JL91 JA622J B767-300ER HND→GMP

 8時前に搭乗口に向かう。147番は増設された端の方。早めに出たつもりだったが、着いてみると結構いい時間になっている。
 
 
 搭乗待ちの行列はすでに短くなっている。写真を撮ると早々に搭乗機へと向かう。
 
 待っていたのはJA622Jであった。一昨日から3日連続での搭乗。昨日のJL94から今日のJL91なら、十分あり得る流れではあるが、それでも3日連続で全く同じ機材というのは経験はない。驚いたが、「昨日と一昨日にもこの機材に乗りましたよ」なんて言いまわる訳にも行かないので驚きは誰とも共有しないまま胸の中にしまい込む。
 8:20、Doorclose。ソウルまでの飛行時間、2時間25分とのこと。昨日より55分余計にかかるが、偏西風がそれだけ強く吹いていると言う事だ。8:25、Pushbuck。今日も定刻に動き出す。昨日だって、動き出しは定刻だった。
 
 8:28、Taixing。国際線ターミナルを横目に飛行機は滑走路へ進んでゆく。A滑走路手前で一旦停止、着陸機をやり過ごしてから横断するとさらに海側へ。今日もC滑走路からの離陸である。
 8:44 Takeoff RWY34R。
 
 
 右側の機窓には埋立地が、そして、東京湾が見て取れる。湾上で右に左に旋回しつつ出来るだけ出来るだけ高度を稼いでから、針路を西へと取る。
 
 東京の東郊、人と河が闘ってきた名残を眺めつつ、飛行機は西に。左手に座っていれば東京都心が逆光の中に広がるのだろうが、
 
 こちらには東京の北郊外、真ん中には大宮。そして荒川の流れが見えてきている。上空から見ると荒川の辺り、東京からさほど離れていないのだが、まだまだ開発が進んでいないのが良く分かる。もう際限なく東京が拡大する時代でもないから、未来永劫こんな感じなんだろうなぁとは思わなくはない。
 東京の西側が見えてきた8:53、ベルト着用サインが消灯する。窓の外には秩父かどこかの山並みが見えている。飛行機はジェット気流に逆らって西へ。速度は伸びない。
 
 外が雪景色になりかけると同時に雲も湧き立って来る。今頃左側には逆光の中で富士山が見えている頃かも知れない。
 昨日以来の疲れがどっと出てくる。恥辱を片付けたいが、隣席も埋まるエコノミークラスでパソコンを出そうという気にはなれず、かといって思い切って寝る気にもなれず。映画を見る時間までは無いから、適当に音楽を聴きつつ、西へ、西へ。
 
 じきに地上は雲で覆われた。どこまでも続く白い雲をぼんやり眺める。
 
 
 9:10を過ぎて機内食が出てきた。韓国線のエコノミークラスは空弁スタイル。10日ごとの入れ替わりなので、17日と19日で搭乗だと同じ食事になるところだった。ある意味食べ分けられてよかった、という事になる、のか。
 朝食を食べて2時間程度だが、さほど量もないので簡単に食べ切る。
 
 最後は冷たいお茶でフィニッシュ。普段は熱いお茶orホットコーヒーの二択なのだが、珍しい事もある。
 再び音楽を聴きながらぼんやり。飛行機は対地速度600km/hを下回る速度でゆっくりと進んでいる。
 
