいの係員がわらわら寄って来る。ずいぶんと多くて傍から見ていると、働いていないように見える人も数人。このレガシーキャリアはもう少しダイエットする余力がありそうだなぁ、と言う気がしてくる。

 荷物を降ろし始めた所まで見届け、搭乗待合室に着席する。しばらくの待ち時間。
 17:30を過ぎて搭乗開始。

 来る時の機材と異なり、パーソナルモニタは無し、黒い革張りの座席が並ぶ。前後間隔はちょっと狭い印象を持つ。来る時のB737と同じだろう。
 優先搭乗で乗り込んで後からわらわらお客さんが乗ってきてほぼ満席になった模様。お客さんは乗り込んだのだけど、なかなか出発にならない。

 残念なことに汚い窓。その向こうにエアアジアがやって来る。数人で降機用の階段を最初に前方、次いで後方出入り口にも据え付ける。荷物も降ろしてずいぶんと手早い。後から来たエアアジアに追い抜かれるかと思った17:59、Pushbuck。18:03、Taixing。トーイングカーには先程の到着時、機体の廻りで屯っているだけで働いているように見えないムスリム娘3人組が、何故か何故だか乗っている。

 ビジネスまで含めてほぼ席が埋まっている様子。搭乗率だけなら優秀だが、今日の地上を見ていると少々先行きに不安を覚える、今日のマレーシア航空。
 飛行機は誘導路を進むと滑走路端に。18:07、Take off RWy04。

 外は曇り空になっている。昨日、一昨日。夕方に一雨降られたジョージタウンを思いおこすと、次来るのは何時だろう。そんな感情に襲われる。ジョージタウンの街、ヘビーローテーションの対象ではあるが、去る時に次の予定が決まっている事はまず、無い。

 バタワースの北側でUターンすると進路は南。更に上昇をしてゆくと18:13.ベルト着用サインが消灯する。

 外は雲の重ね合わせ。揺れそうな雰囲気がプンプンするが、

 ビジネスクラスとの間、カーテンは閉められた。サービスが始まるらしい。まぁボヤボヤしていると45分でクアラルンプールまで着いてしまうから仕方ない所。日本だと羽田-伊丹がやたら早いタイミングでベルト着用サインを消すのと一緒か。
 東京-名古屋と同じ距離のペナン-クアラルンプール。短い距離のエコノミークラスでも一応はサービスが行われる。

 カップのオレンジジュースとマレーシア航空ではお馴染みのピーナッツ。毎度毎度、ピーナッツは食べずに持ち帰る事になる。この旅では何度目だろう。
 飛行機はマレー半島の海岸線から付かず離れず、順調に南東へと下って行く。

 窓外の景色、窓の汚れが返す返す残念。列車なら、出発前に外から窓を拭く、って事が出来なくはないけど、飛行機はさすがに難しい。晴れた?ように見えるけど、さて、どうなったのか。
 飛行機は高度を落とし始める。11日の降下では耳の空気が抜けずにえらい苦労したが、今日はあまり違和感はない。ペナン-KLだと巡航高度が低い、ってのもあるけど、風邪はほぼ良くなっていたようだ。18:40、ベルト着用サイン点灯。
 飛行機はKLの南郊まで回り込むと旋回する。地上に見えるゴムの樹の羅列。段々と近付いてくると

 18:51、Landing、RWy32L。誘導路へと逸れると長々とTaixing。

 A380が駐機するサテライトを見てさらに進む。
 19:01、Spot in SP B5。11日にペナンへと飛び立ったスポットに舞い戻る。時刻も同じ頃。

 ここまでお世話になった9M-FFF。この後はまたペナンかな?と思ったら

 行き先はSibu、とあった。どこかと思って後で調べたらボルネオ島の街であった。

 1155便とはここでお別れ。
 さて乗り継ぎ。乗継カウンタで搭乗券を発券して貰い、乗り継ぎ出国口で出国手続き、という手順を思い浮かべる。まずは乗り継ぎカウンタへ行くのが、その手前に一つ用事があった。クリスピークリームの売店
 甘いもの大好きイスラム教徒向けだろうか、クリスピークリームの持ち帰り専用売店が簡単な店を構えているのだが、その中に

