MH89/JL7091 9M-MBD A380-800 NRT→KUL

 本日搭乗のマレーシア航空89便。A380が充当されるのである。
 マレーシア航空、成田/KUL線にA380導入、8・9月限定 2017年6月6日(火)トラベルビジョン
 マレーシア航空(MH)は8月10日から9月23日までの間、週10便で運航中の成田/クアラルンプール線の一部の便について機材を大型化し、夏の繁忙期の需要に対応する。現在はビジネスクラス27席、エコノミークラス261席の計288席のエアバスA330-300型機で運航しているが、期間中は対象便をビジネスクラス74席、エコノミークラス412席の計486席のA380型機に変更。座席数は1便あたり198席増加する。現在は政府認可申請中。
 MHによると、同路線の搭乗率は今年の1月から3月までは約95%と好調に推移。1月と2月は旧正月などの訪日需要が、3月は日本の春休みと卒業旅行需要が後押しした。需要の比率は成田発が6割、クアラルンプール発が4割。クアラルンプール発についてはシンガポールやタイからの乗継客も多いという。
 対象便は成田を毎日10時30分に出発するMH89便と、クアラルンプールを毎日23時59分に出発するMH88便。運航日はMH89便が8月11日から13日、18日から20日、9月8日から12日、14日から17日、22日と23日で、MH88便が8月10日から12日、17日から19日、9月7日から11日、13日から16日、21日と22日とした。運航スケジュールは下記の通り。
 ▽MH、成田/クアラルンプール線 A380型機による運航スケジュール
 MH89便 NRT 10時30分発/KUL 16時45分着
 MH88便 KUL 23時59分発/NRT 08時10分着※翌日

 マレーシア航空のA380、6機あるそうだが、持て余し気味のようでクアラルンプールの空港に何機がぼけっと佇んでいるのを何度か見た覚えがある。実際、ロンドン線の他、メッカ巡礼需要のチャーター便ぐらいしか使い道がないそうで。
 紹介した記事の中では、10日からと記載があるが、10日のMH88からがA380投入の対象。折り返し11日成田発、つまり今日これから乗るMH89/JL7091便がA380の初便、と言う事になる。
 予約した時はまだ287席仕様のA330の予定だったのだけど、急遽483席仕様のA380になった。JALをメインで飛んでいるのでA380なんて機材、乗る機会がなかったのだが、タナボタも良い所で正直驚いた次第。
 ちなみに急に200人も定員を増やして売れるの?という心配はある。マレーシア航空は当日空席があれば格安でビジネスクラスへアップグレード出来る筈で試しに聞いてみたのだが、今日は満席との事。483席、売り切ったらしい。
 座席はウェブチェックインで2階席を抑えてある。どういう訳か数日前にマレーシア航空側の予約番号入りでメールが届いていたので、マレーシア航空のウェブサイトで手続き出来てしまった。これが正しい扱いなのかどうかは良く分からない。
 荷物を預ける。乗継先まで預かって貰える事になる。ラウンジはJALさんのという案内。何時もならカンタスのラウンジを案内するはずだが、今日は出発ゲートが本館側の66番。A380対応ゲートの利用で、本館側のラウンジを案内する事になったようだ。
 時刻は8時前。出国の行列が出来ている。さすがに連休初日。並んでいる人には申し訳ないが、上級会員向けのショートカットを使わせてもらい、電子出国手続きを用いてショートカットして、出国完了。時刻は8時。
 出国した所、8:25にでるエアアジアXのテンパサールゆきにご搭乗の方は、なんて係員が声を掛けてた。8:25発なんて出国審査開始と同時ぐらいの勢いで出国しないと乗れないじゃん、と思うのだが、成田の出発便もどんどん早くなるのだろうか。
 さて、ラウンジへ。窓際の席に座ると、

 JALの向こうにマレーシア航空A380の巨体が横たわっている。本当にA380に乗るんだ、と実感する。
 MH89/JL7091の出発は10:30。ゲートオープンは1時間前の9:30になっていた。普段よりも200人多い客を確実に捌くために、搭乗手続きも搭乗も前出し前出しになっていることが分かる。9時半ぴったりにゲートに居る必要はないだろうが、多少早めを心がけると、案外と時間がない。