 外を見ると何時の間にか雲が切れている。日本海一面を雲が覆い尽くしている訳でもないという事か。羽田からまだ1時間少々。山陰の辺りまで来たかと思ったらまだ若狭湾の上空だった。
 ゆっくりでも時間が進めば飛行機も進む。そしてソウルはそんなに遠い訳ではない。10:20、あと50分で着陸との案内が入る。雲の無い外の景色は日本海の青色。あと50分と言う事は11:10の到着。気持ち定刻よりも遅くなるようだ。出発時にトラブルがあったわけではないから、遅れの理由はジェット気流。それも相当強烈なジェット気流という事になる。
 10:29、あと10分でベルト着用サインが点灯する旨の案内が入る。機内モニタには入国、税関、そして検疫の案内。一昨日もぼんやり眺めたいつもの情報が繰り返し流れてゆく。飛行機は韓国領内、朝鮮半島に入ったようだ。半島の大地がうすぼんやりと見えてきた。
 10:41、機長さんから直々にベルト着用サインが点灯する旨の案内が入る。30分で着陸するとの案内と共に、故が予想されるので客室乗務員も着席の事と少々語気を強めての指示。飛行機は降下を始めたようだ。少々揺れが来る。枯れた大地が少しずつはっきりと見えるようになってくる。どうやら今日の韓国、昨日の雪は止んだようだ。
 10:55、あと15分で着陸と案内がある。最終コース。ソウルの天候、晴れで1℃と告げられる。昨日の雪は一時的な物だったようだが、気温は冬のものだ。凍り付いているに違いない。
 昨日の雪が残る街がだんだんはっきりと見えるようになってくる。高層団地も商業地も、所々に真っ白な雪。道端にも雪がある。そんな様子を見ていると空港が現れる。11:11、Landing、RWY32R。11:17、Spot in SP39。
 ジェット気流にやられて遅延した東からの飛行機とジェット気流に乗って早着した西からの飛行機。どうやら到着が重なったようだ。中国のパスポートを持った人たちで入国審査は混雑。珍しく手続きに手間取る。待ち合わせは12時。今日は日本から3人くるのだが残り二人はNH。どうせNHも遅れるだろうが、その辺は心配しなくてもいいだろうが。
 
 制限エリア外に出るまで20分少々で済んだ。まぁまぁ、早い方だ。迎えに来る人が居並ぶ中、ベンチに座って会社のメールを確認する。そうこうしているうちに待ち合わせの時間になるが、やはりNHも遅れている。合流は少々遅れた。
 現地の代理店の人と日本から3人、合計4人で客先へと移動する。今日は仁川にある会社だそうだ。事前に課題は貰っていて多少資料は作って来たが、どう転ぶか。
 仁川と言っても空港の方ではなく、恐らく地下鉄1号線の沿線。途中簡単に昼食、と言う事で寄ったのがEマート。フードコートで今日は冷?を頂く。何か知らないが昨日今日と3食フードコート。こちらは6,000KRWだったと思う。
 客先の約束は午後2時。蒲田近辺の中小規模の会社が集まるような工業地帯というか工業団地を思わせるような一角に客先はある。先方は韓国から見て外資系会社の現地法人。担当者も韓国人。簡単な英語で説明したり、現地の代理店の人に訳して貰ったりでの商談となる。予定では2時間だったが、大幅に超えて17時近くとなる。
 
 夕方17時半近くにお暇する。辺りの道路、交差点だろうが何だろうが路上駐車の嵐。街中を歩いているだけでは分からないギャップに少々カルチャーショックを覚える。
 今日はこちらに宿泊。代理店がソウルの南側にホテルを手配してくれており、そちらに向かう。クルマに乗っている間に日が暮れる。仁川からソウル市内、街並みが延々続いている様子を想像していたが、案外と鄙びたところを通ったりもする。鉄道で移動しているだけでは分かりづらい一面を垣間見る。
 ホテルまで1時間ほど。一旦チェックインしたが、宴会だというので連れ出される。もはやどこをどう走っているのか分からないが、大きなビルの駐車場に入る。居並ぶ車、大きい車だらけで、先程の工業団地とは世界が違う事が分かる。
 
 お店は日式、フェじゃなくて刺身なのだろうが、飲み方は韓国式だった。ビールに焼酎を混ぜるいわゆる爆弾酒。そのうち焼酎に切り替わる。小さな杯を一気に乾す、と言う訳には行かないけど散々飲まされる。そして飲まされる。
 会社に人たちだけで二次会まで足を伸ばしたから相当、したたかに飲んだ。ホテルに戻るともう日付の変わりそうな時間。
 
 窓の外、漢江を挟んでソウルの街灯りが見えている。ホテル自慢の夜景らしいが、酔っ払っているとどうでも良くなる。早々に就寝。