台北市内のホテルで目が覚める。外はくもり空。天気予報は雨だったけど、今日一日、さてどうなるか。
 朝はゆっくり。身支度をして ホテルを出るのが9時になってから。
 善導寺ってのは何もない所だけど、一つ、有名な所が阜杭豆漿という店。豆乳を出す朝食店で、前に一度訪れたことがあるが、非常に混んでいた。その阜杭豆漿で朝食を食べようかとも思ったが、

 店の外まで延々続く大行列。前に訪れた時よりも圧倒的に長い行列を見て、さっさと転進する事を決める。次の朝食店候補に行こう。

 善導寺の駅から地下鉄板南線。昨日のなぞり返しで西門の駅で新店松山線に乗り換え。二駅行った中正記念堂で下車する。
 駅名通り、台北のランドマーク最寄り駅だけど、その反対側に出る。

 中正紀念堂に脇にあたる、と思うのだが、この辺りはまるで地方都市みたいな雰囲気。土曜日だからかクルマも人も少ない街を少々歩くと、

 黄色い看板が目立つ豆漿の店に到着する。店内混んでいるが、行列は無いので早々に店に入る。

 注文。ここは豆漿だけでなく色々とメニューに並ぶのでついつい頼み過ぎてしまう。混んでいるので相席で。座ってみて初めて気づいたのだが、日本人グループも一組、二組、いるようだ。

 豆乳他二品。


 1つずつ頼んだ水煎包や焼餅加蛋は二つに切って渡された。ちょっとした心遣いだが、嬉しい。

 豆乳は日本の物と違っておかず、あるいは主食になるような塩っ気のあるもの。具材も色々と入っている。こちらを頂こうとするともう一品、頼んでいたものが席まで届く。

 小籠包。朝から食べ過ぎな気がするけど、相席の中年夫婦、恐らくは地元の人と思われるが、の所にも同じタイミングで小籠包が届く。このぐらいの量の朝食が台北では標準みたいだ。
 滞在20分。台湾らしい朝食を頂いて街に戻る。折角、紀念堂の近くまで来ているので観光をしてゆく。台北も何度か来ているけど、ベタな観光はあまりしていないし。
 裏通りからの紀念堂なので、入るのは裏口から。

 ちょっと趣があるけど、大きな記念堂では名もない裏口。ここから中に入る。中は大きな公園、と言った感じ。

 リスが現れて、えぇ、と思う事になる。ロンドンのハイドパークを思い出すが、ここは台湾。会社で見たタイワンリスの方が近いのかも知れない。
 裏から入ると街中の大きな公園、という体裁の中正紀念堂。ちょっと歩くと公園としてみるならば異質な建物が姿を現す。

この大きな建物が中正紀念堂の本体。中正とは中華民国初代総統蒋介石の本名。その総統が死去した際に哀悼の意を込めて建てられたモニュメント。強権国家だった頃の残滓と言えなくはないが、台北のランドマークであり、観光名所である。
 大きな建物は展示施設になっているので少し見学してゆく。蒋介石に関する常設展と特別展の二つのエリア。それに展示場の貸出をやっているのか、蒋介石と全く関係ない、大鉄道展、なんて企画展をやっている。鐡道展は大いに惹かれるが入場料350NTD。食事3食分、というのが思いっ切り頭をよぎる。一人だったら投じたかも知れないけど、妻まで巻き込むのはどうかと思い見合わせ。

 そもそも、日本の鉄道を取り上げる展覧会だった。JRと京急と西武。台鐵と友好協定を結んだ所だけみたいだ。
 特別展は抗日戦争歴史真相、とあり、日中戦争に関する展示会。日本人としては持ち上げられてすぐに叩かれる、という状況であり、少々複雑である。 