 「PPAP」なるドーナツが売っている。ペンが具になったドーナツでは無いだろうが、ネタ的に気になるので一つお買い上げ。

 さて乗り継ぎカウンタで搭乗券、と思ったら搭乗券の発券は20時にならないと出来ない、とのこと。20時にはまだだいぶ間がある。それなら一旦制限エリアの外に出る事にする。
 到着口から出発階へ。

 時刻は19時半過ぎ。日本航空の搭乗手続きは20時からだそうだ。少々間があるが気の早い人は行列を作り始めている。

 その間にPPAPを食べてみる。齧ったらびっくり、ペンが出てきた、なんてことはなく、どちらかというとパイナップルの方が強い。日本でなら、本当のPPAPが作れるかもなぁと思う。
 20時少々前に行列に並ぶ。エコノミーもビジネスも、両方行列が長くて、搭乗手続きに少々時間が掛かるが、それでもまぁ10分程。搭乗券には「P」の文字があった。パイナップルでは無くて、プレミアムエコノミーのP。一種のインボラアップグレードか。深夜便ではありがたい。
 保安検査の外に出たので改めて出国審査。大行列ではないが、10人ぐらいの行列は各ブースに出来ている。そこに並んでいると白人の娘二人組、飛行機に乗り遅れるとエクスキューズミー攻撃。搭乗開始1945という文字が見え、確かに逼迫している。順番は譲ったけど、何でもう少し早めに動けないかねぇ、、、とは思う。出国手続きが終った二人、凄い勢いで新交通乗場に走って行った、幸運を。
 後から後から「先に通して」なんて人は来ないので自分の順番も来る。難なく出国。もう少し早いかなと思ったけど、まぁ良い。

 そんな訳で想像よりも1時間ぐらい遅れて新交通の乗場に辿りつく。何時まで乗れるか分からないマレーシア航空のA380、その模型に送られてサテライト側へ移動。この後は出発まで、マレーシア航空のラウンジでしばし休憩となる。

 マレーシア航空の本拠地、クアラルンプールにある旗艦ラウンジ。今年はワンワールドエメラルドを持っているので、ファーストクラスラウンジを利用することが出来る。
 ファーストクラスラウンジ。食事をするか、しないか、ダイニングへの入り口で妻と協議をしていると係員が見透かしたように「ダイニングはいかが」と声を掛ける。それが決定打。ひとまずダイニングへ。

 マレーシア航空のファーストクラスラウンジ。アラカルトを自由に取ることが出来る制度がない時点で、ほぼ街中のレストラン並みである。係員にメニューを貰って注文をして、出してもらう制度で、勝手に何か取ってこれるわけではない。ラウンジとしては異例中の異例だと思う。
 メニューからメインの一品を頼むと、次々と「前菜はどうする?」「デザートはいかが?」と言う感じでコース料理チックになってゆく。

 まずは頼んでいないパンの盛り合わせが出てくる。バターも一緒に。そして

 お飲みもの。下品なのでビールをお願いした。缶のTigerなのは分かっているが、グラスに注いで出してくれるので、気分は違う。

 最初に薦められるがままに頼んだかぼちゃのスープを頂き、

 メインはスズキだったか何かのソテー。

 デザートにフレッシュフルーツ。最初にビールを貰ってから40分が経っている。3品だけど、コース料理だよ、この感覚。
 思ったよりもダイニングで時間が掛かった。優雅っちゃ優雅なんだろうが、昨日までホーカーで夕飯を済ませていた夫婦には不釣り合いな1時間であった。
 ダイニングから席替えをする。普通のエリアは空いているが、ビジネスクラスラウンジに比べると狭くて、人によっては窮屈さを覚えるかも知れない。適当な席に座る。
 多少の軽食があるのだが、チーズだったりスモークサーモンだったり、「飲め」と言わんがばかりのラインナップ。飲みたいのだがビジネスクラスラウンジにはあるバーカウンターがファーストクラスラウンジには無い。そこで試しに、係員に聞いてみる。スカーフを被ったムスリム娘相手に「白ワイン頂戴」と。すると凄い早口で3つぐらい銘柄をいわれた。ごめん、聞き取れん。ちょっと考え「Last one please」と。最後の頂戴、意図は通じたのは幸い。

 この組み合わせ、飲め、とムスリムから言われているようなものだ。はい、飲みます。