パープルラインに乗る

 いつまでも撮り続けられそうだが、折角バンコクで時間が出来たので、ちょっと出かける。まずは地下鉄のペッチャブリー駅へ赴く。

 地下鉄の案内。

 バーンスーから1駅伸びている。タオプーンとあり、これは昨年開業したパープルラインの始発駅。開業以来、パープルラインは他の路線と接続しておらず、苦戦が続いているそうだが、ようやく地下鉄と接続する事が出来たのか。
 パープルラインと地下鉄の一区間、地下鉄にもブルーラインという名前が付いたそうだが、という二つの未乗線が出来たので、そちらに向かう。タオプーンまでの切符、ICチップだけど、を買い求めて、ブルーライン北へ。
 この時間、席はそこそこ埋まっている。チャトゥチャック公園駅でたくさん降りて行ったからウィークエンドマーケットのお客さんかも知れない。さて、まもなくバーンスー。ここから一駅が未乗区間

 なのだが、バーンスーで降ろされてしまった。Tao Poonの文字が案内にあるので、次の電車なら行くのだろうと思って待っていると、係員がやって来る。TaoPoonならバスに乗り換えだって?なんで??
 改札を出る。当然切符は回収される。歩いて行くと

 TaoPoonへのバスは2番出口へ、という案内。まだバス連絡なのか。さっぱり状況が分からないまま、


 連絡バスに流れ着く。まだ地下鉄は延伸していないらしいことを知るが、じゃぁ何なんだペッチャブリー駅の案内図。キップだって買えたぞ。
 腑に落ちないままバスに乗り、混んだ道を10分弱。タオプーン駅の高架下まで運ばれた。


 自動券売機。これから乗るパープルラインの行先は選べるが、タオプーンまで開業した筈の既設線、ブルーラインの駅は載っているものの選べないようになっている。

 パープルラインの高架ホームまで上がると、バーンスーからブルーライン。新しい線路が伸びている事が分かる。時折列車も走って来る。どうやら習熟運転中というところか。

 更に先へ線路が続く。後で調べてみたらバーンスーからタオプーンの開業は今月11日。その先はタープラまでの11.8㎞が工事中。開業は今の所2019年の予定だそうだ。

 さてパープルラインの電車がやって来る。一旦人を降ろした後、車内点検。改めて乗客を乗せる。

 駅入口に近い最後尾の車両は立ち客がさらっと出るぐらいの乗り具合。前に行くほど空席が目立つ。他路線との接続の関係で苦戦中とは聞くが、土曜日の夕方でこの乗り具合。ちょっと物足りないか。

 車両は日本製。古い人間なものでJ-TRECと言われてもピンとこないが、総合車両製作所、元の東急車両である。電機品は今何かと話題の東芝製。
 電車が動き出す。地下鉄のブルーラインと違って、高架線を行くのでバンコクの街並みが良く見える。微妙に郊外というか、馴染みのないエリアなのでちょっと新鮮。


 住宅街、なのだと思うが、プールをもつような高級マンションがあるかと思うと廃墟同然の建物のあったり、色々な階層が混じり合った不思議なエリアが続く。
 だんだん高い建物が少なくなると、茶色く太い流れが目に入った。タオプーンから20分。チャオプラヤー川だ。

 茶色く濁った河を台船が遡ってゆく所を跨いて川を越える。

 越えた先も住宅街だが、小ぎれいな一軒家が目立つようになってきた。空港からのエアポートリンクに乗ると同じような住宅街が目に付き、電車は通勤客で混雑するが、パープルラインもいずれ同じような通勤路線へと成長するのだろうとは思える景色が続く。

 タオプーンから30分少々。大きな道路が見えてくる。後で調べるとバンコクの外周をぐるっと囲む国道9号線。東京でいうと16号線の外周部まで来たのかなぁと思いを巡らす。タオプーンから20㎞。バーンスーがファランポーンから7㎞少々。ファランポーンから見ると30㎞近い距離を来ている。