 模型やらパネルやらで国民党目線から見た日中戦争、先方の言い方を借りれば抗日戦争に関する展示を眺める事になる。見学客は圧倒的に大陸のお客さんが多い様子。国民党目線での歴史を大陸の人が見るというのはどういうものなのだろう。カイロ会談に関するパネル展示もあって、史実通りに蒋介石が並ぶ写真が展示されている。勿論、毛沢東はそこには居ない。
 日本人のツアー客もいて、台湾人のコンダクターは「戦争の展示」と少し言葉を丸めて説明していた。大陸のお客さんに対しても同じような事があるのかも知れない。

 常設展は蒋介石の‭歩みを紹介したもの。今度は国民党が台湾へと逃れてきた後の歴史となり、それはそれで台湾人というか本省人に取って突き刺さってくるような内容になりかねない。勿論、物議を醸しそうな部分は取り除いての展示構成である。


 捨てるには惜しい専用車が2台も展示されている。うち一台はフィリピンの華僑から贈られたものだとか。

 執務室が再現されている。背景には中国大陸全土を示す地図。あくまでも台湾は仮の地なんだろうなぁと言う事を色濃く感じる。
 さて、4階へと移動する。そこには、

 蒋介石のとんでもなく大きなブロンズ像が構えている。中華民国の国父である孫文銅像と言うのは世界各地で見てきたけど、世界各地の孫文が束になっても蒋介石の体積には勝てないだろうと思われる程の大きさである。

 その手前、両脇に構えるのは助さん角さん、では無くて衛兵。

 この衛兵、全く身動きしない。じっと動かずにいるのがルールみたいで本当に動かない。よく見ると全く生きている気配はあって微動だにしない、と言う訳には行かないみたいだけど、シャッターの雨に耐え続けている。もう一人兵隊がいて、時折、直立不動の衛兵の制服、裾を直したりしている。
 24時間全く動かない、という勤務は過酷であり、この衛兵は1時間ごとに交代する。その交代の儀式が見どころの一つ。もうすぐ交代の時間。観光客で人だかりが出来る。
 まもなく交代の衛兵がやって来た。

 北朝鮮兵もびっくりしそうな直角な動きで交代の衛兵がやって来る。一歩一歩、角々しつつ赤絨毯の上を歩いて行く。
 直立不動の衛兵も角々動き出す。こちらは動けることの喜びを醸し出す、というのは見ている方の勝手な思いかもしれないが、そんな気がする。

 銅像に最大限の敬意を示しつつ、交代の儀式。二組の衛兵がシンクロしつつ、仰々しい動きを二度三度繰り返す。

 交代の衛兵、ようやく諦めがついたのか立ち位置へと向かう。角々、角々、2人が同じタイミングで自分の持ち場へ。そして勤務から解放された衛兵が同じく引き上げると交代の儀式が終了。観光客が散り始める。
 さっきは裏口から入ったけど、今度は銅像がまっすぐ見据えるその先、階段を降りて見返る。

 立派なモニュメントがどんと構える様子。そこから延々広がる広場。でも広場の真ん中には大きなテントが設営されていて、アナと雪の女王展、なんてイベントが行われている。その事が逆に自由主義国家らしくて安心する。
 もう少しぶらぶら。広場の真ん中や階段には大陸のお客さんが座り込んでいる。先程から歩き詰めで疲れたが、同じ事はしたくない。結局、隅の方、公園みたいな所にベンチが並んでいたのでそちらに。紀念堂の喧騒は届かないエリアである。

 梅の花が咲いている。沖縄より南の台湾だから、梅だろうが、サクラだろうが、咲いていても不思議はない。けど今日は寒い。真冬の横浜でする格好と同じようにコートを羽織ってちょうどいいぐらい。昨日今日明日の台北滞在者には季節外れの感覚に満ち満ちている。
 中正紀念堂を後に、東門町へと足を伸ばす。小籠包で有名な鼎泰豊の本店がある所だ。勿論長蛇の列が出来ている。待ち時間の表示、110分。
 今日も目的は2時間並ぶ鼎泰豊本店ではなく、妻がぜひ食べたいと言っているアイスクリームの店。正確にいうとお茶屋さんなのだが、