 まずは成田のJALファーストクラスラウンジの名物、握り寿司を頂いて空腹を落ち着かせ、

 様々な小皿ですっかり満腹になる。

 各地へ散る飛行機を眺めていると、連休初日のラウンジ。当然かも知れないけど混雑してくる。残り小一時間。ダイニングを離れたついでに4階に居場所を変える。4階はさすがに空いている。落ち着いた時間を過ごす。
 9時半。手元の搭乗券に記された搭乗開始の時刻になった。そろそろ席を立とう。搭乗口は66番。先程ラウンジが眺めた機体があるところ。結構遠い。


 JALの機材を眺めつつ、歩く、歩く。だいぶ歩いてようやく巨体が目の前に現れる。

 真ん前からみるととぼけた顔つきのA380。香港辺りでは何度か見かけた機材だが、違うのは自分がこれから乗る機材、だと言う事。

 2階建ての機体がとてつもなく大きい。

 逆サイドに廻る。搭乗橋が3本取りついている。2階へも一本。
 ようやく搭乗口。既に搭乗が始まっている。

 夏休みで浮かれた感じの観光客が行列を作り、機内に吸い込まれてゆく。優先搭乗は既に終わってみるみたいなので行列の後ろについて、機内へ。
 3本の搭乗橋。分かれ道の所に係員がいて、あなたはこちら、あなたはこちらと道案内。そうしないと間違って1階に行ったり、2回に行ったりがあるだろうし。

 登り坂、という体裁の搭乗橋を登り2階のシップサイドへ。結構円弧がキツイ。機内はどんな感じなのだろうと乗り込む。

 2階席は前3/4近くのスペースをビジネスクラスに割いている。座席配置は2-2-2。前後間隔にものすごい余裕がある。

 後ろの1/4がエコノミークラス。座席配置は2-4-2。エコノミーがこれだけ、の訳はなく、1階にも大量の座席がある。座席配置は3-4-3だそうだ。
 ウェブチェックインの時に選んだ座席に座る。座ってみると、これ、かなり広い。前後も幅も余裕がある。そして

 窓際に設けられた荷物入れ。B747の2階にもあったけど、機内に持ち込んだバックはこの荷物入れに入るし、ふたを閉めれば物を置くのにちょうどいい。そうそう、後になって電源がある事にも気づいた。
 マレーシア航空のA380エコノミークラス。想像以上に余裕がある。最初の印象は非常に良い。
 機内満席になって10:30、Doorclose。10:33、Pushbuck。二重になった窓の向こう、雨粒で外は良く分からない。二階席だからか、外の喧騒も伝わってこない。10:43、Taixing。
 水滴に濡れた窓外。微かに見える景色はいつもの成田。A滑走路に向かっているようだ。左手に格納庫が見えて飛行機の歩みが遅くなる。ジリジリ進んでようやく滑走路端。11:06、Takeoff RWy34L。

 雨粒が飛ばされようやく外がクリアに見える。でもまぁ、天気は良くない。視界も悪い。まもなく

 外は真っ白。軽く揺れる。窓外が明るくなると揺れも落ち着く。まもなく

 11:14、ベルト着用サイン消灯。

 早々にビジネスクラスとの間、カーテンが閉められる。A380の二階席後方、70席程の小さな空間が出来上がる。お手洗いに立ったついでに後方を覗いてみると、一階へ降りるための階段はあることあるようだが、封鎖されている。クアラルンプールに到着するまで、この空間で過ごす事になる。
 席に戻る。まもなく飲み物のサービスが始まる。時刻は11:24。離陸から20分少々だから、素早い。

 2年前の記録を見ていると、ドリンクサービスを飛ばして一気に食事に行ったらしいのだけど、今回はトレーにジュースを乗せて回ってくる。一緒に出てきたのはマレーシア航空では、どこで乗っても必ず出てくるピーナッツ。水のペットボトルは持ち込んだけど、乾く機内ではありがたい存在。リンゴジュースを飲み干す。
 次は食事、と思ったら

 今度は飲み物が出てきた。ビールを頂く。銘柄を選べたのでTigerにする。一緒に頂いたのは再びのピーナッツ。何か今日はずいぶんとサービスが良い。70人ぐらいを2人で面倒みているのだけど、スピードも速い。