 気が付くと車内は殆ど客が残っていない。郊外に来た感を強くすると間もなく終着、クロンバイパイ駅。


 一度改札を出る。駅自体は9号線の道路に跨る。その東側には車両基地があるようだ。西側が住宅街。

 列車を降りる客、乗る客。どちらも少ない。
 さてタオプーンへ折り返す。引き上げ線から入って来る電車を撮ろうとしたら駅の警備に思いっ切り注意された。撮影禁止だったの?という感じで戸惑う。
 同じ景色を30分少々。18時にタオプーンに戻る。高架から改札口に向かう途中、

 ブルーラインへのホームへ続く通路に気が付いた。勿論、塞がれているので営業が始まっていない事は良く分かる。ようやく諦めは付いたが、また乗りに来なくてはならないのか、とも思う。

 この辺りの構造、後でバーンスーの駅で見かけたポスターが分かりやすい。ブルーラインがタオプーンに乗り入れ開始すれば、パープルラインの利便性はだいぶ改善する。

 タオプーンで最後に。日本の援助で開業したことがプレートで示されていた。昨日一昨日のビエンチャンと同様、JICAの存在感、東南アジアではかなり大きい。
 さて

 バスでバーンスーに戻る。地下鉄駅ではあるが、国鉄駅の目の前。ちらっと構内を覗いてみる。

 ちょうどファランポーンゆきの客車列車が停まっている。どこから来たのか、いつ出るのか。そもそも営業列車??と思っていると


 出発してゆく。2等車、食堂車もつないだ列車で、側面に掲げたサボや時刻表と突き合わせるとウボンラチャタニーを7:00に出てきた快速136列車だった。定刻ならバーンスー18:12発らしいから、殆ど遅れていない、と言う事になる。ファランポーンまで行く間に踏み切り待ちで遅れそうだけど、タイ国鉄、立派、立派。
 もう少し待てばバンコク発の夜行列車群がバーンスーにやってきそうだが、待つ気力がなくホテルに戻る事にする。地下鉄の駅へ。切符を買うと、バーンスーからペッチャブリーまでの運賃、来る時にペッチャブリーからタオプーンの運賃として払った金額と一緒だった。まぁこの点でも納得。
 戻りはペッチャブリーの一つ手前、プララーム9駅で降りる。

 駅最寄りのショッピングセンターを訪れ、自宅に買って帰る食材などを手に入れる。ここから一駅歩いて戻るけど、これは明らかに失敗。歩きにくい道だし、人通りも少ない。ケチらず地下鉄の方が安全だ。
 さて夕食なんだけど、この辺り、食事を出来そうな所が殆どない。コンビニもない。これなら先程のショッピングセンターでビールも買っておけばよかった。
 アソークの方に歩いて食事とコンビニ探し。なぜかコリアンレストランが目に付き、次がジャパニーズレストラン。タイの一泊で和食ってのもねぇ。結局、かなり歩いてコンビニに入り、ビールを買う。雨が降って来たので、帰りはアソークの駅から地下鉄にした。一駅歩いたので廻りは一気に歓楽街になったが、疲れたので地下鉄でホテルに戻る。食事はホテルで済まそう。

 シンハは110THB。喉が渇いて一気に飲み干す。もう一杯、頼んでしまう。

 何となく食事はグリーンカレーにしたけど、よく考えると昼食の機内食と被った。味はまぁまぁ。
 食事は終わったが、何となく物足りず、ホテルの近くにあったクラフトビールと韓国料理という不思議な組み合わせの店に足を伸ばした。

 先程来降り続く雨。ざっと降ってさっとやむ、ではなくてしとしと降り続く、まるで日本の梅雨みたいな降り方が続いている。

 タイ産というIPAを頂く。こちらはホテルのレストランよりも高い200THB

 付け合わせにポテトを頼んだが、これはイマイチ。
 一杯飲んだら気が済んだのでホテルに戻る。先程買ったビールを飲んで荷造り少々。思ったよりも空間が出来る。もう少し買い足しても良いけど、もう無理。明日考えよう。