 向かったお店は大通りから入った道の、更に奥。路地みたいなところで店の前にはバイクが路駐しているのに、店に入ると雰囲気が変わる。1階が店舗で2階が飲食スペース。上に通される。

 落ち着いた雰囲気の店内。先客は二組。交わされる言葉はどちらも、日本語。どうやら日本人観光客御用達の店らしい。海外で周りの人たちみんな日本人、というのはこの夫婦の旅では珍しい状況だ。
 台湾ではちょっと高級な店になると、最低消費金額、というものが設定されている。このお店では180NTD。日本円にしてしまうと1000円を遥かに下回る金額なので、どうと言う事ない筈だのだが、台湾の物価に慣れつつある状況だとついつい構える。
 結局、ご自慢と言うアイスと本来の取り扱い品目であるお茶を発注。

 そのアイスクリーム。複雑なのに滑らかで爽やかな味。これは水準を突き抜けている。確かに美味しいと納得する味であった。
 さて、東門町。先日放送されたモヤモヤさまーず2では鼎泰豊が60分待ちで、その代りにそれぞれの味、それぞれの美味しさと評された路地裏のお店に入っていたような覚えがある。何となく、その店を探して見る。鼎泰豊の脇、路地を入ってウロウロ。すると、

 これかな、と思える店がある。調べてみると当該で間違いない様子。折角なので入ってみる。店の人、急に日本人が来るようになった、と思っているのかどうかは定かではない。店内、13時半過ぎだが、そこそこテーブルは埋まっている。

 冷蔵庫に台湾ビールがあったので頂く。勝手に管を取って飲んで、飲んだ分だけ会計されるというシステム。向こうのテーブルでは地元客が二本目の缶ビールを楽しんでいるが、食事とお酒を一緒に取る、というのは台湾では一般的ではないらしい。

 頼んだのは肉まんを二種類各1個。そして

 それぞれの美味しさ、と評された小籠包を。
 頂いた小籠包。個人的には美味しく頂ける。確かに薄皮1枚の向こうに溢れんばかりの肉汁、では無かったけど主食と思えば、納得は行く。
 時刻はもうすぐ2時になるところ。案外と時間が経っている。午後は色々と制約があって、ホテルに戻りつつ、台北車站へ向かう。東門町から地下鉄で1本で。


 地上に出るとちょうど保存蒸機と気動車のいる場所であった。

 少しだけ台北車站で買い物。台鐵夢工場という鉄道グッズの売り場に寄り道。

 店の前には電気機関車を模した駅弁売り場が構えている。時間帯から言って閑散期なのか、品ぞろえはそれなり、店員も奥で食事をしているようだった。
 ここでは駅弁、では無くて時刻表をお買い上げ。前に来た時は簡単な小冊子の物が1冊25NTDという破格値で売っていたのだが、B5サイズにリニューアルされたものが2種類売っていた。良く分からないので1冊ずつ買い求めたが、高い方は精緻版とあり、全列車掲載の物。安い方は一部列車が省略されているものだった。精緻版でも1冊69NTDだから、相当に安価ではある。
 もう少し構内をぶらぶら。
 姉妹鉄道の縁組をしている日本の鉄道各社を紹介するブースが出ている。

 ちょうど一周年、というのを記念しての開催かもしれない。
 京急の模型が展示されている。

 横浜地区、を象徴する建物としてランドマークの模型がどんと立ち、その真下を京急が行く、なんて相当デフォルメされた光景が展開される。すぐそばに羽田空港。滑走路が16Rなんてあるから嘘はついていない。中途半端にリアルだ。
 一旦ホテルに戻る。地下鉄で一駅なのだが、大した距離ではないので歩いてみる。駅からホテルに向かって歩いてしばらく、