 まだ日本列島の上空、だが、どこまでも雲。どこを飛んでいるのか分からないまま西に向かう。
 11:50になって今度は食事になる。「すき焼きビーフ or フィッシュパスタ」という2択。すき焼きビーフは良く分かる。ビーフと言うと色々だが、「すき焼き」が付くことでだいたい想像がつく。それに引き換え「フィッシュパスタ」は訳が分からない。先行して選んだ人、みんなすき焼きビーフを選んでいる。
 今回は夫婦二人なので2択を片方ずつ頼むことが出来る。無難なすき焼きビーフを妻にお願いして、自分は「フィッシュパスタ」に行ってみた。

 これがフィッシュパスタ。

 フィッシュパスタじゃなくてフィッシュアンドパスタだね。

 前菜にクスクス。日本で馴染みの無い食材だけど、一回キャセイで出てきたことがある。その時よりも食べやすかった。

 パンもある。パスタとクスクス、よく見ると炭水化物リレーだ。

 デザートと

 水。結構おいしく頂けた。少なくとも2択で全く選ぶ人がいない、というひどいメニューからは程遠い。

 こちらはすき焼きビーフ。要するに和食枠。

 エコノミーのすき焼きにありがちな肉+野菜+ご飯の組み合わせがメイン。

 前菜は酒のつまみみたい。

 エコノミークラスの和食ではお馴染みの素麺。隣りにはデザートの桜餅。
 二択の中身がまるで違う事には驚かされる。

 ちょうど12時、締めに紅茶を頂く。英国領だったマレーシアは紅茶が美味しい。飛行機でもまず最初に紅茶が供された。JALの緑茶と同じ存在か。
 クアラルンプールまではまだ5時間以上かかる。

 恥辱を綴るためのPCをテーブルに置いても十分に余裕のある広い座席はなかなかの乗り心地。乗り続けても疲れを感じない。日本語の映画は3本上映。前回は確か2本だった。最初から見続ければ3本全部見れる体裁である。途中、システムが止まって再生できなくなったので、乗務員の呼び出しボタンを押したら「ビールか?」とTigerを持ってやって来たのはご愛嬌。再起動で元に戻る。自分の座席にモニタ、どうも傾いてガタガタする。導入からもうすぐ10年という機材だが、日々のメンテ、あまり良くないのかも知れない。
 12:36、ベルト着用サイン点灯。軽く揺れる。揺れが収まってもサインが点きっ放しだったが、何時の間にか席を立つ人が増え、気が付いたら消えていた。

 14時過ぎ。不意に外を見ると島影。位置を確認すると台湾島の南側。まだ先は長い。映画を見つつ電源を生かして恥辱を続ける。マレーシアに向かう機内で思い起こすのはビエンチャンの一日。
 シェードが閉められ薄暗くなった機内。15時を大きく回って、

 飲み物の提供があり、オレンジジュースを頂く。成田を飛び立ち4時間半。体は疲れは感じないが、気怠さは感じる時間帯である。少しシェードを開けてみると、

 南シナ海の上空だろうか。空も海も底抜けに青い。
 16時を過ぎて軽食のサービスになる。定刻ならクアラルンプールまで2時間を切った所だ。


 2015年のフライト同様、おにぎりor総菜パンの選択肢。言えばアルコールが貰えるのも一緒で、今回は赤ワインを貰ってみた。ちょうど瓶が見えたので。妻には飲み過ぎと呆れられる。
 軽食を配る間に軽く揺れる。ベルト着用サインは付かないままサービスは続行。ゴミの回収にも普通にやって来た。
 窓外の青さが白さに変わり始める。眼下の雲が厚くなって17:05、機長さんから案内があるのと同じくしてヘッドフォンの回収がある。7時間のフライトもそろそろ店じまい。

 飛行機が高度を落とし始めると雲の中へ。そして揺れる。大揺れになる。この巨体でも揺れる時は揺れるのね、と妙に感心する。

 雲の下に降りて、なお下に雲。雨季のマレーシア、大地はまだまだ遠い。そしてこの時間、困った事に耳の空気抜きがうまく行かない。普段なら何事もなく抜けるのだが、風邪をひいているとどうもダメ。高度を落とせば半ば無理矢理に抜けるのだが、今日は全く抜けてくれない。少々頭が痛くなってくる。辛い。

 17時半を過ぎて窓外にマレーシアの大地が見えてくる。もう着陸間近、というときになってようやく耳の空気が抜けてくれた。だいぶ楽になる。そして17:34、Landing、RWy32L。
 クアラルンプールの空港は広い。ゆっくりと誘導路を進む。

