朗々と祈りを捧げる音が聞こえる。マレーシア、ペナン島ジョージタウンのホテル。夜明けの時刻。音の主は隣のモスク。夜明けに合わせての祈りの時間だった。
 一度寝てもう一度起きると7時前。日本時間なら8時前と言う事になる。いい加減起きる。今日からしばらくジョージタウンに滞在する。
 この夫婦の旅先は、気に入った街のヘビーローテーション、というのが常。ジョージタウンもお気に入り四天王。今回が夫婦で訪れるのが3回目だろうか。観光で主だったところはほぼ見ており、今回の滞在はノープランであるが、さてどうなるか。

 5階建ての建物で2階の部屋なので、あまり眺めは良くない。その部屋の真ん前が、小さなモスクである。夜明けの祈り声の主。イスラム教では1日5回だったか、祈りの時間があるそうだが、夜明けの物が一番インパクトがある。次が夕刻の物。昼間もやっているのだろうが、不思議と気が付いたことがない。今回もそうだった。

 もう少し視線を上げる。青空が見える。雨季と言えども一日降り続くことは無い。天気予報が強雨になっていても、だいたいは何とかなる。
 ホテルの朝食は7:30から。様子見を兼ねてひとまず行ってみる。

 案外と種類がある。安いホテルなので期待していなkったが、ひとまず期待の上を行く。


 面白いのはセルフの麺コーナー。中華麺と米麺の二種に具材少々。これを茹でてスープを掛ける。麺コーナーのある朝食バイキングはいろいろ見たけど、セルフで出来るのは初めて。なかなか面白い。

 こんな感じに頂く。
 セルフの麺に興じている間に朝食会場は混んでくる。見事に多国籍。欧米系、中華系、インド系。日本人も一組いた。
 最後は果物で締め、なんだけど

 こんな籠が気になり

 混成部隊になる。
 食事が終わり一度部屋に戻る。今度は出かける支度。10時を過ぎて動く。

 ひとまず目指すはインド人街。両替をしなくてはいけない。昨日は手持ちのリンギットで乗り切ったけど、そろそろ乏しくなる。
 2軒、3軒レートを見る。1,000JPYでいくら、という表記で37〜38MRYという所。1MRY=27JPYぐらいで、結構な円高リンギット安である。今までは1MRY=30JPYを下回ることは無かった。

 見比べて一番レートの良かったところ、1000円=38.8リンギットの所で二人合わせて2万円を両替。1万円で10MRYぐらい変わって来るので、ビール1本ぐらいの差にはなる。
 リンギットが手に入った所でインド人街の中へと進む。 


 途端に街の雰囲気が変わる。派手派手なヒンズー寺院を横目に、店先に置かれたスピーカーがけたたましくインド音楽を流す中を進む。写真で音を伝えられないのが残念だ。
 道の途中、

 店先にチキンやらサモサなんかが売っていて一つずつ買ってみる、1個2.2MRYだったか。食べてみると程よくスパイシー。
 今度は食料品店に寄り道。


 怪しげな菓子やら、普通のニンニクやら。色々な物が量り売りになっている中で注目は胡桃、だそうだ。日本で買うよりもずいぶんと安いそうで。
 もう少し歩くとインド人街が尽きる。小さなジョージタウン、特定の民族の街が何時までも続くわけではない。間もなく、今日の目的地の一つに到着。


 「Wonderfood Museum Penang」漢字で「食物狂想館」とある。漢字を見ると訳が分からなくなるが、食に焦点を充てた博物館。ジョージタウンの観光名所、色々とあるけどだいぶ行き尽しているのである。
 数年前は無かったと思う博物館に入場料20MRYを投じる。中は



 とにかくSNS映えしそうな展示ばかり。同行者同士撮り合いっこしたり、自撮りをしたりして楽しむ施設。ひたすら写真映えする飾り物を見て進む。

 こちらはドリアンの種類を示したパネル展示。これは勉強になった。「猫山王」の看板が出たドリアン屋台を何度か見ていたのでドリアンの漢字表記が「猫山王」だと思い込んでいた。でもこれは品種名。「あまおう」と書いてあるのを見てイチゴ全般を指すと誤認するようなものだ。 
 40〜50分ぐらいいたから何だかんだと楽しんだことになる。外に出ると12時が近い所。