 日本統治下での建物だろうか。古い立派な建物が残っている。国旗が掲揚されていて、現役の建物らしい。台北の中心部。この手の建物が大事に使われている様子が目立つ。
 ホテルの最寄り駅近く、スーパーに寄り道して少々買い物をして、ホテルの部屋に入ったのが15時過ぎ。荷物を一旦仕舞いこむと改めて出かける。今度は夫婦で別行動。妻は夕方のライブを見に行くというので、その間に台北の地下鉄、未乗線区を片付けておこうかと思う。

 今日2度目の善導寺駅で地下鉄板南線。ライブ会場のある南港展覧館までは未乗線区であり、お供する。全線地下区間だから車窓は変わり映えせず、だんだんと空いてゆく車内を見て、郊外に出たことを知るぐらいである。

 20分程で終着の南港展覧館に到着する。ここで妻とはお別れ。22時に善導寺の駅で待ち合わせる事にしている。約5時間が持ち時間。5時間で未乗線区を全部乗り切れるとは思っていないが、どこまでできるか。
 南港展覧館は新交通の内湖線も乗り入れており、そちらに転身する。長い通路を歩いて地上へ。すっかり薄暗くなっていて、雨のパラパラと。間もなく電車がやって来る。3両だか4両の短い電車に乗って反対側の終点、動物園を目指す。

 台北北部を迂回してゆく内湖線。新興住宅街と新興住宅街。その間に取り残された丘陵地帯を縫うように走る。短い間の乗り降りを繰り返す間に立客多数となる。松山空港ではスーツケースを持って乗り込むのが憚られるぐらいの混雑。
 空港を越えると台北の中心地。降りる人の方が目立つようになる。中山国中からは文山線となるが電車は直通。板南線乗換の忠孝復興を過ぎて今度は乗って来る人がちらほらするが先程の勢いは無かった。動物園に向けて郊外へと出てゆくと降りる人が目立つようになる。
 南港展覧館から40分程。台北の南側郊外に差し掛かる。いい加減暗くなってきた車窓に丘陵地帯が広がる。お客さんがだいぶ少なくなり、

 寝ている一人が慌てて降りてゆくと、最後は車内、完全に一人になる。
 終着の動物園着。駅名の通り、台北動物園の最寄り駅であり、猫空へのロープウェーへの接続点だが、閑古鳥が啼いている。

 いい加減空腹なのだが、何か外に出て食べる、という雰囲気の所ではない。折り返した後に期待する事にして、次を目指す。
 木柵線の電車に揺られ、台北中心地へと戻る。少しずつお客さんが増え、車内が立客で埋まる頃に、信義線との結節点、大安に到着する。ここで地上とお別れ、地下に潜る。台北の地下鉄。地下鉄同士の乗換は便利だが、地上をゆく木柵線との乗換はどこも時間が掛かる。
 信義線は数時間前に東門からちょっとだけ乗った路線。今は東門の先、大安にいる。その先の終着、象山をまずは目指す。すぐに電車がやってきてものの10分で終着、象山に到着する。

 一旦改札を出て、地上に上がってみる。食事を期待したのだが、

 上がってみると台北101からちょっと離れた、業務地区という風情の所。少し奥に入れば何か食事は出来るかも知れないが、先を急ぐ。
 現在18:20。信義線は淡水線と直通していて、電車は全て淡水ゆき。でも淡水までの路線は前に乗っているので、中正紀念堂から新店線の終点、新店を目指す事にする。
 がら空きの電車、次の台北101世貿で座席が埋まる程度にお客さんが乗って来る。少しずつお客さんが増えて混んできたところで中正記念堂の駅。ここで新店線に乗り換え。タイミングよく新店行きに乗る事が出来る。
 帰宅ラッシュの順方向になったので、混んだ列車に揺られる。公館までは昨日の通り道。更に先へと進む所で座れる。新店線も全線地下路線。車内にも変化がない。地下鉄ばかり乗っていて、そろそろ飽きが来る頃だ。
 19時過ぎに新店に到着。思ったより早いペースで廻れているが、いい加減、腹が減った。