 マレーシア航空の主力、B737-800と並走しすれ違い、ターミナル、KLIAへ。最後は国際線ターミナルであるサテライト側へ。

 17:45、時差の1時間を修正すると16:45、Spot in SP C12L。定刻であった。
 搭乗橋が付くまで少々間があり、さらにA380の大きなキャビンで大半を占めるビジネスクラスのお客さんが降りてからの降機。前方へ進むと乗って来た時の出口では無くて、1階に降りてからの降機だった。階段を降りるとここはファーストクラスの客室。

 先任らしい初老の乗務員が「撮りなよ」と客に声を掛けていたので遠慮せず撮らせてもらった。席に座って写真を撮る人なんかもいる。和気あいあいの降機となる。
 広々した座席のおかげで7時間乗っても楽だった。このエコノミークラスなら深夜便でも行ける。素晴らしいと思うのだが、A380を持て余すマレーシア航空。手放す事を模索しても引き取り手がなく、結局、ムスリムの巡礼需要に特化したチャーター会社を設立して、そhしらに移籍させるのだとか。エコノミーでもいいからもう一度乗りたい、と思うがどうなるか。
 サテライト側から本館側へ移動する。今日はマレーシア国内の乗継がある。KLIAの良い所は、国内線乗換専用の入国審査窓口があって、乗り継ぎがスムーズな所。サテライト側からの電車を降りると専用通路に行くのだが、今日はSimカードをクアラルンプールで手に入れたかったので、入国審査側へと向かう。審査場の手前に通信会社の窓口があるので、そちらでSimをお買い上げ。セットまでして貰う。ここから逆走。入国審査前のなので問題なく、サテライト側への電車乗場から国内線乗り換え口へ向かう。
 がら空き、を想像してきたのだが、みると大行列。想像以上の大行列。これ、どうも夏休みのマレーシアで過ごす日本人が大半、らしい。大きなA380が運んできたお客さんがマレーシア各地に散って行くのである。
 自分たちは19:30出発という便を予約している。元々は19時でそれが、変更になったのだけど、とにかく、乗り継ぎには余裕がある。しかしそうでもない人も多いみたいで、手前の人が手にする搭乗券。搭乗開始17:45、なんて数字が見える。
 行列を抜けるの18時ぐらいか、と予想して並ぶ。少しずつ少しずつ流れてゆくが、30分程で異変。どこからかの便が来たのか、外国人、主に欧州の人だろう。乗継に余裕がないのか、後ろから来て前に廻って自己主張し始める。入管係員が少なく、行列を整理する人がいないのをいいことに突っ込んでくるが、入管窓口の係員は強い調子で彼らを制し、行列に並んでいた人を招き入れる。
 何とか順番が回って入国。保安検査を抜けると18時であった。ここに一人、マレーシア航空の係員がいる。チケットを見せるとB5、と言われる。成田で発券した際にはまだゲートが決まっていなかったのである。

 17:45搭乗開始のお客さんはコタキナバル行きらしい。みなさん乗れただろうか。
 余裕があった乗り継ぎも思わぬ障害で、持ち時間は1時間半。ここはマレーシア航空のラウンジで過ごす。脚を運ぶと、

 でっかいお姉さんが微笑んで工事中ですと告げていた。代わりのラウンジ、搭乗口B3近くにあるんだと。今度の搭乗口、B5だったね。逆に都合がいいかも知れない。
 国内線ターミナル、中央を挟んで反対側のB側に歩く。歩く。歩く。すると


 仮設もいいとこ、その辺のエリアを区切っただけのラウンジが現れる。マレーシア航空の国内線ラウンジ、なかなか良かったのだけどなぁ。残念である。

 仮設だが食事は一応あった。ミートパイに春巻きに、揚げ餃子。 

 ケーキや甘いものの類。イスラム国家のマレー人は酒を飲めない代わりに甘いものを好む。

 ヌードルバーは無く、代わりにカップ麺が食べられるようになっていた。カップ麺を貰ってお湯を入れて持ってきたわけだが、後ほど、妻がカップ麺コーナーに行ったら係員がいて、カップラーメンを作ってくれた、そうだ。どういうサービスよ。
 そんな訳で仮説のラウンジで小一時間を過ごす。手元の搭乗券、搭乗開始時刻の19時を目安に席を立つ。