目が覚めると6時半だった。目覚ましよりも30分早いいつもの時間。体内時計の正確さに我ながら呆れる。
 九州と言えども5月の朝。既に明るくなっている。窓外を見ると

 バスと電車。トレインビューの景色が広がる。朝っぱらから、ソニックか何かか、特急が突っ走って行く。

 ホテルに近い線路は筑豊電気鉄道の線路。昔は西鉄の北九州線、だろうが、その残滓みたいな連接車が停まっている。

 鹿児島線の線路を普通列車と貨物列車が並走してゆく。



 筑豊電気鉄道路面電車を三連発。

 7時を過ぎてバスの動きも活発になる。

 貨物線をEF81が駆けてゆく。
 何時まで見ていても飽きない感じだが、時間に限りはある。そろそろ出かける支度。荷物を持って朝食へ。

 無料朝食を頂く。一応、野菜有り、ソーセージありで、普段よりバランスが取れた食事にはなる。コーヒーを飲むと8時。そろそろ出発の時間だ。
今日はバスで待ち合わせ場所に向かう。直方のホテルなのだが、駅前からは少々距離があり、調べてみたら黒崎から直方までバスが走っていた次第。朝ラッシュだからか、始発から少々遅延。昨日夜中に八幡ICから来たような道を戻る。40分程で待ち合わせ場所の直方にあるホテル到着。会社の人と落ち合う。
 昨晩直方まで入れたら楽なのだが、22時に北九州に着いた後で、直方まで公共交通機関で行くのが難しいそうだったので、自分は黒崎に泊まった次第。実際には、八幡ICにタクシーを呼び出していれば、直方まで入れたかも知れない。トリッキーな算段だとは思うけど。
 直方のホテル。14年ほど前に九州の仕事で何度か利用した所で、何とも懐かしい。今日はここから、取引先に向かう。
 9時半から打合せ開始。予定では14時半終了だったが、色々とあって1時間ほど伸びて15時半過ぎの終了となる。多少伸びるのは想定のうちなので、何の問題は無い。今日の帰りは20時の飛行機、福岡から飛ぶ事にしている。
 直方の駅まで送って貰う。博多まで電車で移動。目の前には

 こんな電車、ではないか、気動車とも違うけど、が停まっている。パンタグラフを下げたまま、磁歪音を鳴らして出て行った。
 博多行きの快速はパンタグラフを揚げた普通の電車。1時間少々で博多まで着くともう17時。もう少し余裕があるかと思っていた。
 博多の街で軽く飲んでから空港に行っても良いのだが、20時の飛行機、国内線ファーストクラスのキャンセル待ちを先に入れようと思い、空港に向かう。空港に行ってから一度博多に戻っても構わないし。

 地下鉄に揺られて2駅5分。福岡空港に着く。工事現場みたいな福岡空港の国内線ターミナル。自分の記憶とはまるで違う中を歩いて、JALのカウンタへ。

 20時の便、国内線ファーストクラスのキャンセル待ちをお願いする。すると
「20時の便は只今オーバーブッキングになっておりまして、18時の便であれば、ファーストクラスをご用意できますが、いかがいたしましょうか」
 などと仰る。自分のチケットは特便割引なので、前便振替は出来ないのだが、オーバーブッキングを解消するためか、前便振替を認めてくれるという。それなら、と18時の便でお願いしていしまう。
 福岡滞在2時間半の予定が一気に30分少々に短くなってしまった。もう博多に戻る、なんて選択肢はあり得ず、保安検査に向かう。これまた工事だらけで記憶の場所と違っている。少し悩んだが、何とか通過。
 福岡空港にも何時の間にかDPラウンジが出来ていた。そちらへ寄り道。

 羽田国際線のファーストクラスラウンジみたいなエントランスが出来ている。工事現場だらけの福岡空港で、ここだけがゆとりのある空間。

 無駄に広い空間、ともいうかも知れない。
 滞在できるのは20分弱という所。その間に、折角なので軽く飲む。

 ビールはヱビスビールを置いていた。サッポロ派としては非常に嬉しい。パンは昨日も食べたカレーパン、も置いていたが、高菜入りのパンというのがどうやら福岡オリジナルらしい。漬物パン、と言う事になるが、案外と食べられる。美味しい。
 ビールを一杯飲むともう羽田行き、搭乗開始の時刻。15分弱で席を立つ事になる。ラウンジの外に出るとそこは工事現場みたいな所。制限エリア内も絶賛工事中で、これから搭乗する人と、降りてくる人の動線が混じり、カオス状態になっていた。