 思ったよりもたくさんの人が降りてゆく新店の駅。人の波について行って改札の外に出る。台北市街、南側の交通結節点らしくバスターミナルがある、ちょっと大きな駅。そして、駅前には食べ物の店がいくつか。

 道路の向こう側。何店か並ぶお店の一番手前は空いている。その隣は混んでいたが、よく見ると髭の魯肉飯だった。昨日と同じチェーン店に入るのは芸がない。その隣は、雑貨屋か何かかと思ったけど、食事が出来そうだ。試しに入ってみる。

 言葉は分からないが、文字はひとまず分かる。簡体字だとつらいが、幸い台湾は繁体字。メニュー指さしで、炒牛肉麺なるものを頼む。炒めた牛肉が載った麺だね、と。

 席の目の前には冷蔵庫。台湾ビールの瓶がずらっと並ぶ。気にしていたら、店の人、取って飲んだらという雰囲気。言葉は分からないけど、雰囲気は通じる。

 そんな訳で、台湾ビールを頂く。台北の街。名もないと言ったら失礼だけど、街中の適当な店で瓶ビールを一人飲む。だんだんと地下鉄乗りつぶしなんて、どうでもよくなってくる。一杯、一杯。杯が進む度に気が大きくなりそうだ。
 そんな空気を破ってくれたのが、炒牛肉麺

 ん、炒麺?
 炒という文字、牛肉だけじゃなくて麺にも掛かっていたか。
 想像とは違う食べ物だが、味自体は納得いった。炒め具合が絶妙で美味しく頂く。名もなき、と言っては失礼な水準。結局店の名前は分からないけど。
 皿と杯を空にしてのお会計は160NTD。瓶ビールは70NTDか。でも実はこの店、海鮮の店だったらしいと後で気付く。海鮮の店で牛肉入り焼きそばとビール。間違いだらけな選択肢と思われるが、まぁいいや。
 30分程のインターバルで新店の駅に戻る。さて乗りつぶしの続き。松山ゆきの電車にのって七張駅で降りる。新店線の枝線である、小碧潭支線に乗り換える。
 小碧潭支線は七張から分岐して一駅、小碧潭までの路線。本線との直通は無く、七張との一駅を電車が行き来している、らしいが実態はよく知らずに現地まで来ている。
 七張の駅は支線用のホームがある訳でない。

 新店へ向かう本線ホーム。本線への電車の間を縫って小碧潭への電車もやって来るらしい。電車を待っていると、

 反対側のホームに編成の短い列車がやって来る。間もなく松山方面へと消えて行った。
 新店ゆきの電車が去り、ホームには結構な数のお客さんが残る。すると短い三両編成の電車が来る。先程向かいのホームに来て去った電車だ。これが小碧潭ゆき。ホームにいた人たちがみんな乗り込む。間もなく発車。

乗ってみると案外と閑古鳥が啼いている。ホームにいる時は結構な人数が待っているのと思ったのだが。
 電車は良く分からないうちに本線から枝線へ。気が付くと地上に出ている。間もなく終着の小碧潭。


 3両の電車が停まれるだけのささやかな終着点。改札の向こうにホテルらしい建物が見えたが、ちょっと不便じゃないかなぁ。
 小碧潭を発着する電車は概ね毎時3本。20分毎。今乗って来た電車がそのまま折り返す。折り返し電車は3両に数えるほどしかお客さんが乗っていない。
 車両基地らしい雰囲気の脇を通ると電車は地下へ。気が付くと本線に合流していたみたいで、まもなく七張に戻る。

 本線のホームにちょこんと3両編成の電車が停まる。まもなく電車は松山側へと消えてゆく。この繰り返しを早朝から深夜まで続けているようだ。
 改めて新店から来た松山行きに乗る。来た道を引き返し、西門からは改めて未乗路線。西門と松山の間は2014年11月に開業した真新しい路線。時間帯が遅くなったからか、先程の新店ほどの混雑にはならない。20時半前に真新しい松山の駅に着く。
 手持ちの時間は残り1時間半。板南線の西側が残っているのと、中和新蘆線が残っているが、板南線をやっつける事にする。中和新蘆線はまた別の機会に譲る。
 板南線。松山線を西門まで戻るのが手っ取り早いが、少し変化を付けたい、と思う。