 この先しばらくノープランなのだが、雲行きが怪しい。雨粒が少し落ちてきたような気もする。ホテルの方へ戻ろう。
 適当な道を歩き、

 初めてジョージタウンを訪れた際に見物したプラナカンマンションの前を通る。小さな町なのでどこへ行っても歩いたことのある通りだ。
 ホテルのあるチュリア通りに戻る頃、雨がしっかり降り始める。ショップハウスの軒先を歩いてホテルの近くへ。お昼時なのを幸いに食事をして雨宿りをする事にした。

 チキンライスの店へ。タイでも出てくる料理だが、ここマレーシアでも定番料理である。

 飲み物はビール、と行きたい所だが、ぱっと見た感じメニューには無さそうだったのでコーラを。アルコールがダメな時についつい炭酸飲料に行ってしまうのは、酒のみにありがちな行動パターン。

 チキンライスはチキンとライスが別々に出てきた。このチキンは2人前。別種類を頼んだのでこんな2色チキンになっている。シェアするには都合が良く、二種類を少しずつ、美味しく頂く。

 13時前。ジョージタウンの雨は相変わらずの勢いで降っている。ひとまずショップハウスの軒先を伝ってホテルに戻る。しばらく休憩。窓外の雨が弱くなるのを待つ。再び出掛けられるのは14時を過ぎてから。
 まだ弱いながらも雨は降っているので、屋内の行動を考える。コムタに行くことにして、ジョージタウン中心部の巡回バス、CATを捕まえることにした。

 待つほどなくバスは来る。地元民に大人気で、立客が出る程。数分でコムタに運ばれる。ここでしばらく、妻の買い物にお付き合い。

 コムタの隣、プランギンモールの中。前には無かった「メイソウ」なる「ユニクロ」と「ダイソー」のパクリみたいな店がある。中の品ぞろえはどちらかというと無印良品みたいな感じで、色々と模倣が激しい。さらに

 「メイソウ」をパクった「ユビソウ」なる店もあり、色々パクリが甚だしい。
 ショッピングセンターの中。中華スマホの勢いが凄い。OPPOVIVO。日本では絶対に聞かないブランドのスマホの広告、専門店の海になっている。ギャラクシーすら圧倒されている勢い。アイフォーンも日系のスマホは、影も形もないぐらい。
 ショッピングセンターのパトロールが終わる。最後はチェンドルを食べたいと仰るのでお付き合い。

 コムタの近くに本店があるそうだが、支店で頂く。チェンドルはかき氷の一種。それとこの店、アッサムラクサが名物だそうで、一つずつお願いした。


 どちらも麺料理みたいな見てくれだが、上がラクサ。下がチェンドル。東南アジアの麺料理って、麺は適当でスープを飲ませる料理だったり、具を食べされる料理だったり、そんなのが多い印象を勝手に持っているが、ここのラクサは麺もしっかり美味しかった。でもチェンドルの中の麺風のものは余計かもしれない。
 一旦外に出る。

 青空が見えている。雨季と言えども一日降り続くことは無い。しばらくは傘を差さずに済みそう。
 さて。コムタの次はすぐ近くのGAMAショッピングセンターへ。ここの目的はスーパーマーケット。

 50周年の看板を掲げるGAMAまで行く。日本にGMSが出来たのと同じころの創業なのかと妙に感心する。こちらで少々のお土産的な物。持ち帰り用の食材。そんなものを買い求めると小一時間が経つ。
 戻りもCATを考えたのだが、コムタの次の乗場へ行こうとしたら、旨い事行けずにだいぶ先に進んでしまった。結局、歩いてホテルに戻る事にする。

 キャンベル通りが妙に賑やかになっている。中国人が大挙して押し寄せるに用になって、土産物店何かが増えたらしい。チュリア通りも騒々しいが、まだマシに思える。
 ホテルに17時半。このホテル。17:30から2時間。屋上にあるルーフトップバーでドリンクサービスをやっている。ワインとソフトドリンクが提供されるそうで、試しに行ってみる。