 地下鉄の駅から台鐵の駅へ。立派な通路を少々歩いて行くと台鐵の松山駅がある。この台鐵を使って板橋へワープ。改めて地下鉄に戻ろうという魂胆。20:30に板橋を出る区間車が遅れているみたいで、タイミングが良い、と思ったのだが、ホームまで降りる途中で行ってしまう。次の区間車は15分後。仕方がない。
 同じ地下駅でも地下鉄とはだいぶ雰囲気が違う。そしてやって来る電車もだいぶ違う。

 138列車、屏東から延々やって来た自強が到着。気持ち遅れているが、世界標準から言ったら定時と言って良いだろう。

 237列車、花蓮から着いた普悠瑪は5分遅れ。スピード勝負の列車でダイヤに余裕がないのかも知れない。
 本来なら20:45に発車する板橋方面への区間車。普悠瑪が遅れた分、遅れてやってくる。

 EMU800型、8両編成の2273列車。基隆を20:02に出て、向かうは彰化。到着は0:24というから足が長い。

 3つドアの間にセミクロスシートが並ぶ車内。地下鉄にも似た座席配置だが、クッションの良い椅子になっていて長距離の利用もある程度想定しるようだ。
 板橋の次は台北。地下鉄なら駅が幾つも並ぶ所を淡々と停まらずに進む。台北で席が空いたので座るが、大量乗車。立客大勢になる。荷物の大きなお客さんも目立つ。何か汁物みたいな器を持って乗り込む人も居る。台北の街並みを歩く人たちと比べるとどこか田舎臭い感じで、地下鉄と同じような電車でも雰囲気がだいぶ違う。

 板橋には21:10ぐらいの到着となる。この電車が彰化に着くのは日付が変わる0:24。みなさん、どこまで電車に揺られるのだろうか。
持ち時間は残り50分。何とかなるかなと思い、地下鉄の板橋駅へ。まもなく地下鉄の電車に乗る事が出来る。

 10分程で終着、頂埔に着く。最後は折り返しの電車で善導寺に戻る。


 22時ちょっと前、何とか振り出しに戻る。ほぼ5時間で3.5系統+1枝線を乗りつぶした事になる。
 予定通りに妻と待ち合わせ。遅い夕食に行く。台湾は食堂が閉まるのが早く、22時だとやっていない店も多い。今日は予め調べた店まで足を伸ばす。 10分程で終着、頂埔に着く。最後は折り返しの電車で善導寺に戻る。


 22時ちょっと前、何とか振り出しに戻る。ほぼ5時間で3.5系統+1枝線を乗りつぶした事になる。
 予定通りに妻と待ち合わせ。遅い夕食に行く。台湾は食堂が閉まるのが早く、22時だとやっていない店も多い。今日は予め調べた店まで足を伸ばす。駅から10分弱。

 唯一灯りをともした店に入る。龍門客桟餃子館という店。24時まで営業という頼もしい所に入る。
 注文は餃子とあと何か麺を、と思ったが、案外と売り切れの物がある。何度か店の人、注文を受けてはちょっとしてから「無い」の繰り返し。結局、適当な麺を頼むことになる。

 まずは安定の台湾ビールを頂く。こちらでも瓶で出てくる。他のテーブルの人、ほぼ地元客みたいだけどビールを飲む人はあまりいないようだ。

 麺が先に出てきて、

 後追いで水餃子。どちらも美味しく頂く。
 一旦減ったお客さん、食べている間にまた増える。界隈で貴重な宵っ張りの店。しっかりお客さんが付いているようだ。
 人通りの少なくなった道をホテルに戻る。もう23時半。明日は早いので早々に荷物をまとめ、寝る事にする。