 泊まっているホテルは5階建て。チュリア通りでは高い方の建物なので、世界遺産に指定されたジョージタウンの街並みが良く見て取れる。そして


 マレーシアでは珍しいアルコールのサービス。マレーシア航空の国際線ラウンジでもアルコールは見えるところには置いておらず、お願いしないと出てこない。それなのにこのホテルでは何故か何故だか無料で注がれる。1杯までかと思ったら、杯が空いたらまた注がれた。
 19時半まで飲み放題、という扱いらしく、まるで高級ホテルのクラブラウンジみたいな扱いだが、さすがに飲み続けるのはどうかと思い、2杯目でやめにする。
 外に出る。今日はこれから格安ビールを買いに行く。前述の通り、マレーシアは宗教上の理由でビールが高い。売価の大半は税金と思われ、免税店でリンギット建てのTigerを買うと350ml缶で3MRY程度でしかない。半分以下である。
 アルコールに関しては万事そんな調子なのだが、多民族国家でもあるマレーシアは、ムスリムばかりでは無く、華僑や印僑もたくさん在住している。特にペナンと言う所は華僑、印僑の多い所でお酒の需要はあるし、より安く、というニーズも高いらしい。
 カラクリは知らないけど、マレーシアでビールを安く売る店はあるみたいで、ペナンにもあるような無いような、そんな話はネットで見ていたのだが、その答えが、何のことは無い、グーグルマップに載っていた。それが、チュリア通りにほど近い所だったので、行ってみる。

 チュリア通りよりも観光客の匂いが立ち込めるラブレーンなる通りに入り、さらに奥の路地へ。その突き当りに

 明らかにご陽気な店がある。ここがビール安売りの店らしい。軒先で飲む人もちらほらいて、まるで角打ちみたいな雰囲気。
 店内、冷蔵庫に各国のビールが売っている。Tigerは6MRYなのにカールスバーグが5MRY。外来品の方が安く、コンビニの半値近い。
 缶ビールを2本買ってお持ち帰りにする。帰りは別の通りを歩いたら、 

 今度はトゥアックの店があった。こちらはヤシを発酵されたインドネシアの酒。前にネットで見かけた事がある店がいきなり目の前に現れたので驚く。さすがにここまで手を出すつもりはないので今回はパス。
 缶ビールを部屋に置くべく一旦戻る。

 夕暮れの時刻になり、チュリア通りの界隈にも出店が目立つようになってきた。寿司とケバブの店とか、こちらの感覚だとおよそ結びつかない組み合わせの店もあったりする。
 改めてチュリア通りに出る。昼間、単なる麺の店だったところが、

 通りをめい一杯使ってホーカーに化けていた。ちょっと寄り道。軽く飲み、摘む。

 ホーカーは1ドリンク制。飲み物を供する業者が場所を仕切っていて、食べ物屋台は間借りというのが常らしい。なので先程の安売り店で買ったビールを持ち込んで、と言う訳には行かない。改めてTigerの小瓶を頂く。
 飲み物を貰ったら食べ物調達。妻が汁無し雲?麺の屋台で行っているその途中に汁無し雲?麺が席に届く。相席だった香港人が「Express」と笑う。慌てて戻ってきてもらう。

 この後も色々食べたいから1皿をシェア。
 一皿頂き、もう一つ何かと思った頃に雨が落ち始める。一気にざっと降り始めて、屋外にいた人たちが一気に屋根下に避難する。自分たちは傘を持ってきていたから何とかなるけど、次は、もう一皿この場所で、では無くて場所替えをしよう。

 一つ通りをずれてキャンベル通り沿いにある雲?麺の専門店へ。また雲?、なんだけど先程めい一杯食べた訳ではない。まだ大丈夫、入る。

 今度の店、ビールは切らしていたので、アルコールに困ったときのコーラが身代わり。


 雲?麺を二種類。汁有りと汁無しを一つずつ注文してシャア。そして

 野菜不足が気になる頃なのでレタスのガーリック炒めを頂く。さすがに満腹になる。外はまだ弱い雨。ホテルに戻ると21時。案外と疲れる。ジョージタウンの街は宵っ張りだけど、早々に寝てしまう。